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2023.05.29 (Mon)

【事例に学ぶ】地域課題を解決するためのポイントとは?自治体や企業の5つの成功事例を紹介

posted by NTT東日本

1.地域課題とは?自治体が抱える3つの課題

地域課題とは、自治体が経済・社会の面で抱える課題のことです。現在、多くの自治体が政府が主導する「地方創生」をめざしていますが、その根本には以下のような課題の是正が求められています。

  • ・人口減少
  • ・少子高齢化
  • ・地域経済の衰退


この章では、それぞれ地方自治体が抱える3つの課題について詳しく解説します。

1-1.人口減少

人口減少は、日本の地域課題の中でも特に深刻な問題とされています。実際、2020年の日本の人口は1億2369万人で、前年比で約14万人減少しており、47都道府県のうち29の都道府県で人口減少が観測されました。人口減少が進むと、地域の将来性や活力の低下、地域社会の縮小化、労働力不足や介護・医療サービスの不足、税収減少などの課題が引き起こされることが懸念されます。

特に、若者の減少が進むと地域の魅力が低下し、移住や就職に消極的になる人々が増える可能性があります。また、高齢化が進むことで介護・医療サービスのニーズが増加し、人材不足や施設不足が生じることも考えられます。

参照元:「人口推計」総務省統計局

1-2.少子高齢化

日本は少子高齢化が進んでおり、2020年の高齢者(65歳以上)の割合は約29.3%、若年層(0〜14歳)の割合は約12.3%でした。この少子高齢化が進んでいる地域があり、2020年には47都道府県のうち、43の都道府県で高齢化率が全国平均を上回っています。

少子高齢化は、人口減少や介護・医療サービスの不足、労働力不足などの課題を引き起こします。例えば、高齢者の増加によって、介護や医療サービスの需要が増加し、その対応が不十分であると、高齢者や介護者の負担が増大することが懸念されます。また、若年層の減少によって、労働力不足が生じ、地域の経済活動が低下する可能性があります。

地域の将来性や活力の低下、地域社会の縮小化、税収減少などの課題も生じるため、自治体や企業は地域課題を解決するための施策を行っています。少子高齢化に対応する施策としては、地域の魅力を高めて若年層の定着を促す取り組みや、介護・医療サービスの充実、高齢者の社会参加支援、外国人労働者の受け入れ拡大などが挙げられます。

参照元:「人口推計」総務省統計局

1-3.地域経済の衰退

「地域経済の衰退」とは、地方都市や田舎地域を中心に、多くの地域で企業倒産や雇用機会の減少、人口減少、高齢化などが起こっていることです。例えば、地方都市では若者の流出や地域活力の低下が懸念され、田舎地域では農業や林業の衰退が進んでいます。企業倒産や雇用機会の減少、税収の減少などが引き起こされ、地域内の雇用機会や地域経済が低下することが懸念されます。

また、地域の産業構造が単一化し、競争力が低下すると、地域内での就職・雇用創出が困難になる可能性があります。自治体や企業は、地域経済の活性化を目指して、新しい産業の導入や地域資源の活用など、さまざまな施策を展開しています。

2.地域課題解決がもたらす社会への影響

地域課題解決がもたらす社会への影響について考えてみましょう。雇用の創出やコミュニティの形成、人口増加など、地域課題解決がもたらす影響は多岐にわたります。

たとえば、企業や外部人材を誘致することで雇用が増えるとともに、その他のサービスも生まれ、新たな街が誕生します。企業が移転する際は、地元企業が設備投資を請け負うことができるため、地域活性化につながります。

また、人口増加によって生まれる需要が地域経済を刺激し、地域全体の発展にもつながるでしょう。地域課題解決は、社会にとってもプラスの影響をもたらすことが期待されます。

3.自治体における地域課題解決の成功事例5選

地域課題の解決は地域の経済成長だけでなく、社会全体の発展にもつながるため、地方自治体にとっては、解決手段を模索することが急務となります。この章では、自治体における地域課題解決の成功事例を5つ紹介します。

3-1.【北海道札幌市】ビッグデータ活用した観光客の誘致促進

北海道札幌市は、地域課題解決の一環として、ビッグデータを活用した観光客の誘致促進に取り組んでいます。その目的は、観光客による地域経済の活性化と、札幌市の魅力発信を通じた地域ブランディングの強化です。

