観光まちづくりの成功事例からまちの魅力を最大限引き出す方法を解説

posted by NTT東日本

観光まちづくりは地域活性化の要

観光による地域活性化のためには、来訪客のニーズを満たせる「場所」でなければなりません。加えて、訪れる動機となる「魅力」を発信し続けることが大切です。そこで注目されているのが「観光まちづくり」です。ここでは、観光まちづくりの重要性と期待できる効果を見ていきましょう

観光まちづくりとは

「観光まちづくり」とは地域が主体となり自然や文化などあらゆる資源を活かし、来訪客の増加や地域活性化を図る施策です。また観光まちづくりは地域外からの流入増加が期待できるので、経済の活性化など地方創生につながります。

一方で、観光まちづくりの実現には自治体と民間企業双方の協力が欠かせません。また、観光地として盛り上げるためには、住民が前向きに観光客を受け入れる体制作りが必要不可欠です。それらを踏まえ一時的な観光客増加ではなく、各地域が自立し持続していける「観光まちづくり」をめざすことが大切です。

NTT東日本では、観光まちづくりにつながる実証実験や取り組みを展開しています。Iotデバイスや地域データの活用によるキャンプ場のスマート化を基点とした地域活性化支援が可能です。他にも、ICTソリューションの提供による地域のeスポーツ文化を醸成・育成なども行っています。特色ある観光まちづくりに興味のある方はぜひNTT東日本にお任せください。

キャンプ場のスマート化を起点とした地域活性化の取り組み
急速に拡大しているeスポーツをトリガーとした経済効果や集客拡大などによる地域活性化

観光まちづくりがもたらす地域活性化

観光まちづくりの目的には、以下のようなものがあります。

  • ・外貨獲得
  • ・雇用の創出
  • ・地域文化の維持
  • ・住民の地域愛向上


地域が主体となる「観光まちづくり」では、住民や自治体など関わるすべての人の意向が反映されます。そのため、歴史的な文化や街並みの維持とともに住民の満足度にも配慮される形となり、地域愛向上にも貢献しています。
「観光まちづくり」は観光業界の経済効果だけでなく、地域全体の活性化が期待できる取り組みです。

観光まちづくりの成功実例3選

観光まちづくりにより、地域を活性化させ地方創生につなげた地域を紹介します。人口減少や空き家の増加など地域の課題と向き合い、自立した持続可能な施策を実現した3つの事例です。具体的な取り組み内容と、得られた効果を見ていきましょう。

兵庫県丹波篠山市の取り組み

城下町として栄えていた篠山町は、現在でも当時の趣が残る建物や街並みが広がっています。武家屋敷や寺院など、歴史ある建造物が立ち並んでおり「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている地域の1つです。

しかし、古い建造物の保存には修理・修復が必要であり、維持していくだけで莫大な費用がかかります。また、少子高齢化や産業の衰退など、さまざまな課題を抱えているのも事実です。その打開策として提案されたのが、「城下町全体のホテル化」です。

篠山町が大切にしているのは「まちの暮らし」を見てもらうことです。築100年超の古民家を宿泊施設や飲食店に改装・改築し、篠山町の文化や歴史を実感できる複合施設を作り上げました。

飲食店や宿泊棟をまち全体に配置し、観光に欠かせない「宿泊」「食事」を充実させます。宿泊棟にたどり着くまでの道中には、カフェや雑貨屋さんなど立ち寄りやすい場所が並んでいます。食事や買い物で特産品を堪能しつつ、趣のある街並巡りを楽しめるのは篠山町だから実現できることです。また、限界集落である丸山地区では、古民家を改修し宿泊施設「集落丸山」を開業しました。耕作放棄地の解消と4名のUターン者を出すなど、地方創生にも大きく寄与しています。

魅力的な街並みの実現に向け起業家や事業者の誘致を行い、50名以上の雇用と20名以上の移住者を迎えるなど地域の課題解決と雇用創出に貢献しています。

参照元:歴史的資源を活用した 観光まちづくりについて-総務省

長崎県小値賀町の取り組み

長崎県小値賀町では「島の暮らし」を中心とした観光まちづくりを行っています。小値賀町は1990年代に宿泊施設の建築など、ハード面の整備だけにとどまったまちづくりで失敗を経験しています。そこで、ハード面の整備に加え、島に残る「自然」に着目したソフト面の充実にも注力しました。

