2016.5.17 (Tue)
社員のモチベーションを高めるヒント(第5回)
ゆとり世代の部下育成に悩む上司のためのコーチング術概要
ティーチングとは、ビジネス用語では知識や経験の少ない部下や顧客に対し、専門的なルールやノウハウを教えることである。カリキュラムを組み、集団に教えることができるため、短時間で即戦力のある人材を大量に育てるときに向いている。従来の教材を用いた方法や、最近ではインターネットでの受講など、幅広い方法がある。
日本において代表的なティーチングの形式としては、義務教育課程の学校教育が例に挙げられる。
長所・短所
ティーチングの長所は、知識や経験の少ない相手を効率よく育てられることや、教材やインターネットを用いて多数の相手を短時間で育成できることにある。
短所としては、一方的に知識を詰め込むため、能動的な行動の発想が起きない、いわゆる指示待ち人間になってしまうといった欠点がある。
その点を補うために、近年ではコーチングという概念の教育法が用いられる。ティーチングでは相互に上下関係ができてしまうこともあるが、コーチングでは対等な関係で教育を行うため、教育内容によって使い分けることが大切である。
用途
教材やテストケースを用い、全く未経験の人材に対し効率的に教育を施し、専門的なルールやノウハウを教えるときに使用する教育方法として使われる。
この場合、教える側が全ての問と回答を把握しており、いかに教育相手に迅速に学ばせ、技能を習得させて即戦力に育て上げるかが、ティーチングの重要となる。この効率を上げるためには、双方に信頼に基づいた上下関係の構築が必要である。
気をつけるべきポイント
ティーチングとコーチングはよく混同されるが、人材を育てる際に着目するポイントからして全くの別物である。ティーチングは経験の浅い新人には効果的だが、能動的な部下を育てるにあたっては、コーチングという概念が必須である。
ティーチングだけではなかなか効果が上がらない場面に遭遇することが多い、主なケースとしては教育される側が受け身になり、模範解答を欲する依存体系に陥っていることが多い。そのバランスを取る方法として、コーチングの実施があげられる。
ただし、知識や経験を詰め込むことも重要であるため、ティーチングとコーチングを使い分けて人材を育てることに気をつける必要がある。
背景
自らの知識や経験を相手に教える際に用いられる典型的な方式であるため、さまざまなやり方が研究されている。近年では、教える側からの一方的な行動に偏るため、受講する側に依存体質が形成されやすいといった欠点を指摘されることが多い。ティーチングと併用して、やる気や自主性を引き出すコーチングも行うことが、人材育成の際に重要であると認識されている。