顧客の新規開拓営業は、ビジネスを行う上で必ず行わなければなりません。どんなサービスや商品であっても、利用する顧客がいなければ事業を存続させることは困難です。そんな中で電話営業は、新規顧客を開拓するための代表的なアプローチ方法になります。
一般的に電話営業は相手に不快感を与え、嫌われるものだという印象が強い人も少なくないでしょう。しかし、場合によっては、電話営業でも顧客から感謝の言葉をかけられることがあるのです。
なぜ、電話営業が嫌われやすいのか、どうすれば感謝されるような会話に運んでいけるのか。今回はこれらの理由や方法について解説します。
電話営業がうっとうしい理由
電話営業と対面営業の最大の違いは、相手の姿が見えるかどうかということです。会ったことがない相手から受けた電話では、相手の話し方や声などの印象から、その人をイメージします。
そして、最初の印象によってその人の話を聞くかどうかを判断するケースがほとんどです。つまり、商品やサービスがいかに魅力的であっても、声や話し方で嫌われてしまえば、話さえも聞いてもらえません。
一般的に嫌われる営業とは、自分の利益を最優先に考え、とにかく売ろうとします。そのため、電話した相手への印象などを考えずに、自社商品やサービスの魅力ばかりを一方的に語ってしまうのです。結果、商品の魅力に関係なく“うっとうしいやつだ”と思われ、相手にされず終わってしまいます。
嫌われる電話営業と嫌われない電話営業の違いとは
では、気に入られる話し方や声の出し方とはどのようなものでしょう。ビジネスに限らず、コミュニケーションには人としての相性や好みもあるので、絶対に好印象を持たれる話し方や声の出し方というものはありません。
ですが、少なくとも悪印象を与えない、あるいは大多数に気に入られる可能性の高い話し方は存在します。
初めに“嫌われやすい営業の話し方や声の特徴”について挙げておきましょう。嫌われる主な要素と理由は以下の通りです。
・早口で何を言っているのかが聞き取れない
・顧客の要望や話を聴かず、一方的に話し続ける
・口先でぼそぼそと喋る、あるいは大声で威圧感を与える話し方をする
・商品やサービスを売り込む話しかしない
人は心理学上においても、話を聴いてもらえることに喜びを感じるとされていますので、一方的に話し続けることは取り合ってもらえる可能性を非常に低くしてしまいます。また極端に暗い話し方は、自信がない印象を与えてしまいますし、逆も同様です。
電話営業で相手に好印象を与えるためには、売り込むよりも相手との会話や信頼関係などのコミュニケーションに重点を置く必要があります。信頼できない相手から、何かを買おうと思う人は少ないでしょう。
そのためには、以下のような部分を意識しておくことが大切です。
・ゆっくりと話す
・お腹に力を入れて喋る
・話すより聴くことに注力する
・仕事以外の雑談で会話を盛り上げる
・契約を即決しようとしない
コミュニケーションの大前提は会話を成立させることであり、それはビジネスでも変わりません。特に電話では相手の話が聞き取りづらい、分かりにくいと感じさせただけで不快感を与えしまうので、ある意味では対面営業よりも難しいといえるでしょう。
そのため、聞き取りやすく・分かりやすく・会話が有意義であるという印象を与えられるかどうかが、電話営業における成功の鍵となります。
上述した方法は、性別や年齢・業種などによっても好まれる要素が異なるので、その都度の調整が必要です。
顧客が自身のニーズに気付いているとは限らない
営業職は本来、顧客に有意義なサービスや商品を企画・提案する、いわばカウンセラーと同じ立場の職種です。ニーズがあれば売れるし、ニーズがなければ売れません。重要なのは、顧客自身が自分の要望に気付いているとは限らないということです。
この潜在的なニーズをヒアリングしてくみ取り、提案することで、顧客自身のニーズを気付かせるのが営業の役目となります。
良好な関係性を構築した上で提案された内容が魅力的であれば、顧客に感謝されることはあっても、嫌われることはまずありません。これまで述べた話し方や声の出し方による印象は、あくまでこの提案を聴いてもらえるまでに欠かせない手法です。
人によっては提案自体いらないと考えている顧客もいるので、絶対の正解はありません。ですが、少なくとも“自社が売ろうとしている商材が、その会社や従業員にとって有益である”ものであり、そして “一方的に話して強引に売り込む”ことを避ければ、とかく嫌われがちな電話営業にも、成功の目が出てくることでしょう。
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