2025年4月1日利用分より、フレッツ 光ネクスト(一部サービスタイプ)の月額利用料を改定します。詳細はこちら別ウィンドウで開きますをご確認ください。

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2021.02.16 (Tue)

1からはじめるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)(第1回)

BPOを進めるにあたって事前に決めるべきことを解説

 BPOの導入を進めるにあたり、社内で事前にしっかりと協議することは必要不可欠です。どの領域の事業をBPOするのか、どの業務をBPOするのか、その目的は何なのか。BPOすべき領域・業務は現状どのような形になっているのか。それらをしっかりと見極め、どういうBPO事業者に任せるのかを事前に十分検討した上でBPO導入を進めれば、失敗は可能な限り防げます。BPOのメリットを最大限に生かし、デメリットを極力防ぐための事前確認について解説します。

BPOの概要

 そもそもBPOとはどのようなものであるか、ご存じでしょうか。以下ではBPOの概要とBPOに最適な領域を解説します。

BPOとは「Business Process Outsourcing」の略である

 BPOとは「Business Process Outsourcing」の略であり、直訳すると「業務プロセスの外部委託」となります。従来のアウトソーシングは「自社業務を外部委託するのみ」であったことに対して、BPOは「自社業務だけでなく、それに関わる業務企画・設計から実施までの全プロセスを一括して外部委託する」という点が特徴となります

BPOに最適な領域

 ビジネスの領域は「コア領域」と「ノンコア領域」に大きく分けることができ、BPOは「ノンコア領域」への活用に適しています。「コア領域」とは戦略上競争優位性を保つ必要がある領域であり、「ノンコア領域」とはそれ以外で、コスト削減などを考慮すべき領域となります。BPOは外部委託することでコスト削減を行うことができるため、ノンコア領域が最適となるのです。もちろん、コア領域についてもBPOを活用できないわけではなく、その分野のスペシャリストに業務委託することで市場競争力を効率よく高めることができます。

BPOを活用したほうがよいのはどんな場面か

 BPOは「ノンコア領域」に最適であり、「コア領域」にも活用できることをお伝えしましたが、むやみに活用すれば良いわけではありません。以下ではBPOに最適な業種とBPOを導入する際のポイントを解説します。

BPOに向く業種

 BPOはどのような業種にも活用することができます。BtoCであればコールセンター業務、BtoBであれば総務などのスタッフ部門の業務など、適用できる業種は多岐に渡ります。大切なことは後述の導入ポイント2点をもとに「どの領域のどの業務をBPOするかを決めること」です。

BPO導入の進め方・目的の明確化

 導入ポイントの1点目は「目的を明確にする」ことです。BPOを導入する業務に関して、なぜその業務をBPOするのか、どのような効果を期待してBPOするのかを明確にする必要があります。目的が不明確だと、導入した結果の良否を判断することができませんし、委託先企業もゴールが把握できず、認識の齟齬が生まれる可能性があります。大切なことは「目的を明確にした上で、関係者とその内容を合意し、意思統一を図ること」です。

BPO導入の進め方・現状分析

 ポイントの2点目は「現状をしっかり分析する」ことです。BPOの目的を明確化する上で、まずは現状を詳細に把握できていないと課題の真因を把握することができず、必要ない業務をBPOすることや、本当はBPOが必要な業務を内製化してしまうことにつながります。

実際の活用事例はどういうものがある?

 それでは実際のBPOの活用例をご紹介いたします。

BPOを活用すると良い業務

 BPOは「ノンコア領域」に最適であると前述したように、一般的な活用方法としてはノンコア領域にBPOを活用し、競争力向上を図るべき「コア領域」に自社リソースを注力することが挙げられます。以下にその具体的な実例を紹介します。

BPO活用例(1):コールセンター

 楽天証券では業務上の課題として、「問い合わせ数の急増」、「従来システムの応対電話番号の枯渇」が挙げられ、その解決策として「コールセンター業務のBPO導入」を実施しました。その結果、上記課題を解決しただけでなく、コールセンター業務のモニタリング結果をレポートとして見える化を行い、顧客満足度の向上や、改善活動の迅速な実行を実現しました。

BPO活用例(2):人事給与業務

 リンクアンドモチベーショングループでは課題として、「グループ拡大に伴う既存の人事給与システムの利用上限到達」が挙げられ、その解決策として「人事給与業務のBPO導入」を実施しました。その結果、グループでの人事給与一括処理が可能となったことや、その後のグループ拡大への柔軟な対応を実現しました。

 上記の活用例のように、BPO前に正しく自社の課題を把握し、その解決策としてBPOを行うことで、得たい成果を挙げられるようになります。楽天証券の例のように、思わぬ副産物としてのメリットを享受できる場合もあるので、課題を明確にし、適切なBPOを行うことは自社ビジネスの推進につながります。

BPOを活用するにあたっての注意点は?

 ここまでBPOを活用することにより得られる効果を述べてきましたが、注意点もあります。以下ではBPOを活用するメリットとデメリットを整理し、BPO事業者を選定する際のポイントを解説します。

BPOを活用するメリットとデメリット

 BPOを活用するメリットは「コア領域への注力」、「コスト削減」できるだけでなく、単なるアウトソーシングとは異なり業務プロセスを一括で委託するため、業務課題の解消や改善が期待できます。デメリットとしては、業務プロセスを委託することにより、対象業務のノウハウが自社に蓄積せず「ノウハウの空洞化」が生じること、外部の企業に委託することによる「情報漏えい」のリスクが発生することが挙げられます。BPOの対象業務をしっかりと選定することで「競争力向上のためのノウハウ」が空洞化することを避けること、BPO事業者をしっかりリサーチして選定することで「情報漏えい」のリスクを避けることが大切です。

BPO事業者(アウトソーサー)を選ぶ際のポイント

 BPO事業者を選定する際のポイントは「委託業務の専門性が高いこと」「スタッフ教育に力を入れていること」「デメリットを払拭できること」の3点です。BPOは業務企画から改善活動まで一括で委託するため、専門性が高い企業のほうが、より高い効果を得ることができます。

 事業者の導入事例を参考にし、目的に沿った事業者を選定しましょう。スタッフ教育に関しては、継続的に業務を委託することになるため、長期的な目線で教育体制が整っていることが必要です。さらに「情報漏えい」対策の取り組みを行なっている事業者を選定することで、デメリットをできるだけ避けるようにしましょう。

BPO対象領域・業務をしっかり定めましょう

 BPOはコスト削減やコア領域への注力できるようになるだけでなく、業務ごとに抱える課題を解消できるアウトソーシングです。BPOを最大限活用するために、現状分析をしっかり行なった上でBPOを導入する領域・業務・目的を明確にし、最適なBPO事業者を選定しましょう。

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