品質も価格設定も最大限努力をしている。でも競合他社も同等の企業努力をしているため、紙一重で見込み顧客を他社に奪われてしまう。もし、競合にはないクリティカルな強みを持つことができたら・・・。そう思案する経営者の方は多いのではないでしょうか。
今回ご紹介させていただくサービスは、電話応対時の「おもてなし力」を強化することで、競合との差別化を図るICTソリューションです。
皆さまはCTI(Computer Telephony Integration)というシステムをご存じでしょうか?
CTIは古くからコールセンター等で使用されているシステムで、電話の発着信時に過去の応対履歴や顧客属性をパソコン上でリアルタイムに確認できるシステムです。
このCTI、最近ではクラウド型のサービスが注目されており、さまざまな業種・職種で活用されるケースが増えてきています。その理由として挙げられるのが、次の三つの効果です。
- 電話対応の効率化
- 対応不備、クレームの抑止
- 顧客満足度の向上
さて、この三つの効果を得ることで、顧客(見込み顧客)との関係性はどのように変化するのでしょうか?
その答えをできるだけ簡単にイメージしていただくため、まずはこのCTIが「どのようなシーン」で「どのような使われ方」をするのかについてご紹介いたします。
- 電話が鳴った時点で、従業員のパソコン画面上には入電者(お客さま)の名前や予約日時が表示される。
- 電話を取った従業員は、予約日変更などお客さま依頼事項をスピーディに対応することが可能。
- 電話が鳴った時点で、営業担当者名、検討車種、見積り情報などがパソコン画面に表示される。
- 顧客情報や来店者情報を検索しなくて済むため、電話を保留にすることなくスピーディな対応が可能。
- 電話が鳴った時点で「営業担当者」が判明するため、電話受けの事務スタッフではなく、営業担当者が直接電話をとることができる。
- 対応履歴を確認しながら電話ができるので、「先日〇月〇日に来店された○○さまですね」「○○のご検討状況はいかがでしょうか?」のように、「お客さまのことをちゃんと覚えていますよ」というニュアンスを電話応対に織り込むことが容易となる。
- 電話が鳴った時点で「いつ」「どの車種を」「どの営業担当から」購入したのか従業員のパソコンに表示される。
- 購入から期間が経ったお客さまでも、「車検情報」「メンテナンス情報」等をすぐに参照できるため、品質の高いアフターサポートが可能になる。
- DMやSMSによる広告情報の配信日、配信内容も参照できるため、何を見て電話をかけてきたのか予測をつけやすい。広告の配信内容に沿った電話応対が可能となる。
- ※顧客情報の画面表示はユーザー設定により変更できます。
以上がカーディーラーにて得られたCTIの効果です。
いわゆるカーディーラーと呼ばれる販売店は、自動車メーカーと特約店契約をした販売会社が運営しており、車の販売価格や品質、あるいはお店のレイアウトなど、競合店(他のカーディーラー)との差別化を図りにくい業界と言われています。だからこそCTIの導入で電話応対を磨き上げ、顧客満足度を高めることで見込み顧客の獲得や、既存顧客の囲い込みを推進しようとしたのが上記の事例です。
人の印象は10秒以内で決まると言われています。私たちはごくわずかな時間で「相手と関係を構築したい」「もっと話をしたい」あるいは「深く関わりあいたくない」「これ以上話をしたくない」という判断を潜在意識の中で下していることが多いと考えられているのです。 これは企業に対する顧客の潜在意識にも同じことが言えるのではないでしょうか。
顧客(あるいは見込み顧客)があなたの会社へ電話をしてきた際、最初の数秒で電話を受けた従業員の評価が決まってしまうかもしれません。そしてそれはあなたの会社の評価となるかもしれません。電話応対の「おもてなし力」を高めることは、競合と差別化を図る大きな武器となるのではないでしょうか。
さてこのCTI、これまではオンプレミス型が主流であったため、高額な構築コストが必要と考えられておりました。しかしクラウド型CTIはインターネットにつながれば利用できるため、小規模事業者でも導入を進める企業が増えてきております。
- ※クラウド型CTIのご利用には、ひかり電話オフィスタイプなど電話サービスのご契約が必要な場合がございます。
連載記事一覧
- 第1回 わずか数秒の電話応対で競合を置き去りに!見込み顧客をクギヅケにするICT2020.12.11 (Fri)