ネットワークサービスを活用して業務効率化やコスト削減を図りたいと考えている人は多いと思います。しかし現在ネットワークサービスは多様化が進んでおり、どんなサービスがあってなにができるのか把握できず、導入に二の足を踏んでいませんか?
ネットワークサービスと聞いてまず思い付くのは、クラウドでしょう。しかし昨今では、クラウド以外にも注目すべきネットワークサービスが存在します。ここではVPN(仮想プライベートネットワーク)などのネットワークサービスを上手に活用し、業務効率化・コスト削減を行いつつ、高品質な通信を実現する方法を考えてみましょう。
上位のVPNサービスでは、帯域優先機能により安定した通信が可能に
VPNは、公衆回線を用いて仮想的なプライベートネットワークを構築する通信サービスのことで、企業内ネットワークの拠点間接続などに使われます。つまり、VPNを使うことにより、拠点ごとにばらばらだった社内ネットワークをひとつの同じネットワークとして扱うこともできるようになるのです。
拠点ごとに社内ネットワークを構築し、管理者を配置していた場合、多額の運用・管理コストがかかっていました。しかし、VPNを利用し全拠点を仮想的なネットワークでつなげることにより、これらの課題は解消します。
また、最近では従来のベストエフォート通信に加え、優先的にパケットを転送する帯域優先機能により、回線が混み合っているときでも安定した通信ができるサービスも登場しています。このサービスを利用すれば、リアルタイムを求めるデータも安定して送ることが可能になります。
イーサネットサービスに専用線のような高品質タイプも
拠点同士を結ぶ安定した通信といえば、やはり「専用線」です。しかし、専用線を敷設するには費用がかかり、また運用コストも無視できません。そこで、注目したいのが契約した帯域の使用を保証する「帯域保証型」のイーサネットサービスです。これは契約したすべてのお客さまに対してそれぞれ帯域を専有するサービスで、設備を共有する他のお客さまのデータ通信が急激に増加したときでも安定した通信を実現します。
従来のイーサネットサービスは「設備を共有して論理的に専有して安く」がポイントでしたが、近年はより高品質なものが登場してきています。これなら、現在専用線を使っている企業も、帯域保証型のイーサネットサービスを視野に入れてもいいかもしれません。
IP電話を利用した従量課金型のサービスも提供
光通信回線を使いたいものの、常時必要ではないという企業も多いことでしょう。そんなニーズに合わせてIP電話を利用した従量課金型のサービスも提供されています。つまり、必要なときに必要なだけ安全に高速データ送信を行えるのです。
電話番号で相手を指定する1対1のデータ通信なので、接続先の指定が簡単であるメリットとともに、NGN(次世代ネットワーク)を利用しているので、セキュリティが高いのも特徴です。帯域も保証されているので、安定した通信が行えるのもポイント。もしISDN回線をダイヤルアップなどで使っているのであれば、このサービスを利用することでコスト削減につながるかもしれません。この機会に、IP電話への乗り換えなどもまとめて検討してみてはいかがでしょう。
ニーズに合わせて利用しよう!
現在では、ICTの黎明期には考えられなかった多彩なネットワークサービスが提供されています。しかも、利用者が求める品質や利用頻度、コストに応じてさまざまプランが選べるのも最近のネットワークサービスの特徴です。企業ニーズと現状を鑑み、新たなネットワークサービスへの乗り換えを検討する時期にきているのではないでしょうか。
連載記事一覧
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