企業が利益をアップさせるには、売り上げを伸ばすだけでなく、経費の削減が必要不可欠です。多くの企業が経費削減に取り組んでいると思いますが、見落としている部分があるかもしれません。ここでは、すぐに取り組めるコスト削減の8項目と改善策を紹介します。これを機に、無駄なコストをチェックしてみてください。
手をつけやすい経費削減8項目
以下の項目に当てはまるものがあれば、経費削減できる余地があるかもしれません。
(1)従業員数が多く、交通費が膨大
(2)業務用携帯を支給している
(3)コピー機を2台以上契約している
(4)事務所は同じ物件を長期間借りている
(5)配送料が高額
(6)自社ビルである
(7)人材派遣会社を利用している
(8)制服である
では、それぞれについて見ていきましょう。
(1)従業員数が多く、交通費が膨大
交通費は長期の定期券支給にしていますか?1カ月の定期券代と6カ月の定期券代では、金額にかなりの差が出ます。また、人数が多いと大変ですが、最安ルートでの支給となるようチェックすることも必要です。
ガソリン代を支給している企業は、ガソリン単価や燃費の確認を行いましょう。「往復通勤距離×月平均所定勤務日数×ガソリン単価×平均燃費」のような計算をしてガソリン代を算出している場合、現状に適したものになっているでしょうか? 国土交通省では毎年、平均燃費を発表しています。数年前とは燃費が随分と変わってきているので、確認してみるとよいでしょう。
(2)業務用携帯を支給している
通信事業者との個別交渉で、通信サービスの料金や提供条件を決める「相対契約」を行っていますか? 支店や部門ごとの契約は止め、キャリアプランを統一することで、値引き交渉が行いやすくなります。
(3)コピー機を2台以上契約している
コピー機は導入する機種、台数、地域により割引率が大きく異なるようです。交渉次第で料金が下がる可能性もあるので、契約の見直しを行いましょう。
(4)事務所は同じ物件を長期間借りている
固定経費のなかでも占めるウエイトの高い賃料。経費削減による経営への影響がないため、ぜひ見直したい部分です。リーマンショック以降、新規の賃料は値下がりしていますが、継続の場合そのままとなっているケースも多いようです。賃料の適正化交渉を行いましょう。
(5)送料が高額
運送会社との個別契約や、ゆうパックの大口割引を利用して配送料を抑えることが可能です。状況に合わせて料金や利用のしやすさを比較検討してみると良いでしょう。大口契約適用事業者を通して発送することで、さらに料金を抑えるという方法もあります。
(6)自社ビルである
自社ビルの保有コストが負担になっているなら、思い切って売却を検討してみても良いかもしれません。リース会社などに売却し、賃貸契約を結び直す方法をとれば、オフィスはそのまま使えるので移転の必要はありません。
(7)人材派遣会社を利用している
正社員にかかる費用を削減するために、派遣会社を利用している企業も多いことでしょう。人材確保の手段はさまざまですので、派遣会社の比較、アウトソーシングやアルバイトの採用なども含め、検討してみることをお勧めします。
(8)制服である
経費削減のため廃止する企業が増えています。制服を廃止することで更衣室の撤去も可能となり、新たなスペースを確保することもできそうです。しかし最近は企業イメージ浸透のため、復活させる企業も出てきているそうなので、慎重にご検討ください。
従業員の意識改革が重要
大切なことは、個人の経費削減に対する意識を高めることでしょう。無駄なコピーをなくす、離席時のパソコンは電源をオフにするなど、一人ひとりが今すぐ出来ることを呼びかけることが大事です。
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- 第1回 今すぐチェック!コスト削減できる会社とは 2016.03.16 (Wed)