2020.11.24 (Tue)

ビジネスパーソンの力を引き出すビジネス書(第1回)

若手ビジネスパーソンに「いま、読ませたい本」

 若手ビジネスパーソンの成長を促すため、さまざまな企業で日常的に行われているのが“読書課題”です。「いまの若手ビジネスパーソンにはどんな知識が必要か」、「どのような本なら読んでくれるのか」と悩みながら選書に向き合う管理職も多いことでしょう。そこで今回は、若手ビジネスパーソンに刺さる、読みやすくユニークなビジネス関連書籍を紹介します。

新時代のリーダー像に触れる『ゆめのはいたつにん』

ゆめのはいたつにん
著者:教来石 小織 発行:センジュ出版

 途上国の子どもたちに映画を届ける活動を行うNPO法人「CATiC」(現World Theater Project)代表の教来石 小織(きょうらいせき さおり)氏による、自伝的ノンフィクション。ごく普通の派遣事務員だった著者が、夢を見つけ、行動を起こし、仲間を巻き込んでNPO法人を立ち上げ、そしてビジネスプランコンテストでグランプリを受賞するまでの軌跡を描いています。

 もっとも大きな特徴が、主人公である教来石氏が「ヘタレ」であるところ。気弱で控え目、かつ、話しベタの主人公が、周囲の仲間に叱咤激励されながら少しずつ成長していく様子が綴られています。強いリーダーシップでチームを牽引するような従来型のリーダーではなく、周囲の意見をよく聞き、仲間を頼り、チームの力を活かして成長する、これからの時代に適した新しいリーダー像が全編にわたって示されています。

 そのほか「女性リーダー」「社会起業」「クラウドファンディング」など、現代のトレンドに合った話題が盛り込まれているところ、優しく柔らかい筆致でまとめられているところも特徴です。

 未熟で自信が持てない若手ビジネスパーソンに夢を与える意味でも、これからのビジネスやリーダー像について考えてもらう意味でもおすすめ。“未来の仕事”のヒントが詰まった、20代のうちに読んでおきたい良書です。

累計発行部数400万部 生き方を見直す『夢をかなえるゾウ』

夢をかなえるゾウ』1~4巻
著者:水野 敬也 発行:文響社

 ごく普通のビジネスパーソンである主人公が「神様」を名乗る謎の生き物、ガネーシャに出会い、その指南によって少しずつ生き方を変えていくという自己改革小説。

 「靴を磨く」、「食事を腹八分目に押さえる」、「毎朝、全身鏡を見て身なりを整える」といった基本的なことから、「一日、なにかをやめてみる」、「自分が一番得意なことを人に聞く」などといった発見の方法、さらには「運がよいと口に出して言う」などの前向きな思考の作り方まで、あらゆる自己改革のポイントが、主人公とガネーシャとの会話によって示されていきます。

 2007年に第1巻が発行されたのち、2012年には売れない芸人がガネーシャとともにお金について学ぶ第2巻が、2014年にはごく普通のビジネスパーソンがガネーシャから恋や仕事についての向き合い方を指南される第3巻が発行されました。そして2020年7月には、夢の諦め方や死をテーマにした最新巻が発行されるなど、息の長いシリーズとなっています。

 全巻を通して、仕事や生活の土台となるような基本的かつ普遍的なテーマを扱っているところがポイント。また、笑って泣ける、非常に読みやすいエンタテインメント作品に仕上がっているところも特徴です。

意志力を科学する『スタンフォードの自分を変える教室』

スタンフォードの自分を変える教室』(文庫版)
著者:ケリー・マクゴニガル 発行:大和書房

 スタンフォード大学の超人気講義を書籍化したもの。意志の力をコントロールする方法、やる気を科学する考え方が述べられており、自分に対して「やるべきことをやるように仕向ける」ためのメソッドが詰まっています。

 2012年に発行され、「根性論ではなく科学的かつ理論的に意志をコントロールする方法が書かれているところが新しい」と話題になり、ベストセラーとなりました。2015年には文庫版も発売されており、オーディオブックやドラマにもなっています。

 若手のうちに「意志力はコントロールできる」、「根性でどうにかするものでなく、理論的に鍛錬できるものである」と知っておくというのは、とても大切なこと。その後の成長度や仕事の質が大きく変わります。これから若手ビジネスパーソンだけでなく、行き詰まりを抱える中堅ビジネスパーソンにも刺さる1冊です。

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