具体的な取り組みとして、NTT東日本と連携し、携帯電話の基地局データを活用した観光客の動向分析を行っています。この分析により、観光客がどのエリアに滞在し、どのような移動をしているかを把握し、効果的な観光資源の開発や集客施策につなげています。

この取り組みによって、札幌市は、観光客の行動特性や需要に合わせた観光施策を展開することが可能となり、結果的に観光客の増加に成功しました。また、地域の観光事業者や自治体との連携も強化され、地域全体での課題解決が進んでいます。

3-2.【和歌山県】マッチングプラットフォームなどを活用した移住支援

和歌山県では、地域課題として人口減少や地方創生への取り組みが重要なテーマとなっています。これに対処するため、同県ではマッチングプラットフォームを活用した移住支援が行われました。具体的には、「和歌山県移住・定住促進マッチングプラットフォーム」を設立し、移住希望者と県内の自治体や企業をつなげることで、新たな住民や働き手を増やす取り組みが実施されました。

このプラットフォームでは、移住希望者に対して、住宅情報や就職・起業支援、子育て支援など、さまざまな情報を提供しています。また、相談会や見学会なども開催され、直接現地を訪れることが可能です。

この取り組みにより、移住者と地元の人々がつながることができ、現在も移住の促進が図られています。結果として、和歌山県は地域課題解決の成功事例として注目を集めており、今後も続けるべき取り組みであるといえるでしょう。

3-3.【栃木県】未来のまちづくりを担う人材育成

栃木県では、地域課題解決のために、未来のまちづくりを担う人材育成に力を入れています。地域活性化の担い手となる人材を育て、持続可能な地域社会の構築を実現するためです。

「新しい公共」の実現を目指す「栃木県地域活動支援センター」を設立し、地域活動家や企業、団体、自治体などと連携してさまざまなプロジェクトを展開しました。また、地域創生に関心のある若者を対象に、地域活動家養成講座や研修制度を提供しています。これにより、参加者は地域課題解決に向けた知識やスキルを身につけることができます。

この取り組みの成果として、多くの若者が地域活動家として育成され、地域課題の解決に取り組んでいます。さらに、地域創生に向けたネットワークが強化され、自治体間の連携や地域と企業・団体との協働も進んでいます。

3-4.【鳥取県】オートメーション化、業務削減など業務効率化による働き方改革

鳥取県では、地域課題解決に向けた働き方改革の一環として、オートメーション化や業務削減などの業務効率化に取り組んでいます。労働力不足や人手不足の問題を解消し、県内の持続可能な発展を促進するためです。

具体的な取り組みとして、令和2年度の当初予算の編成作業にあたり自治体業務のオートメーション化を進め、人手が不足している部署や業務に対して効果的な支援を提供しました。また、「早める」「変える」「なくす」という3つのキーワードに沿った業務プロセスの見直しにより、無駄な業務を削減し、より効率的な業務運営を実現しています。さらに、働き方改革に関する研修やセミナーを開催し、職員の意識改革やスキルアップを促しています。

この取り組みの成果として、鳥取県では働き方改革が進み、職員の労働環境が改善されています。また、業務効率化により、人手不足の解消や自治体のサービス向上にも繋がっています。

3-5.【北海道厚真町】「東京圏との日帰りも可能」をキャッチコピーした移住者獲得施策

北海道厚真町は東京圏との日帰りが可能な移住者獲得施策を成功させており、地域課題の解決に繋がっています。その理由は、新幹線の開通と新千歳空港からの近さにより、東京とのアクセスが大幅に改善され、移住者にとって魅力的な場所となったからです。

新幹線「北海道新幹線」の開通により、東京から約4時間で到着できるようになり、新千歳空港からも車で約30分の距離にあるため、日帰りでの移動が可能となり移住者誘致のきっかけとなりました。

町は移住者向けに住宅の提供や子育て支援、就労支援など充実した施策を展開しており、これがさらなる移住者の増加に繋がっています。実際に、厚真町の人口は増加傾向にあり、地域活性化が進んでいます。

北海道厚真町の事例は、新幹線の開通と新千歳空港の近さを活かしたアクセス改善や施策展開が、地域活性化や人口増加に繋がることが証明された地域課題解決の好例と言えるでしょう。

