MTU
概要
MTU (Maximum Transmission Unit=最大転送単位)は、通信機器などが1回に送信できる最大のデータサイズを言う。回線の種類などさまざまな条件によってMTUのサイズは異なる。例えばイーサネットとPPPでは1500バイト、PPPoEなら1492バイトがMTUとなる。それに合わせて1回につき適正なデータサイズを設定する必要がある。
適正なMTU
MTUの値を超えたパケットは、経路にあるルーターで細かく分割される。このパケットの断片化処理を「IPフラグメンテーション」と呼ぶ。パケットの分割と再構成はルーターの処理に負荷をかけ、通信パフォーマンスを低下させるおそれがあるため、あらかじめ断片化のないパケット長を調べて適正なパケット長に制限して送信するという考え方もある。
MTUが大きいほど理論的には高速にデータを送ることができる。エラーがほとんど発生しないような伝送路では、パケット長を大きくして少数のパケットにまとめる方が効率的である。しかしその一方で、雑音が多いなど品質に不安のある伝送路では、逆に小さなパケットに分割して通信する方が、再送の負荷を軽減できるため結果的に高速になる場合もある。
ポイント
いくつものネットワークを通過する時、MTUの値が小さい経路も存在する。そこでその経路中で、分割せずに送信できるMTU、もしくは最大のデータサイズで送れる経路を探す技術を、経路MTU探索と呼ぶ。