リモートロック
概要
リモートロックとは、ノートパソコンや、スマートフォン、タブレット端末などのモバイル端末を、遠隔操作によりロックして、操作を受け付けなくする機能のことを指す。
モバイル端末の紛失および盗難時、悪意のある第三者が端末内にログインし、端末内の情報を入手したり、端末所有者の情報を利用して、商品を購入したりするなどの不正な操作を防ぐことが主な目的である。
具体的にはノートパソコンであれば、マウスやキーボード、タッチパッドによる操作を不可とすることが一般的な機能であり、パスワードがすでに把握されていたとしても、ログインできない状態となる。
スマートフォンの場合、ロックされた画面上に、あらかじめ登録した情報を表示させる方法が一般的であり、連絡先のメールアドレスや電話番号を表示させ、紛失したスマートフォンから、画面上に表示された電話番号のみに発信することが可能となる。
種類
携帯電話でリモートロックを実施する方法は、従来型の携帯電話と、スマートフォンで方法が違っている。
従来型の携帯電話の場合、あらかじめ登録された電話番号から、指定された条件で着信を受けると、自動的にリモートロックがかかり、ボタンによる操作を停止する。この仕組みは、大手通信事業者のサービスとして提供されている。ロックを実施する手順としては、5分以内に登録した同一電話番号から、連続して4回の不在着信を発生させる、というものである。連続着信を受ける期間や回数は、利用者が事前に設定できる。
スマートフォンの場合、あらかじめ登録したメールアドレスとパスワードにより、インターネットからアクセス可能な管理画面にログインし、管理画面上でリモートロックを有効にできる。このようなサービスは、MDM(Master Data Management)と呼ばれる。MDMの種類によっては、複数の端末を1つの管理画面上で、同時にリモートロックの操作を行うことができる。
気を付けるべきポイント
紛失、盗難時にリモートロックは有効な対策ではあるが、端末内の情報は、そのまま保存された状態である。悪意のある第三者には、リモートロックを解除するための時間が十分にある状況なので、端末内のデータが抜き取られる不安がのこる。
リモートロックは、あくまでも一次的な対策である。情報漏えいを防ぐには、リモートワイプと呼ばれる、遠隔から端末内のデータを消去する対策も合わせて、準備しておくべきだ。