複合機
概要
複合機とは、コピー機、プリンター、イメージスキャナー(紙の文書を読み取って、電子ファイルに変換する機能)、FAX機等の機能が1台にまとめられた機器を指す。
メリット
メリットとしてはそれぞれの機械を単体で設置する場合と比べて設置スペースを最小限に抑えることができること、設置面積が小さいためオフィスのスペースを有効活用できること、全て1台にまとまった複合機を購入することで各機器を分けて購入するより総合的に安く抑えられること、保守の窓口が一本化されることで機器ごとの運用管理を行う必要がないことなどが挙げられる。
デメリット
デメリットとしては故障した場合は修理されるまで全ての機能が使えなくなることや、使用頻度が高い場合は次に使用するまで待ち時間が生じることが挙げられる。
シーン
製本機能やステープル(ホチキスで綴じる)機能が充実しており、何より印刷の品質と速度が大幅に向上したことで、これまで外注していた企業のカタログやチラシ、名刺等を複合機で作成できるようになっている。企業の様々な紙媒体を内製化することで、総合的にコスト削減に繋げられる。 印刷時には、パソコンで印刷ボタンを押すと、印刷物が即座に出力されるのが一般的だが、各従業員にICカードを貸与し、複合機上でICカードをかざし、認証されることで初めて印刷することができる機能もある。ICカードにより、複合機の利用履歴を保存・集約しており、誰が、いつ、どの文書を印刷したのか、確認できる。情報漏えいの抑止に繋がり、万が一の際は利用履歴から原因究明を行える。複合機でコピー、印刷した情報は、複合機内のハードディスクに削除されず残っているが、複合機の機能により、残存データを消去したり、ハードディスクそのものを暗号化したりすることで、悪意のある第三者が情報を取得することを防げる。
歴史
複合機の前身は、PPC複写機(コピー機)と呼ばれるもので、このタイプの複写機の開発は、1938年、アメリカ人のチェスター・F・カールソンの手によって行われた。その後も複写機は改良が重ねられ、1959年、アメリカで世界初の事務用コピー機が販売された。この時の商品名がゼロックスだったために、現在でもコピー機は欧米ではゼロックスと呼ばれている。1980年後半から複写機とFAX機がセットになった「複合機」が登場し、時を経てプリンターやスキャナーの機能が追加されるようになった。