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2023.05.29 (Mon)

地方創生とは持続可能な社会をめざす取り組み|事例3選やメリットをわかりやすく解説

posted by NTT東日本

地方創生とは、持続可能な社会をめざすための取り組みです。人口減少が続き、地域格差が広がっていく中で地方創生が注目されています。とはいえ、自然や文化などの豊かな資源があるにも関わらず、土地の魅力を発信できていない地域も多いのが現状です。

東京一極集中を解消し日本全体の経済を活性化するためには、地方創生を推進していく必要性があります。しかし、地方創生にどのように取り組むべきかがわからずに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、地方創生が注目される理由や取り組むメリットについて解説します。また、実際の取り組み事例についても紹介するので、地域活性化に興味のある方はぜひ最後までお読みください。

1. 地方創生とは地域格差を解消して持続可能な社会をめざす取り組み

地方創生とは、地域ごとの特徴を活かすことで日本全体の活力を向上させる取り組みです。地方創生推進のため、平成26年の閣議決定で「まち・ひと・しごと創生本部」が内閣に設置されました。「まち・ひと・しごと創生本部」は、各地域が自律的で持続的な社会を創生するための政策を進めている組織です。地域を活性化することで、人口急減・超高齢化などの課題解決をめざしています。

また、地方創生は、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」に関係しています。SDGs目標11のポイントは、以下のとおりです。

  • ・地域のコミュニティの強化と個人の安全を確保する
  • ・技術革新や雇用を促進する
  • ・土地や環境に負荷をかけない都市を維持・発展させる

SDGsの目標11を達成するには、地方創生への取り組みが重要だといえるでしょう。

2. 地方創生が注目される3つの理由

この章では、地方創生が注目されている3つの理由について解説します。

  • ・人口減少が進み続けている
  • ・東京一極集中が解消されない
  • ・地方のリソースを活かせていない

日本社会の課題を理解し、なぜ地方創生を推進する必要があるのかを把握しましょう。

2-1. 人口減少が進み続けている

日本の人口は減少し続けており、高齢化が進んでいます。厚生労働省が発表した「我が国の人口について」では、2065年には高齢化率が38%に達すると推測されました。人口減少や高齢化により地域の過疎化が進んでいる中、生活インフラの停滞を防ぐため、地方創生が注目を集めています

さらに、若年女性人口が半数以下の「消滅可能性都市」が増えています。あらゆる産業で労働力として期待される現役世代が減ることは、経済成長の停滞につながるでしょう。

2-2. 東京一極集中が解消されない

地方創生が注目されているのは、東京人口一極集中や転入超過が続いている状態が関係しています。東京に人が集まりすぎると、災害時のリスクが高まってしまいます。都心で大規模な災害が発生した場合、大きな人的・物的被害を受けるでしょう。また、医療や行政が正常に機能せず、社会混乱が起きる可能性があります。

総務省の「住民基本台帳人口移動報告 2022年(令和4年)結果(7ページ)」によると、2022年の東京の転入超過数は3万8023人でした。すべての都道府県の中で、東京の転入超過数が最多です。新型コロナウイルス感染症の拡大により地方移住への関心は高まりましたが、現在も東京の転入超過が続いています。

2-3. 地方のリソースを活かせていない

それぞれの地域には、歴史や文化、食材といった独自の資源があります。しかし、土地ごとの魅力を発信できている地域は多くありません。地域資源を活かすことで、新たなビジネスの可能性が広がります

たとえば自然豊かな場所にキャンプ場などのレジャー施設を作った場合は、周辺地域の誘客促進や消費促進につながるでしょう。地方のリソースに着目し付加価値を付与すれば、地域経済の活性化が期待できます。

3. 地方創生の目標

地方創生の具体的な施策をまとめた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、以下の目標が掲げられています。

  • ・4つの基本目標
  • ・2つの横断的な目標

この章では、目標・施策の内容について詳しく見ていきましょう。

3-1. 4つの基本目標

地方創生の4つの基本目標を紹介します。

  • ・稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする
  • ・地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる
  • ・結婚・出産・子育ての希望をかなえる
  • ・ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる

基本目標を達成するために、以下のような施策が実施されています。

  • ・エリアマネジメント活動の推進
  • ・地方テレワークの実施
  • ・政府関係機関の地方移転
  • ・地方創生インターンシップ
  • ・企業版ふるさと納税
  • ・地方拠点強化税制

