テレワークで始める新ワークスタイル 場所や時間にとらわれない新時代の働き方を考える

テレワークのその先へ。「ワーケーション」を導入するメリットとは?

ワーケーション導入のメリット

企業にとって、優秀な人材の確保は大きな課題といえるでしょう。そのためには、魅力ある企業としてブランディングしていく必要があります。
そこで、今回はテレワークの発展形ともいえる「ワーケーション」に着目してみました。

現状ではワーケーションの導入企業は多くないため、利用した従業員の情報発信が人の目に留まりやすい状況といえるでしょう。また、企業イメージを明るく積極性のあるものにしてくれる可能性もあります。
ここでは、そんなワーケーションのメリットについて解説します。

来週、父が還暦を迎えるんですけど、「記念品はいらないから、孫と一緒に1週間くらい帰省してほしい」っていうんです~。
希望は聞いてあげたいけど、長期休暇はあまり気が進まなくて…。

節目の時くらい、親孝行してあげましょうよ。
有給休暇とテレワークを組み合わせれば、どんな場所にいても大丈夫ですよ。
他の部署でもワーケーションした人がちらほらいるみたいですし。

帰省先でテレワークは、考えたことがなかった…!
でも、それなら父の希望を叶えられそう。さっそくプランを練ってみます。

「ワーケーション」とは、どんな働き方を指している?

ワーケーションとは、英語のWork(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語です。導入されている方法は、大きく分けて2通りあります。企業やチーム単位で行う「仕事目的型」と、福利厚生としての意味合いが強い「旅行目的型」です。
まずはそれぞれの過ごし方について、違いを見ていきましょう。

仕事目的型のワーケーション

企業が主体になって行き先を決め、仕事をする場所を変えることで地方創生に貢献するスタイルが「仕事目的型」です。オフィスの移転先・従業員の移住先のお試しといった側面で利用されることもあるようです。

業務の前後に懇親会やアクティビティなどの時間を設けてチームの結束を高めたり、プロジェクトや個人業務に集中しやすい合宿のような形式をとったりと、さまざまな導入方法があります。

業務外の時間は、地域の魅力を味わって息抜きできるといったメリットも。
また、現地の人々の交流を持ったり、自治体と協力したりすることが企業ブランディングにもつながっていく可能性も考えられます。

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旅行目的型のワーケーション

「旅行目的型」は、休暇の取得を伴う場合と、休業日や業務時間外に旅行を楽しむ場合の2種類に分けられます。いずれも仕事を目的としたワーケーションとは異なり、個人が旅行を楽しむ目的で実施するスタイルです。

移住や定住を希望する個人がトライアルとして生活拠点を移したり、平日を含めた長期休暇を取得できるように便宜的にテレワークを利用したり、リフレッシュがしやすいキャンプなどの自然空間に身を置いたりと、過ごし方はさまざま。

オンとオフの切り替えが難しいのではないかという声もありますが、NTTデータ経営研究所とJTB、JAL(日本航空)が行った効果検証実験では、仕事のパフォーマンスが約20%向上するという結果が出ています。

参考:株式会社NTTデータ経営研究所

企業側にワーケーションを導入するメリットはある?

働き手にとっては、これまでにない長期休暇が可能になったり、心身を癒しながらモチベーションを高められたりと、メリットの多いワーケーション。実は、導入する企業側にとってもさまざまなメリットがあると言われています。
どんなメリットが得られるのか、具体的にみていきましょう。

優秀な人材を獲得しやすくなる

これからの時代、自主的に仕事を見つけて動ける優秀な人材は「柔軟な働き方が可能な企業」を選ぶようになっていくでしょう。逆に、大きな理由なく場所や時間を拘束するような企業は敬遠されていく可能性があります。

年功序列・終身雇用という概念が崩壊した現代では、働き手が企業を選ぶ際の価値観も変わりつつあります。
ワーケーションという選択肢を用意することで、人事採用時に「先進的な取り組み」をアピールできるとしたら、大きなメリットといえるに違いありません。

従業員満足度の向上につながる

優秀な人材が採用できたとしても、企業としての魅力を感じてもらえない限り「キャリアの通過点のひとつ」になってしまう可能性があります。転職による人材流出を防ぐためには、従業員満足度を向上させていくことが重要といえるでしょう。

働く場所を問わないワーケーションも、そのひとつ。
賃金やステイタスの高さよりも、ストレスの少ない働き方や、旅先で適度にリフレッシュをしながら仕事をする暮らしを重視する人材も少なくないのです。

有給取得率の向上につながる

ワーケーションでは、旅行のために有給休暇を取得した従業員が、旅行先からテレワークで働くことが可能です。旅行先に長期滞在するために、勤務日前後に有給休暇を取得するケースも増えていくと考えられます。

従業員の有給取得率が上がることで、ホワイト企業のイメージを確立できることも企業としてのメリットといえるでしょう。

ワーケーションの導入で「選ばれる企業」に!

テレワークの急速な普及によって、「働き方」への価値観に変化が生まれています。
遠隔地からの勤務が当たり前になったことで、「出張と休暇をつなげて観光を楽しむ」「旅行先で使う時間の一部を仕事に活用する」といった、仕事とプライベートを境目なく連動させるライフスタイルが実現できるようになりました。

とはいえ、技術としては可能でも、まだまだワーケーションが可能な企業は多くありません。だからこそ、導入することで他の企業との差別化ができるのです。
優秀な人材が「働きたい」と感じる企業になる鍵として、「ワーケーション」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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