4.まずは地域課題の解決方法にどのような方法があるのか知ろう

地域課題の解決は社会へ以下のような影響をもたらします。

  • ・地域のインフラ・経済の発展促進
  • ・住民の暮らしやすさの改善
  • ・地域コミュニティの強化

しかし、これらのメリットを得るためには、少子高齢化や東京一極集中などによる人口減少を解決しなければなりません。地域に人を呼び込むことも大切ですが、まずは可能な範囲から少人数でも行える施策を実行していくのが大切です。

また、地域の課題の解決には、それに合うサービスやソリューションの導入が欠かせません。NTT東日本「REIWAプロジェクト」では、IoTデバイスやクラウドなどの多彩なICTアセットを提供しています。

医療・健康から防災にいたるまで、さまざまな分野で実証実験や取り組みを行っているため、要望に沿ったサービス・ソリューションを提案できます。自治体における課題解決やDXの推進を検討中の方は、NTT東日本までお気軽にお問い合わせください。

NTT東日本の課題解決ソリューションを見る。

「REIWAプロジェクト」の詳細はこちら

5.成功事例から学ぶ地域課題解決の3つのポイント

他の自治体の成功事例で行われた施策をそのまま流用しても、自身の自治体で成功するとは限りません。しかし、成功している事例には、ポイントとなるいくつかの共通点があります。

  • ・地域資源をそのまま活かす
  • ・人材マッチングを活用する
  • ・ICTを活用する


この章では、地域課題の解決を成功に導く3つのポイントについて解説します。課題解決のための施策立案を検討している方はぜひ参考にしてください。

5-1.地域資源をそのまま活かす

地域課題の解決には、地域資源を有効活用することが重要です。未利用の土地や建物を新たな使い方で活用したり、自然や歴史・文化などの観光資源を活かした取り組みも有効です。

しかし、新しい施設を建設する場合は、維持費やノウハウの問題が生じることがあります。そのため、既存の地域資源をうまく活用することが求められます。

また、地域資源を活用することで、地元の事業者や住民に負担をかけることもありません。地域資源を最大限に活かす取り組みを行い、地域課題の解決に取り組むことが大切です。

5-2.人材マッチングを活用する

スキルや熱意を持った人材と地方をマッチングする機会を創出し、地域の「関係人口」を増やすことが地域課題解決には欠かせません。地域が抱える課題や魅力を公開し、協働できる事業やプロジェクトの情報を発信する場を設けることで、機会を積極的に創出することが必要です。

また、地域で活躍できる人材と出会い、力を合わせて取り組むことが大切です。人材マッチングを活用した地域課題解決の成功事例を学び、地域の資源や特性を生かした新たな産業を生み出すことが、地域の発展に繋がるでしょう。

5-3.ICTを活用する

地域課題の解決において、ICTを活用することは欠かせないポイントの一つです。ICTの活用によって自治体の業務改善ができ、人口減少による労働力低下の対策にもつながります。また、ICTを活用することで、魅力的な情報発信が可能になります。

限られた資源を有効活用するためにも、ICTの活用は重要です。地域課題を解決するためには、ICTを活用した新たな取り組みを積極的に取り入れていくことが求められます。

6.NTT東日本が提供する地域課題解決ソリューション



地方・地域では、人口減少と少子高齢化が大きな課題であり、未だ解決に向けた兆しは見えていません。
地方自治体が抱える課題を解決するには、IoTやAIなど、ICT技術の利活用が不可欠です。

地域課題のおいて、企業にとっては地方拠点となるサテライトオフィスを設置し、居住地にとらわれないテレワーク制度を整備することで、地方の優秀な人材を取り込めるメリットがあります。

NTT東日本の「REIWAプロジェクト」では、テレワーク中でもオフィスの電話番号でスマホから発信・着信ができるクラウド型電話サービス「ひかりクラウド電話」が利用できます。

また、クラウドの設定から故障時のデバイスサポートまで提供し、お客さまのIoT環境構築を一元的に支援する「IoTプラットフォーム」などのソリューションも併せて提供しています。地域が抱える課題の解決を行い、新たな価値を創出し続けるスマートシティの実現をめざすことができます。

お客さまにあったソリューション・サービスを提案し、開発・運用を伴走型で支援する「REIWAプロジェクト」について、興味がある方は以下のリンクを参考にしてください。

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