POP
概要
POP(Post Office Protocol)とは、インターネットで利用される電子メールを受信する通信規約である。
長所・短所
現在メールの受信プロトコルとしては、大きく分けてPOPとIMAPの2種類が使われている。受信メールを、デバイスにダウンロードせず、サーバー上で参照する形式をとるIMAPと比較した場合、POPの長所はふたつある。
まずメールをダウンロードするため、メールを読む際に通信を必要とせず、そのメールの処理をスムーズに行うことができる点である。
ふたつ目の長所としては、受信メールをデバイスにダウンロード後には、特別に設定しない限り、サーバーからメールが削除されるため、サーバーの負担が軽減されセキュリティーの面でも安全性が高い点があげられる。
短所は、メール受信時にサーバーからメールが削除されるため、受信したパソコン以外からメールを見ることができないことである。
パソコンでメールを受信した後に、スマートフォンで同じメールが閲覧できないのは、サーバーからメールが削除されているからである。
サーバー上のメールに対して「メールを残す」「メールのコピーを残す」という設定も可能だが、この場合パソコンでメールを受信した後で、スマートフォンでメールを確認すると未読メールとして扱われる。既読、未読メールの判別ができないため、メールの管理が煩雑になるデメリットがある。
シーン(ケーススタディ)
メールを受信するコンピュータが固定されている場合や、メールの保存を徹底したい場合には、POPが選択肢のひとつにあげられる。
気を付けるべきポイント
POPによるメール受信においてユーザ名、パスワードの通信が暗号化されていないことが問題となっている。このため現在ではPOPの通信全体を暗号化するPOP3 over SSL/TLS(POP3s)の利用が推奨されている。SSL/TLSとはインターネットなどで通信する機器間を暗号化してデータを送受信する通信規約のことである。
歴史
1980年代から利用されてきたが、現在はPOP3(バージョン3)が使用されている。