小値賀町の取り組みの特徴は、以下の2つです。

  • ・古民家を再生し魅力的な宿泊施設の提供
  • ・「食」「宿」「過ごす」をまとめて手配できるワンストップ窓口の設立


古民家再生にはリノベーション方式を採用し、構造や梁といった建築本来の良さは残しつつ、快適に利用できる機能性を持たせました。古民家ごとの個性や特徴を活かして造り込まれており、台風など、災害による被害が出ない限り特別な改修は必要なく、メンテナンスコストを可能な限り抑えてあるのも1つの特徴です。

魅力的な宿泊施設を整備したことで集客成功につながり、小値賀町の強みである「自然体験」や「島の暮らし」を引き立たせる旅の提案が可能となりました。官民一体となった「ワンストップ窓口」の設立により、個人の来訪者増加とともに観光地としての「ブランド化」にも成功しています。

参照元:歴史的資源を活用した 観光まちづくりについて-総務省

広島県尾道市の取り組み

港町として栄えていた広島県尾道市には、500軒以上もの空き家が点在していました。そんな尾道市の観光まちづくりのきっかけは、NPO法人尾道空き家再生プロジェクトの代表である豊田雅子氏の働きかけです。尾道らしいコミュニティと景観を守るため、最初は1人で空き家再生に取り掛かりました。

豊田氏がブログで空き家再生の情報を発信したところ、100人ほどの移住希望者と出会います。市が管理していた物件と移住希望者をマッチングさせ、これまでに100軒ほどの空き家再生を実現しました。150人以上の移住者の獲得と空き家再生に関わる雇用創出に成功し、地方創生に大きく貢献した事例の1つです。

このほか、民家には向かない大きな建物を改修してゲストハウスにし、低価格で泊まれる宿泊施設として観光客へ提供しています。若者や外国人観光客などをターゲットとしており、宿泊者の増加につながっています。

参照元:歴史的資源を活用した 観光まちづくりについて-総務省

観光まちづくりを成功へ導く3つの共通点

観光まちづくりの成功事例では、以下3つの共通点がみられます。

  • ・観光資源の発掘
  • ・独自の強みを
  • ・民間企業との協力


観光まちづくりでお悩みの方は、3つの共通点を理解して今後の取り組みの参考にしてください。

観光資源の発掘

観光まちづくりに成功している地域では、魅力的な観光資源を発掘し観光客のニーズを掴んでいます。しかし、これまで観光地として発展してこなかった地域にとって資源の発掘は簡単ではありません。歴史的文化や建造物など、観光資源がない場合は、地域の暮らしに目を向けてみると良いでしょう。

風土や気候など日常を作り上げるあらゆることにフォーカスし、暮らしを再認識することで地域の魅力となる資源の発見につながります。また、近年では観光資源を発掘するためにICT・IoTを活用する例が増えています。カメラなどから収集したデータを分析し、属性や人流を測定し観光資源の発掘に活かす手法です。

独自の強みを

観光資源や魅力は地域によって異なるため、事例を模倣すれば「観光まちづくり」が成功するとは限りません。大事なことは地域の特性や今ある観光資源を正しく分析し、独自の強みを作り出すことです。また観光客のニーズを的確に把握し、独自の強みとすり合わせることで来訪者の増加が期待できるでしょう。

地域独自の強みを活かした観光まちづくりは、ブランド力の強化やオリジナリティの発掘につながります。ほかの地域にはない体験を提供することで、リピーター獲得に貢献します。1度きりの来訪ではなく「何度も訪れたくなるまち」を作ることで、持続的な地域活性化が実現可能です。

民間企業との協力

地域や自治体単体で「観光まちづくり」を実現するのは難しいため、民間企業と協力し官民一体となり取り組むことが大切です。地域内で事業を営む企業はもちろんのこと、外部からの参画を認めることであらゆる視点で観光まちづくりの評価ができます

まちの魅力を最大限引き出すためのIoT・ICTの活用

観光まちづくりの成功には、観光資源の発掘は欠かせません。観光客の来訪動機となる魅力を見つけ出し、ターゲット層に漏れなく届く手段を用いて発信することが大切です。
そこで、近年注目されているのが「Iot」や「ICT」の活用です。ここでは、観光まちづくりにおけるIot・ICTの活用方法について見ていきましょう。

