2021.01.21 (Thu)
~AI-OCR・RPAが導くニューノーマルとは~(第2回)
働き方改革関連法で中小企業も残業できない!?ウィズコロナで取り組むべきRPA戦略とは
働き方改革関連法は厚生労働省が推進する、「働き方改革」を後押しする為の法律です。
その目的は、『働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにする』ことです。
この法律により、以下のような問題の解消が期待されています。
- 長時間労働の是正
- 多様で柔軟な働き方の実現
- 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保 など
この問題が解消されることは、一見喜ばしいことに見えます。しかし、法律の具体的な内容を見てみると、喜ばしいことだけではないところもあるようです。
本コラムでは、『長時間労働の是正』に焦点をあて、AI-OCRやRPAの導入により解決できることを説明します。
コラムで伝える3つのポイント
働き方改革関連法案で変わる中小企業の時間外労働について
働き方改革の大きな目的の1つに長時間労働の是正があります。その具体的な方策として、法律で時間外労働の上限を定められました。
2019年4月より施行された当初は、中小企業が対象外でしたが、2020年4月より中小企業も含めて法律の対象となりました。
出典:厚生労働省 働き方改革特設サイトより一部抜粋(2020年10月時点)
なお、時間外労働の上限規制に加え、以下のようなことも守る必要が働き方改革関連法には明示されています。
- 時間外労働の上限が設けられ破れば刑事罰
- 年5日の有給休暇取得を義務化(対象:年休が10日以上付与される労働者)
- 1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を確保する
読者の方の中には、この内容を見て、現実問題難しいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、この国の方策。実は、今取り組まないといけないといけない理由があります。
なぜ今、働き方改革を推し進めなくてはいけないのか?
今、働き方改革を進めなくてはいけない大きな理由としては、将来予見されている急激な人口減少にあります。
内閣府の公表によれば、20~70歳の働ける人口(生産年齢人口)は2013年に約8000万人いたのに対し、10年で1000万人以上減少される見通しがたっています。
少し未来の話ですが、2070年には半数以下になる予想されております。
●20~70歳人口の将来推計
出典:内閣府ホームページ「中間整理参考図表」より一部抜粋(2014年5月調査)
上記のように、働ける人数が減ってくる為、今までと同じような方法では、近い未来に業務が立ち行かなくなると予想されます。
60年後に、半数の働ける人だけで世の中を支えていくためには、今までの業務の仕方を見直すだけでなく、従来では実施してきていなかった手法を柔軟に取り入れ業務効率化を進めることで、生産性を飛躍的に上げていくことが必要になります。
業務効率化ツール「RPA」の導入と効果について
上述の通り、
- 労働人口の減少
- 労働時間の抑制
が同時に起こるため、労働生産性を上げざるを得ません。
そこで、人間がやっていた仕事の一部を自動化できるRPAに注目が集まるようになりました。
●RPAとは
RPAとは「Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語のことです。
人間に代わり、パソコン上の操作を自動で代替し、業務を遂行してくれます。
例えば、下記のような業務を人が作業せず、自動化することが可能です。
- 手書きの申込書を手作業でシステムへ入力
- ダウンロードした見積データを会計システムへインポートし、そのインポート結果を営業へメール送付
- 部下がシステムへ入力した報告事項を、マネージャーが手作業で集計・転記
定型業務を自動化し、人間にしかできない高度な仕事に集中できるようにすることで生産性の向上に役立ちます。
RPA導入による成功事例
以下、RPAの導入事例をみていきましょう。
事例1:RPAで、効率的なデータ入力が可能に。
RPAを入れる前によく聞く話は、手書きの紙を目視し、それを入力しなければいけないケースをよく聞きます。
そういった場合は、手書きの紙帳票を電子化できるAI-OCRをセットにすることも有効です。
事例2:AI-OCRとRPAをマッチングさせ、単純作業を自動化
人事労務業務の効率化と品質の向上を実現
―――ウィズコロナで期待される『新しい働き方』にも
加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続くウィズコロナ時代においては、いかに、人との接触を減らしながら安全とビジネス展開を両立するかが課題となり、デジタル化やリモートワーク導入が進んでいます。
企業は在宅勤務を推進したり、インターネットを通じたサービス提供方法を模索したりするなど、目先の対応に追われている場合もありますが、コロナ危機のいまこそ、業務効率化を強化していく必要があるのかもしれません。
AI技術を活用して大量の書類を簡単にデータ化できるOCRサービス
まとめ
本記事でお伝えしたポイントをまとめます。
- 働き方改革関連法により、労働時間の上限や制約が出てきた
- 法律の影響だけでなく、今後労働人口が減ってくるので、本質的に取り組まなくてはいけない
- その対応手段としては、RPAが有効!さらに、AI-OCRは相性がいい!
NTT東日本ではAI-OCRサービス『AIよみと~る』とRPAサービス『おまかせRPA』を提供しております。操作性や文字の読み取りを試してみたい方は、簡易デモを用意しておりますので、是非、コールセンタへお問い合わせください。
この記事の作者
NTT東日本:北森雅雄
連載記事一覧
- 第2回 働き方改革関連法で中小企業も残業できない!?ウィズコロナで取り組むべきRPA戦略とは2021.01.21 (Thu)
- 第1回 紙帳票でテレワークできない?!アフターコロナの働き方改革2020.10.02 (Fri)