【完全版】 VPN接続のメリット・デメリット8選!活用できる場面を4つ紹介
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2024.9.27 (金)Posted by NTT東日本
近年、働き方改革の一環でテレワークが推奨されるようになりました。テレワークは在宅勤務やモバイルワークなどの、遠隔地をインターネットでつなぐ働き方です。しかし、インターネットを通じた会社のサーバーへのアクセスは情報漏えいのリスクを抱えています。
リスク対策を調査するなかで、VPNを遠隔地との通信を安全に行う手段として検討されている方が多いのではないでしょうか。そこで、今回の記事ではVPNを導入するメリットを解説します。
VPNのメリットや活用できるシチュエーションを具体的に紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
<目次>
- 1.VPNの仕組みを解説
- 2.VPNを利用するメリット 5選
- 2-1. 安全に通信できる
- 2-2. 専用線よりも低コストで通信できる
- 2-3. 複数拠点間で接続できる
- 2-4. タブレット・スマートフォンから社内ネットワークにアクセスできる
- 2-5. 遠隔地から通信できる
- 3.VPNのデメリット 3選
- 3-1. 通信速度が低下する場合がある
- 3-2. 情報セキュリティリスクがある
- 3-3. 高機能なVPNはコストがかかる
- 4.閉域網を利用した安全なVPN接続なら「フレッツ・VPN プライオ」「フレッツ・VPN ワイド」
- 5.VPN接続を活用できる4 つの場面
- 5-1. 社外から社内へアクセスするとき
- 5-2. フリーWi-FIを使うとき
- 5-3. 海外のネットワークにアクセスするとき
- 5-4. 複数のLAN環境を接続するとき
- 6.VPNのメリットを生かしてリモートワークを実現するなら「ギガらくVPN」
- 7.まとめ
1.VPNの仕組みを解説
VPNは「virtual private network」の略で、限られたユーザーのみがアクセス可能な回線です。インターネット上や、プロバイダが提供する閉域網に回線を設置して運用します。VPNには、拠点間VPNとリモートアクセスVPNの2種類があります。
例えば、東京と名古屋のオフィスをVPNルーターで接続するのが拠点間VPNです。それに対して、社内のネットワークにスマートフォンやパソコンからVPN接続するのが「リモートアクセスVPN」です。
各端末にVPNクライアントソフトをインストールしVPNを構築します。インターネットへ接続可能な環境ではどこでもVPNを利用できるため、リモートワークに適しています。
VPNの安全性は、以下の3つのプロセスによって保たれています。
- トンネリング
- 認証
- 暗号化
トンネリングは「カプセル化(通信用のパケットをさらに別のパケットで包むこと)」によってデータを処理し、仮想的なトンネルを通じてデータをやり取りすることです。トンネルの外からは中を覗けないため、やり取りするデータの内容は安全に保たれます。
認証は、トンネルへのアクセスを制限する方法です。パスワードやユーザー名の認証を通して、データの送信先と受信先の身元を確認します。
そして暗号化は、通信内容を隠すためにデータを加工することです。データの加工方法には特定のルールがありますが、データの送信者と受信者しか、ルールを把握できません。そのため、第三者は加工後のデータを加工前の状態に復元できず、通信内容を閲覧できません。
2.VPNを利用するメリット 5選
VPNを利用するメリットは安全な通信経路の確保や、専用線よりも安価なネットワークの構築など、多岐に渡ります。VPNのメリットを正しく理解して、導入する際の参考にしてみてください。
2-1. 安全に通信できる
通常のインターネット利用では、暗号化済みではない「平文」の通信が行われます。しかし、平文だと内容を簡単に読み取られてしまうため、機密情報を送信できません。VPNでは暗号化の処理を施すため、安全にインターネットを利用できます。顧客情報やクレジットカードなど、重要な情報はVPNを経由して送信すると良いでしょう。
2-2. 専用線よりも低コストで通信できる
