2023.05.22 (Mon)

データ分析ツールができることは?役割や導入によるメリット・活用シーンを解説!

posted by NTT東日本

ビジネスの現場では、日々多くのデータが扱われています。事業活動において、膨大なデータが生成・蓄積され、それを経営判断や戦略立案に活用するため、効率的かつ正確に分析することが求められています。そのために利用されるのが、データ分析ツールです。

データ分析ツールは、ビジネスの現場で扱う膨大なデータを効率的に処理し、有用な情報を抽出できます。また、その情報をレポートとしてまとめることもできます。

今回の記事では、データ分析ツールの概要や役割、導入メリット、活用シーンについて解説します。自社の事業にデータの活用を考えている企業や担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

1.データ分析ツールとは?BIツールとの違いを解説

データ分析ツールを使用することで、多くのビジネス分野において、より正確かつ迅速な意思決定をすることが可能になります。

また、データ分析ツールと似たものとして、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールがあります。この章では、データ分析ツールの概要やBIツールとの違いを解説します。

1-1.データ分析ツールとは

データ分析ツールとは、ビジネスや学術などで使用される、大量のデータを収集・整理・分析するためのソフトウェアツールです。データを視覚的に表現することで、データの傾向やパターンを把握し、それを元にした意思決定ができます。整理・分析したデータを根拠として、新しい施策の立案や課題の抽出、改善方法の発見が可能です。また、データ分析ツールにはAI技術を活用しているものもあり、高度な予測分析や適切化を実現できます。

今やデータ分析ツールは、事業活動だけでなく、地域の産業振興や観光振興など、地方創生のさまざまな分野でも活用されています。

1-2.BIツールとの違い

BIツールはBusiness Intelligence(ビジネスインテリジェンス)の略称で、企業経営やマーケティングにおける意思決定支援ツールとして利用されます。

BIツールは、データの収集、分析、可視化に特化したツールであり、業務プロセスに合わせたデータの分析や可視化を行います。BIツールは、データウェアハウスなどの大量のデータを扱えるため、大規模なビジネスの意思決定において重要な役割を果たします。

つまり、BIツールとはデータ分析ツールという大枠の概念に内包されているツールといえます。

2.データ分析ツールでできること

ビジネスや社会において、膨大な量のデータが集積される時代になりました。それらのデータを有効活用するために必要なのが、データ分析ツールです。データ分析ツールによって、莫大なデータを処理し、分析できます。この章では、データ分析ツールでできることについて解説します。

2-1.莫大なデータを処理するのに必須

AIやIoTなどのデジタル技術が発展したことやWebの拡大により、膨大な量のデータが蓄積・処理されるようになりました。しかし、データ量や関数等が大量なので、取り込みや入力の作業など、人の手で管理・処理することは困難です。

そこでデータ分析ツールが必要となります。データ分析ツールは、膨大なデータの中から必要なものを効率的に処理し、分析できます。

2-2.IoT・ICTには欠かせない

データ分析ツールは、IoT・ICTで発生した多種多様な形式のデータを活用するために欠かせないツールです。データ分析ツールを使用することで、リアルタイムで即時共有された異なる型のデータを組み合わせて分析できます。

また、データ分析ツールは、地方創生のために地域の統計データや医療分野での治療効果の分析など、ビジネス以外のさまざまな分野にも用いられています。

3.データ分析ツールの3つの役割

前節で述べたように、データの集積が進んだ現代社会においては、データ分析ツールの必要性が高まっています。そこで、この章では、データ分析ツールが果たす主要な3つの役割について説明します。

  • ・データの処理
  • ・データの抽出
  • ・データのレポート作成

    これら3つの役割がどのようにデータ分析に貢献しているのか、詳しく見ていきましょう。

3-1.データの処理

データ分析ツールにおける役割の1つは、集積した無秩序なデータを扱いやすい形に処理することです。人間が直接扱えるデータ量は限られていますが、データ分析ツールを使用することで、形式の異なる膨大なデータの処理が可能になります。

