スケジューラ
概要
スケジューラは決まった時間や決まった作業を実施した際に処理したい事項を登録しておく事で、その条件を満たした時に処理を自動的に実行させるための仕組みである(タスクスケジューラ、ジョブスケジューラとも呼ばれる)。
例えばあるシステムにて、バックアップを毎日0時に取得する、ウィルススキャンを毎日0時に実施するなどのタスクを一度スケジューラに登録すると、システム利用者はその実行を意識する事なく安全にシステムを利用する事が可能となる。
これとは別に、個人の予定を管理するソフトウェアの総称としても用いられる。このタイプのスケジューラはネットワークを介して共有できる物も多く、他の人の予定を確認して打合せの予約が入れられる。
上記のように2つの意味が存在するが、一般的にスケジューラと呼ぶ場合は、1つ目の意味で用いられることが多い。
種類
スケジューラの種類としては、時刻で起動するもの(タスクスケジューラ)と、イベントで起動するもの(ジョブスケジューラ)に分けられる。
時刻で起動するタイプのものは、例えばバックアップやウィルススキャン等、定期的な実施で単純な作業が必要となる処理に用いられることが多い。
イベントで起動するタイプのものは、例えばシステム間のファイルのやり取りが必要な時に、相手のシステムからファイルが届けばその中身を確認し、自らのシステムへとファイルのデータを反映させ、その結果を返却するといった複雑な処理に用いられることが多い。
シーン
複数の社員がそれぞれパソコンを利用しているような環境では、社員それぞれに対してウィルスチェックやバックアップ取得を呼びかけるだけでは、実施しない社員がいる可能性が残る。そのため、スケジューラへの登録手順を示し全ての社員に実施させることで運用におけるリスクを低減させ、有事の際の余計な稼働を割く必要もなくなる。
歴史
タスクスケジューラは1995年にWindows95が発売される以前からソフトウェアとしては作られていたが、Windows95では「システムエージェント」という名称でMicrosoftから機能として提供された。その後はタスクスケジューラと名前を変え、現在のWindows10においてもその名前で利用されている。