2016.3.2 (Wed)
朝礼ネタ帳(第32回)
トヨタ式「整理整頓」を意識して仕事の効率化を図る概要
動作経済とは、体を使った作業や業務を行う職種において、効率的で生産性の高い作業のことである。効率的で生産性の高い動作を実現するには、ムリ、ムダ、ムラを取り除くことが重要となる。
その具体的な方法をまとめたものが「動作経済の原則」である。動作経済の原則とは「動作の数を減らす」「動作を同時に行う」「動作の距離を短くする」「動作を楽にする」の4つからなる。 この4原則に則った作業は、疲労軽減と時間短縮が実現され、ひとり当たりの生産性が高くなり会社の利益向上につながるとされている。
種類
4つの原則は、動作を検証する指標となる。
まず「動作の数を減らす」は、作業準備の「探す」「選ぶ」「用意する」などの動作を最小限に抑えることである。テレビをつけるという前にリモコンを探す必要がある。リモコンを決まった場所に置けば、探すという動作が減り、目的の行動へすぐに移れるようになり動作の能率が上がる。
次に「動作を同時に行う」は、「同時進行」で効率を高めることである。ボードに10本のピンを指す動作は、片手でピンを指し一方の手は残りの9本を持っているだけより、10本のピンを箱などに入れて両手でピンを指したほうが早い。同時に行うことで時間効率を高めている。
そして「動作の距離を短くする」は、「取る」「運ぶ」など動作距離を最短にし、疲労を軽減することである。作業スペースを必要最小限の広さにする、材料や道具をできるだけ身近に置くことで、体を動かす距離が短縮できる。距離の短縮で、労力を軽減させている。
最後の「動作を楽にする」は、作業姿勢の見直しや作業に動力を導入することによって、作業の省力化を目指すことである。作業姿勢が窮屈にならない作業台を準備する、電動工具によって動作に大きな力が不要となり、動作が省力で済むようになる。
シーン
動作経済が適用される職場としては、工場などで実施する製造業や、物流業などが主にあげられるが、オフィスなどの事務作業をメインとする職場においても適用可能である。オフィスの作業環境を改善させることは、従業員の生産性とやる気を向上させることになる。無駄で不要なものは定期的に処分し、モノのある場所を明確化して整理整頓をするなど、当たり前のことから見直す必要がある。
歴史
動作経済については、1800年代後半にフランク・ギルブレスにより考案された。ギルブレスはレンガ職人として働いており、レンガの積み方が個々で異なっていることに疑問を感じた。それぞれの工程を観察し、組み合わせることで最適な積み方を考案した。これが動作経済の原則のはじまりであった。