サテライトオフィスとは?導入のメリット・デメリットや課題をご紹介
2022.2.21
近年テレワークの導入が進み、働き方が見直されています。しかし、通信環境や家庭環境によっては、自宅での作業が難しいという方が少なくありません。そこで注目されているのが、サテライトオフィスです。出社しなくても、整った環境で仕事を進められます。
また、仕事効率が良いという理由から、多くの企業でサテライトオフィスが導入されています。サテライトオフィスは便利で、メリットがあることは分かりますが、どんなデメリットがあるのかについても気になるでしょう。サテライトオフィスの導入を予定している方は、ぜひ参考にしてください。
1.サテライトオフィスとは?
サテライトオフィスは、企業の本社から離れた場所に設置されたオフィスのことを指します。本社が遠くて、通勤がしにくい従業員のために作られているため、あらゆる地域にサテライトオフィスが設置されています。つまり、従業員の働き方に重きを置いたオフィスです。
サテライトオフィスが注目されている理由
サテライトオフィスが注目されている理由は、3点あります。
- 働き方改革により柔軟な働き方が求められた
- 新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークの導入が進んだ
- オフィスを構えるよりも、コストを低減できる
時代の流れによって、働き方にも大きな変化がありました。テレワークの導入が進み、現在は勤務先オフィスへ出社せずに働くことも可能となりました。サテライトオフィスは、今の働き方にとても合った形態です。
サテライトオフィスの種類
サテライトオフィスの種類は、以下のとおりです。
- 都市型のサテライトオフィス
- 郊外型のサテライトオフィス
- 地方型のサテライトオフィス
さまざまな働き方に合わせたオフィスがあります。居住地や業務内容によって、働く場所を柔軟に変えることが可能です。特徴の違いを詳しく見ていきましょう。
■都市型のサテライトオフィス
1つ目は都市型のサテライトオフィスです。都市に住む従業員向けのオフィスです。企業の拠点が地方にある場合、出勤に時間と費用がかかります。そのため、都市部にサテライトオフィスを置くことで、無駄な時間と費用を削減できます。また、地方の企業拠点は交通が不便なケースが多いので、都市で完結する都市型のサテライトオフィスは利便性が高いでしょう。
■郊外型のサテライトオフィス
2つ目は郊外型のサテライトオフィスです。都市型とは反対のサテライトオフィスです。都市に拠点を持ち、郊外でサテライトオフィスを構えます。郊外への移動がある仕事の際に、業務効率の向上につながるということで、利用企業が増えつつあります。そのため、営業や出張で郊外にいても、整った環境で仕事を進められるでしょう。
■地方型のサテライトオフィス
3つ目は地方型のサテライトオフィスです。地方型のサテライトオフィスが設置されると、Uターン・Iターン・Jターンによる離職率の低下が期待できるでしょう。また、複数拠点で仕事ができるため、従業員のワークライフバランスの充実に、貢献するともいわれています。結婚による居住地の変更や、実家に戻るなどの生活の変化に、地方型のサテライトオフィスは柔軟な対応が可能です。
サテライトオフィスの活用のように、近年はニューノーマルな働き方が進んでいます。この働き方の変化によって、デジタルツールの活用がさらに重要視されています。
中には、環境の変化にどのように対応していけば良いのか、何から始めれば良いのかと、迷っている方も多いでしょう。NTT東日本では、ニューノーマルな開業・移転に向けたお役立ち資料を用意しています。ぜひ参考にしてみてください。
2.サテライトオフィスを導入する5つのメリット
サテライトオフィスを導入することで、以下の5つのメリットを得られます。
- 通勤や移動コストの削減
- 経営コストの削減
- 生産性の向上
- 育児や介護との両立
- 人材確保や離職率の低下
サテライトオフィスを導入すると効率が上がるので、企業・従業員どちらにもメリットがあります。また、無駄が省け生産性の向上が期待できます。以下で、詳しい内容を見ていきましょう。
通勤や移動コストの削減
1つ目のメリットは「通勤や移動コストの削減」です。本来出社していたオフィスへの通勤よりも時間が短縮できる上に、通勤時の混雑を避けられるので、ストレスの軽減・自由時間の確保に繋がります。そのため、企業の拠点と社員の居住地の近い場所にサテライトオフィスを設置して、移動を最小限にすると、社員のワークライフバランスが向上するでしょう。
経営コストの削減
2つのメリットは「経営コストの削減」です。支店を抱えるよりも、家賃・電気代・残業代などのコストを安く抑えられます。そのため、経営コストを削減しながらも、本社と同等のパフォーマンスが可能です。つまり、サテライトオフィスは従業員だけではなく、企業としても多くのメリットがあります。
生産性の向上
3つ目のメリットは「生産性の向上」です。自宅の近くに勤務地があることで、時間にゆとりができたり、プライベートを充実させることができるでしょう。仕事とオフの時間にメリハリが生まれ、生産性の向上を期待できます。個々の努力での生産性向上には限界がありますが、企業として生産性の向上を図ることで、大きな効果が期待できます。
育児や介護との両立
4つ目のメリットは「育児や介護との両立」です。育児中・介護中の社員が気兼ねなく働ける環境に整えることで、離職を防げます。突然時間を割かなければならない場合でも、自宅近くのサテライトオフィスで働いていれば、対応しやすいでしょう。また、育児や介護との両立をサポートすることで、優秀な人材の退職を防げます。
人材確保や離職率の低下
5つ目のメリットは「人材確保や離職率の低下」です。サテライトオフィスが設置されると、地元での勤務を希望する、優秀な若者を採用できます。また、実務以外に育成もサテライトオフィスで行うため、本社での研修は必要ありません。人材確保と同時に、地方活性化にも繋がっています。
