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大学の情報基盤群をデータセンターへ統合移設し
安定運用や情報セキュリティ強化、災害対策を実施

国立大学法人東京外国語大学様(以下、東京外国語大学様)は、学生や教職員が利用する学術情報基盤システムを2018年度に更改。学術情報基盤システムの仮想環境に他の情報システム群を集約し、堅牢なデータセンターへ統合移設することで、システムの安定運用と管理者の負担軽減、情報セキュリティの強化、ストレージの増強、災害対策、電力削減などさまざまな効果を生み出しています。今回は、学術情報基盤システム更改プロジェクトを成功に導いた3名のご担当者にお話をうかがいました。

東京外国語大学

  • 東京外国語大学東京外国語大学

(左から順に)NTT東日本 北海道事業部 ビジネスイノベーション部 テクニカルソリューショングループ 第一テクニカルソリューション担当 主査 佐藤 陽晃、東京外国語大学 大学院総合国際学研究院 准教授 総合情報コラボレーションセンター副センター長 博士(情報科学) 望月 源 氏、東京外国語大学 総務企画部情報企画室 室長 今井 健二 氏、東京外国語大学 総務企画部情報企画室 森川 直樹 氏、NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 第三バリュークリエイト部 第二バリュークリエイト担当 担当課長 今井 泰史

導入いただいたソリューション

学術情報基盤システム(システムインテグレーション、運用保守)、NTT東日本データセンターなど

ソリューション導入効果

  • 学術情報基盤システムの仮想環境に他の情報システム群を集約しデータセンターに移設したことで安定運用を実現した
  • 標的型攻撃対策を強化したことでインバウンド攻撃の検出のみならずアウトバウンドでのマルウェア拡散抑止が図れた
  • 府中キャンパスのサーバールームにおける使用電力量を以前の約半分にまで削減できた

NTT東日本評価のポイント

  • 入札条件及び仕様書の要件をすべて満たしており、学術情報基盤システムの仮想環境に他の情報システムの大部分を集約するなど高効率化とコスト最適化を実現する提案内容だったこと
  • 多くのベンダーを統括し大規模なシステム構築を完遂した経験が豊富なこと
  • 既存システム構成や運用上の課題を、常駐している保守運用スタッフが十分に把握しており、その知見を活用できること

サーバー統合とデータセンターへの集約
情報セキュリティ強化を実施

――東京外国語大学様の「学術情報基盤システム」の概要と役割についてご紹介ください。また、総合情報コラボレーションセンター(ICC)の概要についてもお聞かせください。

望月氏:学術情報基盤システムは、全学規模の情報基盤システムと、事務情報システム、図書館情報システムの各機能で構成されており、学生・教員・役員・事務系職員などが教育、研究、経営などの目的で利用するだけではなく、全世界に向けて情報やサービスを提供するためのシステムでもあります。情報基盤システムは、本学に必要な情報設備の維持、全構成員への情報サービスの提供、情報基盤システム以外のシステムへの認証連携などの役割を担っています。

事務情報システムは事務局の業務遂行と教職員向けのサービス提供を行っています。また、図書館情報システムは図書館業務とその利用者へのサービス提供を行っています。

総合情報コラボレーションセンター(ICC)は、情報基盤システムの管理・運用、情報基盤サービスの提供及び全学の情報セキュリティ確保を行う組織です。学内共同利用施設として、教育研究及び大学運営の総合的な支援を行うことを主な任務としています。

東京外国語大学
大学院総合国際学研究院 准教授
総合情報コラボレーションセンター副センター長
博士(情報科学)
望月 源 氏

――学術情報基盤システムにおいては、前回の2013年度に続き、今回も大規模な更改プロジェクトが行われました。それぞれどのような目的や背景があったのかをお聞かせください。