これは、AIやIoTなどが収集してきた膨大なデータを整理し、必要な形式に変換してくれます。無秩序なデータからパターンや傾向を見つけられるので、新しいビジネスアイデアや市場ニーズの発見にもつながります。

3-2.データの抽出

扱いやすい形になったデータを必要なところだけ抽出することも、データ分析ツールの役割です。使用しないデータを除外してくれるのでデータの整合性や品質が向上し、精度の高い意思決定や考察を行う上で非常に役立ちます。

たとえば、特定の商品に関するデータを集めている場合、関係のない商品の情報は取り入れず、その商品に関係する情報のみを抽出できます。このように、必要なデータを正確かつ迅速に抽出できることで、意思決定や考察のプロセスを迅速化し、ビジネスの効率を向上させられます。

3-3.データのレポート

データ分析ツールでは、意思決定や考察がしやすいように、レポートを作成できます。レポート作成のプロセスは、結果を経営層に報告する際にわかりやすい形に資料を作成するのに時間がかかってしまいますが、迅速な経営判断のためには素早く正確なレポートを提出するのが重要です。

データ分析ツールは、グラフやチャート、表などを用いて、複雑なデータを可視化し、意思決定や報告を容易にします。レポートの共有も簡単に行えるため、組織内の情報共有やコミュニケーションを円滑に進められます。

4.データ分析ツールの4つのメリット

データ分析ツールを自社の事業活動に取り入れることによって、以下の4つのメリットが得られます。

  • ・膨大なデータの処理が可能になる点
  • 高い分析精度が期待できる点
  • ・作業コストが軽減できる点
  • ・意思決定までの時間を短縮できる点

この章では、それぞれのメリットについて解説するので、自社での導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

4-1.莫大なデータの効率的な処理が可能に

膨大な量のデータを効率的に処理ができるという点が挙げられます。Excelなどの人間の手作業では、数万〜数十万行に及ぶデータを処理するのは困難ですが、データ分析ツールを使うことで、データの処理が短時間で可能になります。これにより、時間と手間を大幅に節約でき、従業員が本来注力すべき業務に時間を割けるようになります。

4-2.高い分析精度

データ分析ツールは高い分析精度を持っています。膨大な量のデータの中から必要なものを取捨選択し、多角的な解析を行うため、分析の精度も高くなります。さらに、直接データに触れずとも操作が実行できることにより、人為的なミスやエラーを防げるため、より正確な結果を得ることが期待できます。

4-3.分析の属人性の軽減

データ分析ツールを導入することで、分析の属人性を軽減できます。ツールが自動で分析してくれるため、分析のプロフェッショナルを抱える必要がなく、内部のスタッフがより効率的に仕事を進められるようになります。

4-4.素早い分析による意思決定時間の短縮

素早い分析による意思決定時間の短縮もメリットの1つです。データ分析ツールは、素早くデータを処理できるため、次の一手を打つまでの時間が短縮されます。迅速かつ正確な意思決定を可能にし、意思決定までの時間を短縮できるのはビジネスにおいて重要な要素です。次の一手を打つのが早くなることで、競合他社に差をつけられるでしょう。

5.データ分析ツールの活用シーン3選

このように、データ分析ツールは以下のような場面で活用されています。

  • ・観光地活性化
  • ・車番分析
  • ・地域活性化

これらのシーンでは、膨大なデータを処理し、高い精度で分析することが求められます。データ分析ツールの活用で、これらの課題に対応できます。

5-1.観光地活性化

観光地活性化のために、街中のカメラなどから収集されたデータを分析することは非常に有用です。観光客の動きから観光地の混雑状況や観光客の嗜好などを把握できます。これらデータの分析で、観光業者は観光地をより効果的に活用する施策を見出せます。

たとえば、混雑状況が分かれば、観光地の入場制限や混雑時の適切な案内などができます。また、観光客の嗜好を分析することで、観光地に求められる施設やサービスの改善点を発見できます。これにより、観光客の満足度を高め、観光地の活性化につながるでしょう。