その他、実施されている施策については「内閣官房・内閣府総合サイト」をご確認ください。

3-2. 2つの横断的な目標

地方創生で掲げられている2つの横断的な目標は、以下のとおりです。

  • ・多様な人材の活躍を推進する
  • ・新しい時代の流れを力にする

さらに「まち・ひと・しごと創生基本方針2021」では、ヒューマン・デジタル・グリーンの3つの視点が重視されています。

3つの視点

内容

ヒューマン

地方への人の流れの創出、人材支援

デジタル

地方創生に関するDXの推進

グリーン

グリーン分野の人材支援、地方創生SDGsの推進

基本目標と横断的な目標は、どちらも活力ある地域社会の実現をめざして掲げられています。

4. 地方創生に取り組む4つのメリット

企業が地方創生に取り組むことで、以下のようなメリットが得られます。

  • ・企業イメージの向上につながる
  • ・優秀な人材を採用できる
  • ・助成金・補助金を活用できる
  • ・企業の事業継続対策になる

それぞれメリットの内容を解説するので、地方創生への取り組みを検討している方はぜひ参考にしてください。

4-1. 企業イメージの向上につながる

近年、企業におけるCSR活動が求められています。CSR活動とは、企業が社会的な責任を果たす活動です。具体的には環境保護や文化支援、人権保護といった活動が挙げられます。

Z世代のSDGsと消費に関する意識調査(図9)」では、SDGsや社会的課題に取り組む企業に対して、約67%のZ世代が「ポジティブな印象を受ける」と回答しました。加えて「SDGsに取り組む企業の商品やサービスを使ってみたい」という意見が多かったです。目先の利益だけでなく、社会貢献に取り組むことで企業のブランドイメージアップが期待できます

4-2. 優秀な人材を採用できる

首都圏に人材が集まる傾向が強く人件費が高くなりがちですが、地方にも優秀な人材が存在します。従業員に合わせた働き方や事情を考慮しつつ採用できるようになれば、優秀な人材を獲得できるチャンスが増えるでしょう。

総務省統計局による「平成30年住宅・土地統計調査(11ページ)」の結果によると、東京都と地方では1ヶ月あたりの家賃に大きな差があります。東京都の8万1,001円に対して、鹿児島県は3万7,863円です。つまり、拠点の場所によって1ヵ月あたり4万円以上コストに差が生まれます。オフィスの維持費や採用コストを抑えられることが、地方に拠点を構える大きなメリットです。

4-3. 助成金・補助金を活用できる

地方創生は国が推し進めている事業のため、助成金・補助金などのサポートが豊富に存在します。起業支援金は、地方創生で活用できる助成金のひとつです。起業を促進することで、地域課題の解決をはかる事業です。起業支援金の対象となるには、地域の課題を解決する事業を起業する必要があります。

起業支援金の審査を通過すると、最大200万円の助成金を受け取れるのがポイントです。ただし助成金を受け取るには、複数の条件を満たさなければならないので注意してください。さらに、本社機能を地方へ移動させることで税制面で優遇される制度などもあります。

4-4. 企業の事業継続対策になる

地方に拠点を設けて機能を複数に分散させておけば、万が一の場合でも事業を継続できる可能性が高まります。首都圏に本部機能を集中させると、災害発生によって事業継続が難しくなるかもしれません。企業には、緊急事態の発生時に被害を最小限に抑えて、問題なく事業を継続できる体制を整えておくことが求められます。

5. 地方創生がうまくいかない理由【人口増加にこだわりすぎている】

地方創生がうまくいかないときは、以下のような理由が考えられます。

  • ・人口増加にこだわりすぎている
  • ・短期間で結果を出そうとしている
  • ・他の成功事例をそのまま流用している

人口増加にこだわりすぎると、地方創生の成功につながりにくいです。人口の増加は重要ですが、最終的な目標は「地域社会の活性化」であることを忘れてはいけません。一時的に人口が増えたとしても継続的に魅力を発信できないと、地域から人びとが離れてしまいます。長期的な目線で、持続的に進められる取り組みを行いましょう。

地域ごとに特色や課題が異なるため、他の地域の成功事例をそのまま流用することは避けてください。各地方の現状や課題を分析し、それぞれの土地に合った方法を選択する必要があります。