今井氏:前回2013年度の更改においては、1)メールサーバー・Webサーバーの機能を学外データセンターに移設することによる業務サービス継続性の強化、2)学生向けメールサービスの教育機関向けパブリッククラウド型サービスへの移行、3)教育機関向けパブリッククラウド型オンラインストレージサービスの導入、4)無線LAN接続環境の拡充、5)ウイルス対策・不正アクセス対策の強化、6)図書館システムと多言語対応蔵書検索システムとの連携、などが主なテーマでした。ICCが管理する全学ネットワーク、基幹サーバー・ストレージ、クライアントの各装置・機器類の更新と、その物理構成・論理構成の再設計および構築が行われるなど、事実上基幹コンピュータネットワークの全てを置き換える大規模なものとなりました。そして今回2018年度の更改は、さまざまな部分をより強化する方向で行われました。

具体的には、主に次の2つを重点的に進めました。1つは、学務情報システムを含む事務系情報システムの仮想基盤を学術情報基盤システムに統合し、NTT東日本が運営する堅牢なデータセンターに集約して設置すること。同時に、図書館情報システムも物理サーバーからデータセンターの仮想環境へ移築しました。もう1つは、メール経由の情報セキュリティ対策として、既存のファイアウォールの検出機能を活かしつつさらにふるまい検知機能を追加し、新しい未知のウイルスやゼロディ攻撃にも対応できるようにしました。

東京外国語大学
総務企画部情報企画室
室長
今井 健二 氏

データセンター上の学術情報基盤システムに
他システムを集約して統合する提案を評価

――前回、および今回の更改プロジェクトにおいてNTT東日本がパートナーを務めさせていただきましたが、どのような提案内容や訴求ポイントが評価されたのかお聞かせください。

望月氏:総合評価落札方式に基づき、性能、機能、技術等の要求要件をすべて満たし、価格に対する評価項目の得点合計が最も高かったNTT東日本が落札者となりました。学務情報システムを含む事務系情報システムと、図書館情報システムのサーバー基盤の大部分を学術情報基盤システムに集約し、支援要員および保守体制の強化など、学術情報基盤システムの高効率化とコストバランスの最適化をさまざまな角度から実現しつつ、最新のオールフラッシュストレージ構成を採用しながら低価格に抑えた画期的な提案によって高評価を得られたと思います。また、NTT東日本は前回の更改プロジェクトでも多数のベンダーを統括し、大規模なシステム構築を完遂するなど、広範囲でのシステムコンサルティング経験が豊富であることを証明してくれました。さらに、約半分のシステムをNTT東日本のデータセンター上で安定的に運用してきた実績や、保守運用スタッフを常駐させているため本学の既存システム構成や運用上の課題を十分に把握しているという点でも安心して任せることができました。

――このたびの新・学術情報基盤システム運用開始で実現したことや、得られたメリットなどについてお聞かせください。

東京外国語大学
総務企画部情報企画室
森川 直樹 氏

今井氏:今回の更改から学務情報システムを含む事務系情報システムの仮想基盤もデータセンターに統合されたことで、システムの管理・運用が非常に楽になりました。以前は法定停電がある夏期一斉休業中や年末年始は3日間以上システムを止める運用をしていました。この運用ではシステムの立ち上げ時に不具合が起きてダウンタイムが発生したり、休業中に職員がシステムを使えなかったりするという状況がありましたが、これらが無くなり、長期休業中でも必要なときは大学に来れば事務情報システムが使える、安定した運用を実現しています。

また、今回の更改では標的型攻撃対策ツールを導入したことで、脅威の分析監視も可能になりました。外部からのインバウンド攻撃を検出するのみならず、ボット化した学生や教職員のアカウントがマルウェアをアウトバウンドで拡散するといった、大学が加害側になる事態を可能な限り防止できるようになったと思います。

森川氏:OSS(オープンソースソフトウェア)の統合監視ツールの運用がとても効果的で、表示をカスタマイズしながらサーバーのログや稼働状態を監視しています。監視ツールのダッシュボードは認証系、トラフィック系、ストレージ使用率など用途ごとに設定してあり、それは今後も増えていくと思います。ある時、認証監視画面でメールの動きを確認していたところ、怪しい動きを発見したこともありました。そのように、何か変だなと感じた際にもログを容易に可視化できるようになったことよって問題の先を見越した対応が可能になり、実際に調査業務も迅速になっています。また、以前はリソースが不足していた事務システムのVDI (仮想デスクトップ)についても、今回の更改ではコストを抑えながらもストレージを増強し、オールフラッシュ化してスペックが大幅に向上しているので、快適さに気付いているユーザーも多いと思います。