VPNはネットワーク上に構築されるのに対し、専用線は物理的な回線による拠点間の接続です。専用線は自社専用の回線が必要なため、導入の初期費用や回線の維持費がかかります。一方でVPNはプロバイダが提供する回線やインターネットなど、共用の通信インフラを用いるのでコストを低く抑えられます。
また、専用線は拠点間の距離に応じて導入費用が高くなります。一方VPNは仮想空間上の回線であるため、拠点の距離に関わらず通信にかかる費用は一定です。
2-3. 複数拠点間で接続できる
専用線は拠点ごとに1対1の接続を構築しますが、VPNはネットワークを通して接続するため複数の拠点間で接続できます。そのため、本社と支社だけでなく支社同士でも接続できます。全国の支社を結ぶ必要がある流通業や製造業にとっては、大きなメリットです。
2-4. タブレット・スマートフォンから社内ネットワークにアクセスできる
VPNを利用すれば、社外で使うタブレットやスマートフォンと社内ネットワークが安全に接続可能です。商談の場では値段や見積もりの確認が必要ですが、事務所へ問い合わせるのは時間がかかります。しかし、インターネットで社内ネットワークへアクセスするのは情報漏えいのリスクがともないます。
パソコンやタブレットを社内ネットワークとVPN接続しておけば、データを保存してあるストレージへ安全にアクセス可能です。必要なときに社内のデータを利用できるため、業務の効率化を図れるでしょう。また、移動時間にモバイル端末で作業を行えるため、隙間時間を有効活用できるようになります。
2-5. 遠隔地から通信できる
VPNでは、距離を気にせずに複数の拠点を結び付けられます。海外とも接続できるため、距離に関係なく情報をやり取りし、業務を遂行できます。また、リモートアクセスVPNを用いればどこでもインターネット経由で社内ネットワークに接続できます。VPNはリモートワークを推進するために、欠かせないインフラと言えるでしょう。
3.VPNのデメリット 3選
この章では、VPNのデメリットを解説します。VPNの導入を検討されている方は、デメリットを事前に把握して対策を講じておきましょう。
3-1. 通信速度が低下する場合がある
VPN接続用のネットワークは共用です。そのため利用者が多いときは回線が混雑し、通信速度が低下するデメリットを抱えています。また、データをカプセル化すると一度に送信する情報が大きくなります。やり取りする情報量の多さも、通信速度が低下する原因です。
通信事業者が提供する速度を確認し、自社に必要な通信速度が実現されるか判断しましょう。なお、通信速度の表示方法には「ベストエフォート型」と「帯域保証型」があります。ベストエフォート値とは、理論上の通信の最高速度を表します。実際の通信速度は、ベストエフォート値よりも低い場合が多いです。
帯域保証型は「ある値以上低くならない」下限値を保証するサービスです。一定の通信速度を保証するために、通信の帯域を確保します。そのため、ベストエフォート型よりも費用は高くなる傾向にあります。
3-2. 情報セキュリティリスクがある
VPNは、専用線と比べると情報セキュリティリスクが高いです。VPNの構築には他の利用者とネットワークを共有する必要があるため、情報漏えいの危険性があります。特にインターネットVPNは公衆回線を経由するため、よりリスクが高いでしょう。
また、VPN用の機器の設定が適切でない場合、情報セキュリティ上の欠陥を突かれてしまいます。実際に安全性に問題がある古い機器の利用によって、漏えいが起こった事例があります。VPN機器の運用には、専門性の高い人材による適切な整備が必要です。
3-3. 高機能なVPNはコストがかかる
情報セキュリティ対策のために、さまざまな機能を搭載しているVPNルーターがあります。また、VPNを契約する際に情報セキュリティ関連のオプションを勧められる場合もあります。しかし、自社ですでに情報セキュリティ機能を備えている状況では、追加の機能は不要です。導入の際は、自社の情報セキュリティ対策に必要な機能の見極めが必要です。
4.閉域網を利用した安全なVPN接続なら「フレッツ・VPN プライオ」「フレッツ・VPN ワイド」
「フレッツ・VPN プライオ」「フレッツ・VPN ワイド」はNTT東日本が提供するVPNサービスです。プライベートネットワークを構築し、安全性の高いVPNを利用できます。
オプションのモバイル接続サービスを使えば、リモートワークのために各社員の端末をVPN接続できます。また、NTT西日本エリアの拠点ともVPNを構築し、全国の拠点をVPN接続が可能です。
