2017.3.28 (Tue)
他人には聞けないICTの"いま"(第26回)
会話するロボットを自社スタッフとして活用する方法概要
人工知能はコンピュータを使って、学習、推論、判断といったヒトの知能のはたらきを、人工的に実現することである。英語表記は「Artificial Intelligence」だが、「AI」と略されることが多い。
種類
人工知能は、5種類に分類されている。言語や文章の認識をし、分析、生成を行う「言語を扱う人工知能」。画像や映像を認識し、分析、生成を行う「画像を扱う人工知能」。音声の認識をし、分析、生成を行う「音声を扱う人工知能」。コンピュータなどの制御や操作を行う「制御を扱う人工知能」。複雑な課題を解決するめの役割を担う「最適化や推論を扱う人工知能」の5種類である。
歴史
人工知能は、ブームと冬の時代という時期を交互に繰り返してきた歴史がある。
第1次ブームは、1956年にアメリカのニューハンプシャー州にあるダートマス大学のキャンバスで開催されたダートマス会議で、会議の発起人のひとりであるジョン・マッカーシーやマービン・ミンスキーが、人工知能に関する提案書を発表したことがきっかけで、「人工知能」という名称が初めて公になったことでも知られている。
その後、アメリカ政府は莫大な予算を投下するなど、人工知能に大きな期待を寄せていたが、期待されるような成果が生み出されずに、そのブームは終息した。
第2次ブームは「エキスパートシステム」が開発・導入された1980年代に起こっている。「エキスパートシステム」とは、特定分野の高度な知識をデータベースに取り込み、さらに推論能力いわゆる意思決定力を組み込むことで、専門家にも勝るとも劣らない判断能力を持つシステムのことである。
このシステムは合理的な意思決定においては高い能力を発揮するものの、合理性を超えたヒトの常識や経験による判断ができないことが課題となった。当時の技術ではこの課題を克服することは難しいとされ、第2次ブームも終わりを迎えることとなった。
第3次ブームは、2010年代のディープラーニングの登場によって起こっている。ディープラーニングとは、データベースに取り込んだデータの特徴を、システムが自動的に学習し、抽出して事象の認識や分類を行う機械学習のことを意味する。ブームに火をつけたのは、このディープラーニングの技術を搭載したIBMのAIシステム「Watson」が、米国の人気クイズ番組ジェパディ(Jeopardy)に挑戦し、ふたりのクイズ王者に打ち勝ったことで一気に注目をあびるようになった。現在の人工知能ブームについて、発明家でもあり、未来学者そしてGoogleのエンジニアでもあるレイ・カーツワイルは、2045年までに技術が人間の知能をはるかに超えるであろうと予測している。