ネットワーク構成図

ネットワーク構成図

大半のインフラをデータセンターに移設したことで
サーバールームの使用電力量は約半分にまで削減

――学術情報基盤システム更改後、副次的効果や新たな気付きなどございましたら、お聞かせください。

望月氏:更改からおよそ1年が経過しましたが、ネットワークトラブルや回線の大きなトラブルはほとんどなく安定しています。府中キャンパスでサーバーインフラが管理されていた時代は、落雷などの影響を受け停電し、電源の立ち上げ時にシステムが壊れることもありましたが、インフラのほとんどをNTT東日本のデータセンターに移設した今はシステムが止まることもなく、故障するリスクからも解放されました。

今井氏:NTT東日本のデータセンターは災害リスクが低いとされる地域に立地し、万一の場合は府中キャンパスからも駆け付けることができる距離にある点も大きな安心感につながっています。更改時は水害のリスクはそれほど気にしていなかったのですが、2019年に発生した数々の台風被害を考えると水害も身近なリスクとして認識すべきだと考えるようになりました。学術情報基盤システムのデータセンター移設は、DR(災害復旧)/BCP(事業継続計画)対策の一環として非常に意義のあることだと思っています。

森川氏:データセンターにシステムを集約した効果は、府中キャンパスにおけるサーバールームの電力削減にも大きな変化をもたらしています。おおよその算出ですが、学術情報基盤システムの機器類を撤去したことによる使用電力量は以前の約半分になっている計算です。空調の負担軽減も加えれば削減幅はさらに拡大するはずです。

――今回の更改プロジェクトを振り返り、NTT東日本の技術力や提案力、遂行力などへの総合的なご評価やご満足度など、ご意見をお聞かせください。

府中キャンパスの中央広場をぐるりと1周する「円形回廊」は東京外国語大学のシンボル。
正門から中央広場へと続く長い並木歩道は、緑豊かな府中キャンパスのメインストリート。

望月氏:前回の更改の時から、NTT東日本の仕事ぶりを見てきましたが、常に仕事が丁寧な印象を受けます。提案段階から一貫して誠実に向き合ってくれているので、とても信頼性を感じています。また、数多くの専業ベンダーを統括しながらさまざまな規模のプロジェクトに向き合ってきた知見や経験があり、特定のメーカーや技術に偏らず幅広くバランスのとれた提案をしてくれるので、こちらも新たな発見があり大変勉強になっています。今後も学術情報基盤システムをはじめとした情報システムは、AIやデータサイエンスなどの最先端な技術を取り込みながら改善を続け、クライアント環境ともども強化していく必要があります。それを担うことが可能なNTT東日本には、今まで以上のサポートを期待しています。

*上記ソリューション導入時期は2018年9月です。

*文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2020年1月時点(インタビュー時点)のものです。

*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

東京外国語大学
学校名 国立大学法人 東京外国語大学
大学概要 1873年を建学の年、1897年を創立の年、1899年を独立の年とする東京外国語大学は、多文化共生に寄与する独立した国立の教育機関として、世界の言語とそれを基底とする文化、世界諸地域や国際的な問題について、長年にわたり研究と教育を行ってきました。現在は、府中キャンパス(東京都府中市)と本郷サテライト(東京都文京区)を拠点に、言語文化学部、国際社会学部、国際日本学部の3学部を設置。大学院を含めた在籍学生数は約4,400名、教職員数は約390名、学部留学生数は約790名にも達するほか、海外協定校は72ヶ国・地域に215機関※、学ぶことができる言語数は75言語※にもおよびます。
※2019年5月1日現在
専任教職員数 389名(2019年5月1日現在)
学生数 4,414名(2019年5月1日現在)

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