2016.5.17 (Tue)
社員のモチベーションを高めるヒント(第5回)
ゆとり世代の部下育成に悩む上司のためのコーチング術概要
コーチングとは聞き役をコーチ、話し役をクライアントとし、コーチが話しやすいように会話を促す質問を行い、クライアントは質問に答える形式で主体的に話を展開していくコミュニケーションのことをいう。コーチングを行う意図は長い期間をかけて、クライアントが抱える問題に対して、根本的な解決を促すものである。
コーチングと違い日常会話は思ったこと・感じたこと・考えたことを思うがまま伝え、相手からも率直な返答がくるものである。日常会話では、相手が話している最中であっても、自分が次に何を話そうか考えており、深く相手の話を聴いていない場合が多い。
効果
コーチングを受けることで、クライアントは信頼できる味方を得ることができたという精神的な安定を得ながら、迷っていることに対しての手がかりや答えが発見できる。また、コーチに話を聞いてもらう中で、クライアント自身が物事を整理し、自身のやりたいこと・実施していることの達成度を見極められ、その結果、その後の行動が最適化される。さらに、コーチングを長く受けるとクライアント自身で自分を客観的・多面的に見る能力が養われるだけでなく、自己紹介表現などコミュニケーションが豊かにになり、他人へ行動について説明をする際に、説得力が増す。
気をつけるべきポイント
コーチングの際、コーチ側が気をつけるべきポイントは、ティーチングをしてはいけないということである。
ティーチングとはクライアントに指示・アドバイスを行い、その通りにクライアントを動かすことをいう。ティーチングのメリットは答えを伝えることで、ティーチングを受けたメンバー同士で共通認識を持てることである。また、答えが与えられるのでクライアントは行動しやすくなる。逆にデメリットは、クライアントが自らの意思や考えを持っていた場合にそれを潰すことである。
コーチングの目的は答えを与えることではなく、クライアント自身に答えを発見させる支援をすることであり、コーチングのメリットは前述の通りである。
人は他人から言われたことよりも、自分で意思決定したことのほうが積極的になれるので、クライアント自身のモチベーションも向上する。