用語解説 

LPWA

概要

 LPWAとは「Low Power Wide Area」の略で、低消費電力で長距離での無線通信が可能な広域無線通信技術のこと。IoT(Internet of Things)やM2M(Machine to Machine)に適しているため、この用途の通信に広く利用されている。IoTやM2Mの普及を背景に、国内でもさまざまな事業者から多様な通信規格のLPWAサービスが提供されている。

背景

 LPWAと既存の無線通信との違いは、通信距離、通信速度、消費電力である。たとえば通信距離ではLTEが数km、Wi-Fiが数百mなのに対し、LPWAは数百mから数十kmという長距離通信が可能。

 通信速度面ではIoTやM2Mの通信ではセンサーデータやスマートメーターの電力データなど、数バイト程度の小さなデータをやり取りすることを前提としている。そのため100bpsから最大でも数百kbps程度という、非常に小さな通信速度になっている。

 また消費電力面では、IoTでは遠隔地にあるダムや建造物のモニタリングや広大な農地の監視といった用途が想定されている。IoT端末は電源が取れなかったり、バッテリー交換が難しい環境に設置するケースもある。中にはボタン電池ひとつで数年間動作したり、太陽光など環境発電を用いてバッテリーを交換不要する必要も出てくる。そこでLPWAでは、やり取りするデータ量を小さくしたり、送信以外では機器をスリープさせたりして、バッテリーひとつで数年間稼働できる低消費電力を実現している。

規格

 日本国内では多くの事業者がLPWAの商用サービスを展開している。無線通信規格にはいくつかの種類があり、免許不要の特定小電力無線とライセンスが必要な通信キャリアの無線方式がある。

 規格の主な例として、Sigfox、LoRaWAN、Wi-Fi HaLow、Wi-SUN、ELTRES、ZETA、NB-IoT、LTE-M、Cat.NB1などがある。

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