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2023.05.22 (Mon)

データドリブンとはデータを基に判断・行動すること|実践のメリットや事例を紹介

posted by NTT東日本

データドリブンは、データを主体とした分析や判断を行う手法であり、ビジネスの意思決定や戦略策定において重要視されています。インターネット普及に伴い、データによる経営判断は不可欠といえます。

しかし、膨大なデータが存在する現代社会で、どのような情報を集めて、どのように評価すべきか悩む方は少なくないでしょう。

そこで今回の記事では、データドリブンの定義やプロセス、メリットについて説明し、ビジネスの最適化につながるデータドリブンの活用方法について解説します。記事の後半では、活用事例もあるので参考にしてください。

1. データドリブンとはデータを基に判断・行動すること

データドリブンとは、データや分析結果を主要な情報源として活用し、客観的かつ効果的な意思決定をするアプローチです。

データドリブンのアプローチでは、データに基づく分析やモデリングを通じて、ビジネス上の課題や機会についての深い洞察が得られます。そのため、組織やビジネスの意思決定プロセスにおいて活用されることが多いです。

2. データドリブンにおける3つのプロセス

データドリブンとは、データの分析結果を基に業務や経営に関する意思決定をすることであり、適切なプロセスを経て実行されます。この章では、データドリブンを構成する以下の3つのプロセスについて解説します。

  • ・データ収集
  • ・分析・可視化
  • ・判断・行動


データドリブンの各プロセスの役割を正しく理解することで、数字を基にしたブレない判断が可能となります。

2-1. データ収集

データによる意思決定をするには、目的の明確化とデータの収集が必要です。何のための意思決定なのかを整理し、データドリブンがなぜ必要なのか明確にします。目的に応じた収集を行うためには、データの種類や収集方法を決定しなくてなりません。

データの種類には、大きく外部データと内部データがあります。外部データとは、企業外部で発生するデータであり、マーケットデータや競合情報などが該当します。一方、内部データとは、企業内部で発生するデータであり、販売実績や顧客データなどが該当します。

これらのデータは、目的に応じてどのような手段が有効かを検討し、収集されます。

2-2. 分析・可視化

収集したデータを分析し、その結果から傾向やパターンを洗い出すことが可能です。また、データの分析に効果的な手法は以下の通りです。

  • ・回帰分析
  • ・クラスター分析
  • ・因子分析
  • ・分類木分析
  • ・機械学習

分析結果を以下のように当て込むことで、傾向やパターンの視認性の向上が可能です。

  • ・グラフ
  • ・チャート
  • ・マップ
  • ・ダッシュボード

ダッシュボードを作成して、複数の可視化情報を統合することで、意思決定者が容易に情報を把握できます。

2-3. 判断・行動

分析・可視化した結果を基に、問題点や課題を洗い出し、改善策を検討します。複数の選択肢を用意し、それぞれのメリットやデメリットを比較のうえで判断します。

改善策を実行するためには、計画立案やスケジューリング、予算の策定、人員の配置などの決定が必要です。

改善の進捗状況を評価した後、改めて定量的な評価指標を設定して数値的に評価することで、改善の成果を明確にします。

3. データドリブンが注目された4つの背景

データドリブンは、客観的な意思決定を可能にすることで、ビジネスに欠かせない手法となっています。データドリブンが注目された理由は、主に以下の4つです。

  • ・購買行動の複雑化
  • ・ICTテクノロジーの進歩
  • ・ビッグデータの登場
  • ・政府のDX推進

データドリブンの必要性を理解し、適切に活用しましょう。

3-1. 購買行動の複雑化

インターネットの普及に伴い、消費者は製品を購買する際に多様な情報を収集・検討するようになりました。購買に至るまでの情報源として以下のようなものがあります。

  • ・商品のレビュー
  • ・評価サイト
  • ・価格比較サイト
  • ・SNS

消費者は、製品を購買する前に多くの情報を収集し検討する必要があり、購買行動は、従来に比べて複雑になっています。そのため、多様化する消費者の行動や興味関心に応じて、対応する必要があります。


CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)は、POSデータや従来のマスマーケティングでは捉えられないニーズを可視化し、個に向けたアプローチを最適化させます。顧客のニーズを捉えてアプローチするにはCDPをチェックしてください。

多様化する顧客のニーズを捉え マスから個へ向けたアプローチの最適化を

3-2. ビッグデータの出現

ビッグデータとは、名前の通り膨大な量のデータです。インターネットの普及に伴い、顧客の嗜好や行動を測れるようになり、膨大なデータを取得・蓄積ができるようになりました。顧客の嗜好やニーズに対する適切な理解は、新たなビジネスを生み出す機会になります。このようなビッグデータの活用により、ビッグデータの出現はデータドリブンが注目された一端となりました。

