ビットレート
概要
ビットレートとは、1秒間に扱うデータ量のことである。ビットとは0と1のふたつの状態を扱える情報量の単位で、コンピューターで扱う単位としては最小となる。通常コンピュータでは8ビットを1単位としたByte(バイト)が使用される。
場面(用途)
ビットレートの例として、通信速度がある。インターネットの通信速度において1秒間に送受信できるビット数のことをbps(ビーピーエス/bits per second)という。これはインターネットの通信速度が100Mbpsだった場合、1,000Mbps(1Gbps)のデータをダウンロードするには約10秒程度のダウンロード時間が必要という計算になる。
また、映像データの保存容量もビットレートで表現される。映像データは1ピクセル(ディスプレイに表示される最小の画像データ)あたりにどれだけ色報量を割り当てることができるかにより画質が決まってくる。一般的に1ピクセルあたりのビットレートが高いと画質が綺麗になる。
DVDは最大9.8Mbpsのビットレートで保存できるが、地上デジタル放送による映像ビットレートは約15Mbpsである。この場合、元の映像データをそのままDVDに保存することはできない。圧縮して画質を落とし保存容量を小さくするか、保存先をDVDからBlu-rayに変更するしかない。
ここで最大ビットレートについて紹介しておく。地上デジタル放送の最大ビットレートは14Mbps、BSデジタル放送では最大18Mbpsである。DVDは最大9.8Mbpsなのでデジタル放送には対応していないといえる。一方Bru-rayは最大ビットレートが54Mbpsであり十分に地上、BSデジタル放送の保存先として対応できる。
また、映像・画像・音声などを圧縮する際も、圧縮率をビットレートで表現する。圧縮する際、ビットレートが高いと映像は綺麗だが、ファイルサイズが大きくなり、インターネットで配信した場合はダウンロードに時間がかかることになる。
一方、ビットレートが低いと画像や映像は荒くなるが、ファイルサイズが小さくダウンロード時間が短くなる。Webサイトの場合はWebブラウザに表示されるまでの時間が短くなるので、ユーザーがWebサイトを離脱することを防ぐことにつながる。
映像・音声の圧縮にはコーデック(データの符号化、複合を行う。データ圧縮にも使用される)を使用するが、低いビットレートで圧縮してもコーデックの圧縮率が良ければ画質・音質の劣化を少なくできる。音声の画質劣化を低くするコーデックとしてMP3(エムピースリー)が普及している。
MP3だと圧縮率は128kbps、 160kbps、192kbps、256kbpsなどのビットレードがあるが、192kbsで圧縮した場合は人にはCD並みの音質と違いが聞き分けられないと一般的にいわれている。MP3で192kbpsに圧縮した音楽データをCD-R(700MB)に保存した場合は、8時間程度の曲が保存できることになる。