モチベーション
概要
モチベーションとは、たとえば従業員の仕事に対する「やる気」や「動機づけ」という意味で使用される。
用途
「モチベーションが高い」、「モチベーションが低い」という表現は、仕事への動機づけのレベルを表している。「モチベーションを保つ」という表現は、仕事を遂行する、やる気を維持させている、という気持ちを表す。
種類
モチベーションは、その成り立ちから内発的なものと、外発的なものとに分けることができる。内発的なモチベーションとは、外的報酬に基づかないモチベーションのことで、その活動自体をしたいという知的好奇心から生じるものである。これは、趣味や自分の好きなことに没頭する際によく見られるモチベーションである。たとえば趣味に打ち込む際、義務や賞罰などによる動機づけではなく、それ自体が楽しいから熱中できるのである。
外発的モチベーションとは、賞罰や義務などの外的報酬により駆り立てられるモチベーションのことで、何か別のものを達成したり実行したりするために、活動する際にみられるものである。たとえば資格を取るために勉強することは、勉強自体が目的ではなく資格を取ることが目的であるから、外発的なモチベーションといえる。
気をつけるべきポイント
モチベーションを高めるポイントとしては、叱咤激励や報酬、罰則などの外部刺激だけではなく、従業員自身が自ら進んで業務を遂行しようとするような環境作りが重要である。
従業員の知的好奇心や興味を示す心理を刺激して、自発的に業務を行おうと思わせる環境を作ることは、管理職の気をつけるべき仕事である。
アンダーマイニング現象にも注意が必要である。これは、内発的モチベーションに基づいていた活動に対し、外発的モチベーションを組み込むことでモチベーションが低下してしまう現象である。たとえば外的報酬を求めず仕事をしていた人に対し、1時間あたりx円の報酬を与えると、その人はその報酬をもらえなければ、その仕事をやりたくなってしまうことがある。このように無意識でその活動自体から得られる対価に、活動の意味を求めるようになってしまうことがある。
歴史
モチベーションを理論で解き明かそうとする研究は、1950年代から盛んに行われ始めた。動物本能にもとづいた欲求からくる動機づけの解明、欲求の種類を分類して動機づけに順位があることなどが、心理理論として研究が進んだ。
続いて、マネジメント理論でもモチベーションの研究が盛んになった。部下が仕事に対して満足を得る要素の解明、モチベーションを高める満足の種類などが研究され、仕事におけるモチベーションを維持する必要性が確認されることとなった。これらの理論は、管理職における教則の一部となっている。