2016.7.15 (Fri)
他人には聞けないICTの"いま"(第15回)
すぐにしないと命取り!?事例で見るセキュリティ対策概要
なりすましとは、インターネットなど各種ネットワーク上で他人のふりをして活動することである。たとえば他人のIDやパスワードを何らかの手段で取得し、システムに対してAさんのふりをして不正なアクセスを行うケースがある。
種類
なりすましの手法を分類すると、自らの情報を偽る方法、盗んだ他人の情報を使う方法のふたつに分けられる。
自らの情報を偽る方法の場合、例としては銀行からのメールであるように偽装し、偽のウェブサイトに誘導し、口座番号と暗証番号を入力させる詐欺(フィッシング詐欺)や、ネットショッピングのウェブサイトを装いクレジット番号と暗証番号を入力させる詐欺などが挙げられる。一時期流行したオレオレ詐欺もこのタイプである。
盗んだ情報を使う方法としては、FacebookやTwitterなどのSNSで他人のIDとパスワードを使いログインすることで、その他人になりすまし、その人の友人に対して金銭を要求したり悪意のあるメッセージを送ったりといった方法がある。またパスワードを変更してしまうことで、他人のアカウントを完全に乗っ取ってしまうこともある。
気を付けるべきポイント
なりすましを防止するために必要なことは、各システムで用いるIDとパスワードを他人に教えないことと、パスワードは他人から類推されにくい文字列にしておくことが必要である。さらに、口座番号やクレジット番号をウェブサイトで入力する際には、アドレスが正規のものであるかを必ず確認することも必要である。携帯電話のメールでは、迷惑メールを防ぐフィルター機能が事業者から提供されており、この設定をすることで、一部のなりすましメールを防ぐこともできる。
歴史
インターネットが使われるようになると、顔が見えないという点から、男性が女性であるように偽る簡単ななりすましが増えてきた。その後、メールなどコミュニケーションツールが増えてくると、それに応じたなりすまし手法も増え、金銭を要求する詐欺や企業の機密情報を狙った詐欺など手法も増え、現在でも新たな手法を用いたなりすましによる犯罪行為は増加している。