3-3. ICTテクノロジーの発展

近年、クラウドコンピューティング技術やビッグデータ技術の発展により、膨大なデータの管理が可能となりました。それに伴い、データ分析技術が進歩し、膨大なデータから抽出した情報を基にマーケティング戦略やビジネス戦略を立てることが可能となりました。

このように、膨大な量のデータを分析することにより、意思決定を行うデータドリブンが注目されています。

3-4. 政府によるDX推進

DXとは、デジタル技術を活用して業務プロセスの効率化や新たな価値創造を図ることを目的とした取り組みです。

DXは、ビッグデータの活用において重要な役割を果たしており、国内で日本のDX化が進まない場合、年間最大12兆円の経済損失が生まれると試算され、問題視されています。この問題が「2025年の崖」です。

2025年の崖に備える企業が増加する現状を鑑みて、政府はDX、推進ガイドラインの策定など企業のデジタル化を支援しており、DXを実現するためにはデータドリブンの考え方が重視されています。

参照元:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

4. データドリブンの活用で得られる3つのメリット

データドリブンはデータを基に意思決定することを指します。データによる客観的な評価ができるため、以下の3つのメリットが得られます。

  • ・属人化を解消する
  • ・再現性を構築する
  • ・施策を最適化する

これらのメリットは、企業課題を解決する重要な要素である場合が多いです。そのため、自社の課題を精査し、データドリブンのメリットの有用性について考えてみましょう。

4-1. 属人化を解消する

データドリブンのアプローチでは、意思決定がデータに基づく分析と判断による客観的な根拠に基づいたものとなります。そのため、意思決定プロセスが個人の主観的な判断に左右されません。

結果として、人間の主観的な判断によって生じるバイアスやエラーを排除でき、属人化の解消が実現できます。

4-2. 再現性を構築する

意思決定を個人の主観に委ねていては、個人の状況により決定の指標が定まらない場合があります。データドリブンを用いることで、データを客観的に分析でき、型化がしやすくなり再現性も高まります。また、過去のデータを蓄積・分析した結果を保存することで、同じ分析をする際に再現性を確保できます。

4-3. 施策を最適化する

データドリブンでは、データの収集・分析を通して顧客の嗜好や傾向見出し、マーケティングや営業施策を講じます。その結果から何が顧客のニーズを掴んでいるのかを捉えられます。データの収集・分析・行動のテストを通じて、施策の効果を測定・改善することにより、施策の最適化を図ることができるでしょう。

5. データドリブンを実現するツール4選

データ処理に人の力だけでは限界があるため、データドリブンを実現するためには以下の4つのツールの導入を検討することが必要です。

  • ・MA(Marketing Automation)
  • ・SFA(Sales Force Automation)
  • ・BI(Business Inteligence)
  • ・DMP(Data Management Platform)

各ツールの特長や利用メリットを理解して活用することで、データドリブンの実現につながります。

5-1. MA(Marketing Automation)

MAはマーケティング施策を自動化できるツールで、Cookie情報を基にデータと顧客情報を紐付けできます。そのため、顧客の動きを追え、サービスページへ立ち寄るログから購買確度を判断できます。また、トラッキング機能に加えて、以下の機能を備えている場合が多いです。

  • ・メール自動送信機能
  • ・リードスコアリング機能
  • ・セグメンテーション機能
  • ・Webサイトの自動トラッキング

ツールによっては、施策の効果を可視化したり、レポーティングしたりすることもできます。

5-2. SFA(Sales Force Automation)

SFAとは、営業活動を効率化させる営業支援ツールの一種です。主に以下の機能を備えています。

  • ・顧客情報管理機能
  • ・スケジュール管理機能
  • ・営業活動の分析機能
  • ・ダッシュボード機能
  • ・レポーティング機能

営業担当者は、SFAを通して取引先とのやり取りや商談進捗に関するデータを記録し、顧客情報の一元管理が可能です。SFAに蓄積された情報を基に、営業戦略の立案や顧客サポートなどに活用できます。

5-3. BI(Business Inteligence)

BIとは、データを収集して、加工・抽出、可視化、意思決定に活用する仕組みやツールであり、主に以下の機能を備えています。

  • ・データ収集
  • ・データ分析
  • ・レポート作成
  • ・ビジネスプロセスの最適化

グラフやチャートで視覚的な表現をすることで、膨大なデータを理解しやすくなります。また、将来の傾向や動向を予測できるため、リスクの最小化や未来の展望を正確に把握することが可能です。