観光資源の発掘にはIoT・ICTでのデータ分析が必須

観光資源がなく、具体的な取り組みに至らない自治体も散見されます。そこで、訪れる人の動向を把握するため「Iot」や「ICT」の活用が注目されています。

観光客のニーズに合ったサービスを提供するためには、現状把握と課題の発見が必要です。
IotやICTを活用することで、観光客が立ち寄る場所など人の流れに関する情報を収集できます
。集めた情報を分析すれば、観光客の興味・関心の正確な把握が可能です。

具体的には、街中に設置したクラウド型カメラで情報を収集し、データをクラウド上でAI・機械学習によって分析するといった手法などがあります。実際にNTT東日本のソリューションでも、道の駅などのカメラを利用した大量車番データの収集を行う事ができます。来訪者の行動や訪れた地方などを分析し、地域特性や強みを割り出すことによって観光資源や地域資源を発掘・開発が可能です。

ギガらくカメラ+AIによる車番分析ソリューション

観光資源を効率的に活用

ICT・IoTは、発掘した観光資源を有効活用するのに有効です。具体的には、クラウド型カメラなどでデータ収集を行い観光資源への流入を把握します。集計したデータをAI・機械学習で分析し、観光客ニーズの明確化と新たな施策の立案によって観光資源をより有効活用することができます。データ分析により発見された観光資源の情報を、ターゲット層に適切に届けることで効果的な動機づけが可能です。

NTT東日本は、近年需要が高まるキャンプ場周辺の経済圏活性化を促す実証実験を行っています。予約や来訪者対応などキャンプ場運営をスマート化し、従業員の業務効率化ができます。ICT・IoTの活用により適切なコーディネートを行い、持続的な経済発展が期待できます。

キャンプ場のスマート化を起点とした地域活性化の取り組み

観光まちづくりの2つの課題点

観光まちづくりにおいて、人材不足や継続性に課題を抱えている地域は多いです。
課題を正確に把握し、適切な解決策を見つけましょう。

専門人材の不足によるICT・IoTの活用の難しさ

ICT・IoTに精通した人材の確保は難しく、自治体だけで効果的に活用するのは簡単ではありません。ICT・IoTの活用が有効であることは理解していても、具体的な方法・手段が思いつかず実行できないというケースは多いです。自治体内で教育・育成を行うにも、ノウハウがないため難航します。専門人材の不足を解決するには、経験と知識を有する民間企業の協力が必要です。

データに基づいた計画的な継続が困難

一時的な来訪者増加では、観光まちづくりの成功とは言えません。各自治体が自立して継続していける力を持つことが重要です。しかし、個人の直感や経験則に基づいた計画では、効果的に進められているかを正しく分析できません。施策を続けるか否かの判断材料がなく、継続的な観光まちづくりは難しいでしょう。データに基づいた計画・立案を行い、継続的な観光まちづくりを進めるためにはICTやIoTの活用が必要です。

「車番分析ソリューション」で観光まちづくりを実現

観光まちづくりを実現するためには、観光資源の発掘や有効活用できる手段が必要です。NTT東日本が提供する「車番分析ソリューション」では、来訪車特性を解析した以下のようなデータ収集が可能です。

  • ・観光地の周遊ルート
  • ・観光地や道の駅などに来訪した車の数
  • ・地域別の来訪した車の数
  • ・来店時間帯
  • ・滞在時間
  • ・車の種別(自家用車・事業用)


来訪者の属性や興味・関心などを把握できる「車番分析ソリューション」は、来訪者のニーズを満たす観光まちづくりに役立ちます。

ギガらくカメラ+AIによる車番分析ソリューション

まとめ

少子高齢化や人口減少に悩む地域において、近年「観光まちづくり」が重要視されています。観光による経済活性や地域おこしなど、さまざまな効果が期待できます。しかし、特別な観光資源がない地域では、来訪者の動機づけにつながる「魅力」を見つけ出すのが難しいケースもあるでしょう。

そこで近年では、IotやICTを活用した「観光まちづくり」が注目されています。デジタル技術に精通した人材の確保が難しい場合は、専門的な知識とノウハウを持つ民間企業への外部委託が有効です。NTT東日本では、観光まちづくりに役立つソリューションを提供しています。豊富な経験と知識であらゆる課題を解決しますので、観光まちづくりでお困りの方はぜひ「NTT東日本」へお任せください。

ギガらくカメラ+AIによる車番分析ソリューション

詳しくはこちら

メルマガ登録


NTT EAST DX SOLUTION


ミライeまち.com


「ビジネスの最適解」をお届けします 無料ダウンロード資料


イベント・セミナー情報

ページトップへ

ページ上部へ戻る