サテライトオフィスでの勤務はテレワークの促進や、オンライン上でのコミュニケーションが重要です。NTT東日本では、テレワーク成功のポイントを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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3.サテライトオフィスを導入する3つのデメリット
サテライトオフィスを導入することで、以下の3つのデメリットが考えられます。
- コミュニケーションや情報共有の低下
- セキュリティへの不安
- 人事や評価制度のルール化
これらは、直接対面できないことで発生するデメリットです。以下で、詳しい内容を見ていきましょう。
コミュニケーションや情報共有の低下
1つ目のデメリットは「コミュニケーションや情報共有の低下」です。近年、ZOOMやSkypeなどで簡単に意思の疎通ができます。しかし、リテラシーによって、コミュニケーションツールの利用習熟度が違い、情報共有不足が懸念されます。直接会話をするよりも、伝達ミスやコミュニケーションの質の低下は発生しやすくなるでしょう。
セキュリティへの不安
2つ目のデメリットは「セキュリティへの不安」です。重要データの流出・悪用が想定されます。情報通信技術のICT環境の整備が、疎かになる可能性があるからです。さらに、会社支給のPCではなく、個人PCで企業データを扱う場合はよりリスクが高まります。企業データを保護するため、セキュリティブラウザの導入がおすすめです。
人事・評価制度のルール化
3つ目のデメリットは「人事・評価制度のルール化」です。サテライトオフィスの勤務は、仕事の成果や結果のみで評価される恐れがあります。テレワークが進むにつれ、対面での管理ができず、個々のスキルや能力値での評価がしづらくなるからです。そのため、勤務状況や仕事内容などを、こまめに管理するようなテレワークに合わせた評価基準が必要です。
4.サテライトオフィスの導入方法
ここまでサテライトオフィスのメリット・デメリットを見てきましたが、実際に導入していく場合にはどうすれば良いのでしょうか。
サテライトオフィスの導入方法は、以下のとおりです。
- 会社の全体像を把握する
- セキュリティ・情報統制のルールを決める
- IT環境の整備
会社の全体像を把握する
1つ目は「会社の全体像を把握する」です。第一段階として、部署やチーム間で連携の取り方・意思決定の所在を、明確にする必要があります。全体像を掴んでおくことで、その後、スムーズに勤務できるでしょう。具体的な全体像を把握する手順は、以下のとおりです。
- 導入目的を明確にする
- 導入対象者・業務内容・実施頻度を決める
- テレワーク実施での課題を洗い出す
セキュリティ・情報統制のルールを決める
2つ目は「セキュリティ・情報統制のルールを決める」です。テレワーク導入で問題視されているのが、情報セキュリティです。テレワークでは第三者にPC画面を覗き込まれたり、なりすまし・ウィルスで情報を盗まれたりする可能性が高いといわれています。そのため、企業・顧客などの情報取扱において、セキュリティルールを設ける必要があります。
IT環境の整備
3つ目は「IT環境の整備」です。テレワークでは、通信環境・電話・共有ストレージなどの整備が必要です。IT環境の整備に必要なサービスを以下に解説していきますので、詳しく見ていきましょう。
■光回線の導入
多くの仕事においてインターネット利用環境が必須です。光回線なら、複数人と通信帯域を共有することができるのでおすすめです。利用環境に応じて必要な回線数を用意しましょう。
■クラウドPBX
クラウドPBXは、テレワーク用のビジネスフォンを導入する際に便利です。「ひかりクラウドPBX」は社内外との通話機能を、クラウド上のサーバーから提供できます。また、専用アプリケーションを使うと、スマートフォンを内線化できたり、外出先からオフィスの電話番号で発着信ができたりします。
※外線通話を利用される場合には、「ひかり電話オフィスA(エース)」または「ひかり電話オフィスタイプ」の契約が必要です。
■クラウドストレージ
インターネット上で、データやファイルを共有する際にクラウドストレージは便利です。「コワークストレージ」は、デスクトップ・ブラウザ・モバイルなど、使い慣れた端末で操作ができます。また、データ・ファイルは強固な情報セキュリティ対策のもと、国内で保管されているので安心です。
■ギガらくVPN
「ギガらくVPN」を導入すると、ネットワークの管理や設定をサポートしてくれます。サポートセンターが遠隔でルーターの設定を行うので、ネットワークの管理や構築が簡単にできます。また、トラブルの際も、サポート付きなので安心です。
5.サテライトオフィスの補助金
サテライトオフィスの導入では設置等に関する補助金があります。
サテライトオフィスの導入を予定している方は、参考にしていただけると幸いです。
サテライトオフィス設置等補助事業
東京都のサテライトオフィス設置等補助事業は、設置に伴う整備や運営費の補助を行っています。東京都は、「従業員の自宅付近に、サテライトオフィスの設置」を推奨しています。そのため、サテライトオフィスの設置が少ない、東京都23区外を中心に整備・運営費の補助をしています。
参考・出典:サテライトオフィス設置等補助事業 | テレワーク活用に向けた支援 | TOKYOはたらくネット
6.まとめ
サテライトオフィスは、企業の本社から離れた場所に設置するオフィスを指します。本社が遠くて、通勤がしにくい従業員のために作られるケースが多いです。また、サテライトオフィスは、本社に出社しなくても、整った環境で仕事を進められます。
同時に、本社の近くに住宅があったとしても、営業・出張などで郊外に移動した際、外出先にサテライトオフィスが設置されていると便利です。サテライトオフィスの導入を予定している方は、参考にしていただけると幸いです。