5-4. DMP(Data Management Platform)

DMPは複数のデータソースから収集したデータを統合・管理するプラットフォームで、ターゲット層の特定や広告配信の最適化などに使用されます。

データを収集・統合し、リアルタイムに分析・活用できるため、データドリブンに有効です。主な機能はデータの収集、統合、分析、広告の配信などであり、導入により顧客の行動パターンや傾向を把握し、それに合わせた施策の実行が可能となります。

6. データドリブンを実践する際の3つの課題

データドリブンには、データを収集・分析する人やツールが必要です。また、適切なデータの保管や管理が不可欠であり、データドリブンを実践するにはさまざま課題があります。

この章では、データドリブンを実現する際に、直面する課題について紹介します。

6-1. 分析人材の不足

データドリブンを実践するためには、分析スキルとツールの専門知識を持った人材が必要ですが、このような人材は少なく、分析人材の育成や外部の専門家の活用が必要です。

企業が自ら分析人材を育成することで、必要なスキルを持った人材を確保できます。また、分析人材を直接採用することが困難な場合は、外部の専門家を活用することも有効です。外部の専門家は、採用活動が不要なため、企業にとって負担が少なく柔軟な人材確保が可能となります。

6-2. ツールやシステムの選定

データドリブンの活用するツールは、企業のニーズや目的に合わせた適切なものを選ぶ必要があります。以下の観点で選定することが重要です。

  • ・業種
  • ・業務内容
  • ・施策
  • ・戦略

導入検討しているツールの知識や使い方が分かっていないと、比較検討も困難です。そのため、どのようなツールやシステムが必要か判断できる人材も併せて必要といえます。

6-3. データの保管や管理

データドリブンでは、膨大な量のデータを収集し、保管を要します。そのため、適切なサーバーやストレージの用意が必要です。

また、障害や災害によってデータが失われた場合、迅速な復旧ができるように、バックアップの頻度や復旧方法の定期的な確認が必要です。

7. データドリブンを活かしたソリューション事例4選

データドリブンの導入は、客観的な意思決定や再現性のある判断ができるようになるメリットがあります。

この章では、データドリブンを活かしたソリューション事例について紹介します。自社で活用する際に、参考にしてください。

7-1. 現場作業者の安全を見える化

従来、検証が難しいとされた現場作業員の行動把握をセンサー技術により実現できました。作業者に慣性センサー、脚立に荷重センサーを取り付けることで、作業者の行動データを詳細に取得できます。

センサーが、不安全行動を検知した場合、アラームの発出により事故を未然に防止できます。

7-2. AI解析結果によるスポーツ指導・戦術分析を高度化

スポーツの指導や分析は、感覚に頼る傾向がありますが、データ化したプレイ映像をAIで解析することにより、戦術立案や科学的な指導を実現します。

2方向の撮影により、プレイヤーの移動距離と移動速度を正確に計測します。以下の要素をデータ化することで、ローカル5Gを活用したリアルタイム分析が実現可能です。

  • ・バドミントンのシャトル
  • ・移動距離
  • ・ショットの判別

7-3. インサイトの可視化によるアプローチの最適化

インターネットの発展に伴い、顧客自身で製品に関する情報収集が可能となりました。購買に至る前に製品比較をしたり、すでに購買意欲が下がっていたりして、購買行動は複雑化しています。そのため、以下のような顧客の購買データを把握しておく必要があります。

  • ・顧客情報
  • ・購買データ
  • ・Webアクセスログ
  • ・メルマガデータ
  • ・アンケートデータ

CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)では、これらを統合し、顧客の興味関心を測れてパーソナライズしたアプローチができます。初回購入や再購入したタイミングなどのデータも蓄積できるため、最適なアプローチのタイミングを推定できます。

7-4. 製品の外観検査をAIで効率化

データドリブンを活用した技術に、AI外観検査ソリューションがあります。AI外観検査ソリューションとは、良品と不良品の画像の特徴を学習したAIにより、実現した熟練者の目視検査に近い品質の外観検査です。また、24時間稼働可能なシステムのため、人的コストの軽減と品質の担保につながります。

データドリブンを活かしたソリューションについて詳しく知りたい方はこちら

適正基準の明確化が難しい 製品の外観検査をAIで効率化

8. データドリブンを活用して持続的な経営を実現しよう

データドリブンとは、データを基に判断・行動することであり、導入により、以下の3つのメリットが得られます。

  • ・属人化をなくす
  • ・施策を最適化する
  • ・再現性を構築する

これらのデータドリブンの活用メリットにより、企業や組織の業務効率化や競争力の向上、問題解決などが期待できます。

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