しかし、個人情報保護などの問題も伴い、データの収集・分析においては、適切な法令の遵守や個人情報の保護などが求められています。観光業界においては、データの収集・分析と個人情報保護を両立するための適切な取り組みが必要です。

5-2.車番分析

車番分析は、車のナンバープレートから得られるデータを分析することで、地域活性化に役立てられる手法です。車の地域特性からPRなどの営業活動を行い、滞在時間に合わせたサービスの提供などを検討できます。また、周遊ルートの分析によって、地域活性化を促進できます。

車番分析によって得られるデータには、車両のナンバープレート番号や車種、車両の所有者、通過時間などが含まれます。これらのデータは、地域の車両特性を分析する上で役立ちます。たとえば、地域の商業施設周辺において車両の種別(自家用車・事業用車・レンタカー)によって、ターゲット層を特定できます。このように、車番分析によって得られた情報は、営業活動の計画や施策の立案に役立てられます。

また、長時間滞在する車両には、飲食店の情報や観光スポットの案内など、地域の情報を提供できます。これにより、観光客の地域内での滞在時間が長くなり、地域経済の活性化につながることが期待できます。

さらに、周遊ルートの分析によって、地域活性化を促進できます。車番分析によって得られるデータを活用して、地域の観光スポットや商業施設を巡る適切なルートを提案できます。これにより、観光客が地域内を効率的に巡るようになります。

5-3.地域活性化

地域活性化においては、地域の魅力をデータから分析し、多くの人を引き付けるための施策や今後より伸ばしていきたいニーズを発見できます。

たとえば、観光客の来訪地域や滞在時間、消費額などを収集し、そのデータからどのような観光地として魅力的な要素があるかを分析できます。また、地域の風土や歴史、文化的背景なども分析の対象として、地域にとって価値のある要素を見つけ出せます。

加えて、地域内の企業や店舗のデータを分析し、より需要がある商品やサービスを提供することで、地域の経済活性化を図れます。地域のインフラや交通状況などを分析し、不便な箇所や改善すべき点を見つけ出すことも重要です。

さらに、データから地域のニーズを分析することで、地域にとって必要なサービスや施設の提供につなげられます。たとえば、高齢者が多い地域では、高齢者向けのサービスや施設の需要が明らかになることがあります。

分析データを用いて魅力を増やすことも大切です。データ分析によって見つけ出した魅力的な要素を活用して、地域のPRやマーケティング活動を行えます。周遊ルートの分析や滞在時間に合わせたサービス提供などを行うことで、より多くの観光客を呼び込めます。

6.NTT東日本の「車番分析ソリューション」で観光地や商業施設のデータ分析を可能に

近年、AI技術が進歩し、その活用範囲が広がっています。その一つが、カメラなどのIoTデバイスによって収集した車のナンバープレートから得られるデータの分析です。

NTT東日本が提供する「ギガらくカメラ(クラウド型カメラモニタリング・録画サービス)」とAI技術を組み合わせて車のナンバープレートの特性を解析し、BIツールにより見える化ができます。この分析を行うことで、地域別の来店車数や来店時間帯、滞在時間、車の種別などの情報が得られます。

データ分析ツールにより、分析結果を見える化し、直感的に分析結果を把握できます。また、AI技術により、膨大なデータの処理が可能であり、高い分析精度が期待できます。結果的に、地域の施策に必要な情報をより正確に把握でき、適切な施策立案につながるでしょう。自治体の地域活性化にデータ分析の導入を検討している方は、以下のリンクを参考にしてください。

車番分析ソリューション

7.まとめ

近年、ビジネスや地方創生など、社会のあらゆる分野において、大量のデータが蓄積されるようになりました。このような状況下で、膨大なデータを分析して有効な情報を取り出すことが、意思決定の要となっています。

データ分析ツールを駆使することで、より効率的で正確な意思決定が可能になり、結果的にコストの軽減や業務の改善につながります。また、データ分析を行うことで、ビジネスや社会におけるさまざまなニーズを掘り起こし、未来に向けた施策の提言ができます。自身の目的に合ったツール・ソリューションを選び、ビジネスの成功や地方活性化につなげましょう。

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