用語解説 

イノベーション

概要

 イノベーションとは、従来の仕組みに対して、全く新しい考え方や技術や考え方(新しい市場や資源の開拓、新機軸の導入など)を取り入れて、新たな価値を生み出し、社会に大きな変化を起こすことを指す。

歴史

 イノベーションという言葉は、オーストリアの経済学者J.A.シュンペーターによって定義された。シュンペーターはイノベーションについて、経済活動の中で、新しいものを生産すること、既存のものを新しい方法で生産すること、生産手段や資源などをそれまでとは異なる方法で新結合していくことと定義づけた。

種類

 イノベーションには、技術面と市場面へのインパクトの度合い(斬新なものか保守的なものか)により、4つの類型がある。 1つ目は、構造的革新(技術:斬新、市場:斬新)。飛行機・コンピューターの発明などのような、これまでの技術・生産体系などを破壊して、全く新しい市場を作りだすものである。  2つ目は、革命的革新(技術:斬新、市場:保守)。これまでの技術・生産体系などは破壊するが、既存の市場との関係は維持するものである。例として、対象とする市場は同じであるが、より高い品質の提供として、オーディオの技術革新であるアナログからデジタルへの移行などが挙げられる。  3つ目は、間隙創造的革新(技術:保守、市場:斬新)。既存の技術体系の中で、新しい市場を開拓するものである。既存ヘッドフォンの技術を生かし小型化して持ち運びが可能となり、新しい市場を生み出したヘッドフォンステレオなどが挙げられる。  4つ目は、通常的革新(技術:保守、市場:保守)。新たな技術体系の革新はないが、既存のものの改良などにより、より安価で高品質な製品・サービスを提供するものである。

気をつけるべきポイント

 日本ではこれまで、イノベーションは「技術革新」と言い換えられてきた。これは過去の『経済白書』において、イノベーションが「技術革新」と訳されたことに由来している。 しかし実際には、新しい技術だけではなく、新しいアイデア・制度などが市場に導入され、経済成長が起きることも含む概念である。「技術革新」と狭義な部分で理解・使用されることによりイノベーションという概念は、日本とグローバルでは使用範囲に差が出ている。

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