6. 地方創生の取り組み事例3選

地方創生に取り組んでいる3つの事例について解説します。

  • ・自治体主導による買い物難民対策のスマートストア
  • ・ホームページを活用した地域の店舗集客
  • ・リモートワーク環境整備による地方への移住促進

実際の取り組みを参考にすると、どのように地方創生を推進すれば良いかがイメージできるでしょう。

6-1. 自治体主導による買い物難民対策のスマートストア

人口減少、高齢化が進む地方の小売業では、人手不足解消やフードロス対策、業務効率化などへの対応に迫られています。また、店舗の撤退が進む地域では、気軽に買い物ができない買い物難民対策も重要です。

山形県長井市は、人口が約1,100人でコンビニやスーパーがない地域でした。この地区の買い物に不便や苦労を感じる方等の課題解決として、2022年3月に「伊佐沢スマートストア」がオープンしました。無人の店舗でも決済可能なアプリやクラウドPOSを活用することにより、食品や飲料、日用品などの買い物環境を維持し、購買データを蓄積、分析することで利便性向上にも貢献しています。

参照元:「人口減少社会に対応した地域住民・小売業の課題解決」NTT東日本

6-2. ホームページを活用した地域の店舗集客

新型コロナウイルス感染拡大により、来店型店舗では休業や来店客減少の影響を受け売上が大きく減少し、コスト削減と同時に新たな売上確保の手段が急務となっています。地方ではお店について知ってもらう機会が少なかったり、問い合わせや予約を電話でしか受け付けていなかったりして、集客が難しいという現状があります。

宮城県黒川郡大和町のそば屋「そば処みきや」では、NTTタウンページが提供する「デジタルリード」というホームページ作成やSEO対策、SNSがパッケージ化されたソリューションを活用し、集客のデジタル化を行いました。結果として、2ヶ月で3,000人以上のホームページ閲覧や160件の来店予約を得られました。また、来客数が4ヶ月で6,000人を越えました。現在も予約フォームや、グーグルマイビジネスをうまく活用しながら、集客し売り上げを伸ばしています。

参照元:「ホームページを活用した集客による地域の店舗活性化」NTT東日本

6-3. リモートワーク環境整備による地方への移住促進

東京圏への人口一極集中により、地方都市では労働生産人口が減少している中、コロナウイルスへの対応も含めた働き方の変革が求められています。

2021年9月に、福島県須賀川市内のワークスペース「シェアスペースSTEPS」でICT環境整備が行われました。具体的には、スマートフォンやICカードで施錠と解錠が可能な入退室管理システムやクラウド型カメラなどの情報セキュリティ対策システムを導入しました。また、業務提携先のシェアスペース検索サイトに掲載することで、移住希望者のライフスタイルに沿った支援や県内外・首都圏から人や企業を呼び込む拠点としての認知を広げています。

参照元:「サテライトオフィス・リモートワーク環境の実現」NTT東日本

7.『REIWAプロジェクト』を活用して地域活性化の仕組みを作る

自治体が地方創生に取り組むには、ICT技術の活用が欠かせません。NTT東日本の「REIWAプロジェクト」ではインフラや医療・健康、教育、防災など、さまざまな分野で実証実験や取り組みを行っています。そのため、お客さまにあったサービス・ソリューションを提案できます。

地方創生はすぐに結果がでにくいため、仕組みを整えて継続的に取り組むことが重要です。「REIWAプロジェクト」では開発段階から要望を吸い上げ、IoTデバイスやクラウドを始めとしたICTアセットを活用します。つまり地域の課題解決に対して、継続的なサポートが可能です。

自治体DXの推進を検討中の方は、ぜひお問い合わせください。

8. 地方創生に取り組み地域ごとの魅力を伝えよう

地方創生とは、地域ごとの特徴を活かして日本全体の活力を向上させる取り組みです。人口減少が進み、東京人口一極集中が是正されない中で注目を集めています。地方創生に取り組むと、企業の認知度向上や優秀な人材獲得が期待できるでしょう。その他にも、地方に拠点を設けておけば事業継続対策に効果的です。

地方創生では、ICTを活用して地域の経済を継続的に発展させていくことが重要です。企業が地方創生に取り組む際は、企業版ふるさと納税や起業支援金といった制度が活用できます。ただし短期間での数値にこだわっていると、うまく人が集まりません。他の地域の取り組み事例を参考にし、それぞれの土地に合った方法で地方創生を推進してください。

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