「フレッツ・VPN プライオ」はIPv6通信を用い、高速で安定した通信を提供します。また、オプションとしてビジネスイーサワイドや帯域優先機能を利用可能です。
フレッツ・VPN ワイドはリーズナブルにVPNを利用できます。フレッツ・アクセスサービスを経由するためVPNで接続する拠点の追加も容易です。
5.VPN接続を活用できる4 つの場面
VPNには、送信したデータやIPアドレスを隠す機能があります。この章ではVPNの機能を活用できるシチュエーションを4つ解説します。
5-1. 社外から社内へアクセスするとき
営業先や自宅など社外からは、直接社内ネットワークに接続できません。そのため、インターネットを介して接続する必要があります。しかし、インターネットは誰でもアクセスできるため、悪意を持った利用者に通信内容を盗み見られる可能性があります。
VPNは情報を暗号化して送信するため、インターネットを経由しても安全な通信が可能です。端末を自宅に持ち帰っての作業や、営業先で社内ストレージにアクセスしての資料の確認などの使い方ができます。
5-2. フリーWi-FIを使うとき
街中に設置されているフリーWi-Fiは、誰でもアクセス可能です。海外では日本よりも普及している国もあり、海外出張の際に利用する方は多いでしょう。しかし、フリーWi-Fiは情報セキュリティが弱い場合が多く、機密情報のやり取りには向きません。
フリーWi-Fiの安全性を高めるためには、VPNを経由して情報を保護すると良いです。IPアドレスや通信内容を隠し、情報が漏えいするリスクを抑えられます。
5-3. 海外のネットワークにアクセスするとき
インターネット上での住所をIPアドレスと言いますが、外国のIPアドレスを制限しているサイトが存在します。VPNはIPアドレスを隠す機能を持つため、日本から海外のサイトへアクセスするときに、制限があるサイトでもアクセス可能です。
5-4. 複数のLAN環境を接続するとき
IT機器を利用する場合、拠点ごとにLAN(内部ネットワーク)を築く必要があります。しかし、複数の拠点を持つ会社では、遠隔地のLANを接続してデータをやり取りする場合もあるでしょう。
そこでLANをVPN接続すれば、拠点間で情報を安全にやり取りできます。なお、VPNで複数のLANが1つのネットワークにまとめられたような状態をWANと言います。系列会社のネットワークをWANに統合すれば情報のやり取りが効率化し、スピード感のある業務を実現可能です。
6.VPNのメリットを生かしてリモートワークを実現するなら「ギガらくVPN」
「ギガらくVPN」は、NTT東日本の法人向けVPNサービスです。リモートアクセス機能を備えており、テレワークに活用できます。また「ギガらくVPN」は機器購入が不要なサブスクリプションサービスのため、初期費用を抑えて手軽に導入可能です。また、機器の導入・管理をヘルプデスクへ委託可能で、手軽にVPNを導入できます。
他にも、IPoE方式の通信で高速な通信を提供し、リモートワークやオンラインミーティングでも快適な通信が可能です。テレワークを実施したい方は「ギガらくVPN」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
7.まとめ
VPNは仮想の専用線を用意して、セキュアな通信を行うサービスです。専用線と異なり、通信インフラを共用するため安価に利用可能です。
また、IPアドレスやデータの内容を隠せるため、第三者が情報を閲覧できません。機密情報のやり取りには欠かせない通信手段です。
テレワークで社内ネットワークへアクセスする際、インターネット経由ではやり取りした通信の内容が漏えいする可能性があります。テレワークなどの際は、VPNを経由して社内の情報を保護すると良いでしょう。
「フレッツ・VPN ワイド」の料金詳細、導入にあたり不安なことなど、いつでもお気軽にご相談ください!
ビジネスコンサルティングセンタの経験豊富な専任スタッフが分かりやすくお答えします。

※本記事に記載された商品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。 ※表示価格は、特に記載がある場合を除きすべて税込です。
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