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資金調達とは?デッド・エクイティファイナンスのメリット・デメリットを解説

2022.3.22

資金調達とは?デッド・エクイティファイナンスのメリット・デメリットを解説

会社を設立し事業を行っていくと、事業を大きくするために「資金調達」を考えます。事業を大きくするためにはどうしても手元資金以上に資金が必要な場合があります。一番最初に思いつく資金調達の方法は「銀行などの金融機関からお金を借りること」でしょう。

しかし、必ずしもお金を借りなければならないわけではないです。お金の集め方によってはそもそもお金を返済しなくてもいい場合があります。また、保有している資産を利用してお金を集めることも可能です。

このように、一口に資金調達と言っても調達方法はたくさんあり、その時の状況を踏まえ、適切な調達方法を選ぶことが重要です。しかし、この調達方法を理解することが難しく、また実行に移すことはさらに難しいです。そのため、資金調達となると銀行からお金を借りるという考えが強くなっています。

今回の記事では、資金調達方法の種類とそれぞれのメリットとデメリットを比較し、実際にどのように相談すれば良いのかを説明していきます。

1.資金調達とは

資金調達とは

資金調達とは「事業に必要なお金を集めてくること」をいいます。事業を継続する上で資金調達のことを考えないことはないでしょう。どうしても手元資金だけでは対処しきれない場合、外部からお金を集めてこなければなりません。

また、最近ではICT整備のために資金調達を行う事例が増えています。最近では新型コロナウイルス感染症の影響で会社のあり方が大きく変化しています。多様な働き方を推進するにあたり、オフィスネットワークの整備は欠かせません。ICT整備を円滑に行うことで事業成功へ近づけることも可能です。
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資金調達の意味

資金調達の意味を考える際に重要なことは「会社の信用力」です。銀行などの金融機関でお金を借りると、返済をしなければなりません。返済実績を積み上げることで金融機関等からは「この会社はこれだけの返済をしてきたし、業績も問題ないからお金を貸せるだろう」と判断できます。

安心してお金を貸せることは対外的にもアピールができます。金融機関が太鼓判を押した会社であれば取引しても問題ないと考える人は多いでしょう。

資金調達の目的

資金調達の目的はさまざまです。新規・既存事業のための運転資金、設備投資にかかる設備資金、M&Aによる企業買収資金、納税資金など多岐に渡ります。資金の使い方によって返済原資は異なりますし、返済条件も異なります。資金調達を検討する際は、「何のために資金調達するのか・集めた資金をどうやって返済するのか」を念頭に考えることが効率的な資金調達につながります。

2.資金調達の種類

資金調達の種類

資金調達方法は大きく分けると4つの方法があります。それが以下の4つです。どの調達方法もメリットとデメリットがあります。それぞれの詳細は別段で説明しますが、ここでは大まかな特徴を押さえてください。

・デットファイナンス
主に銀行などからお金を借りることです。デット(debt)とは英語で「借入」という意味です。銀行からお金を借りると、勘定科目上では「借入金」という負債の勘定になります。

・エクイティファイナンス
主に外部の企業やファンドから出資を受けてお金を調達することです。ここでのエクイティ(equity)とは「株式」という意味です。出資を受ける代わりに会社の株式を渡します。出資者は株式の値上がり益を享受したり、株式を売却して出資金回収を行います。エクイティファイナンスには返済義務がありません。

・アセットファイナンス
保有する資産の信用力でお金を調達することです。アセット(asset)とは「資産」という意味です。不動産や動産、知的財産、債権等の信用力を元に、そこから生まれる資金を返済原資として返済します。

・補助金・助成金の活用
企業があることをする際に行政が支援金を出してくれることです。補助金・助成金に返済義務はありません。常に使えるわけではないことや行政からの審査を受けることなどのデメリットがあります。

3.デッドファイナンス

デッドファイナンス

デットファイナンスは会社が行う資金調達の中で最もポピュラーな調達方法です。「借入金融」ともいいます。多くの会社が資金調達を検討する際、デットファイナンスから考えるでしょう。銀行などの金融機関に融資相談を行い、応諾してもらえれば資金調達ができます。

デッドファイナンスのメリット

デットファイナンスの最大のメリットは「会社経営に意見する株主を増やさずに資金調達が可能」であることです。株式会社の場合、会社経営に意見できるのは株主なので、株主が増えることはそれだけ経営に意見する相手が増えることに他なりません。この点を嫌う経営者はデットファイナンスがオススメです。

また、返済実績を作ることで次の借入検討時に有利に働きます。金融機関側も返済実績がある会社に貸し出す方が検討しやすいでしょう。

デッドファイナンスのデメリット

デメリットは「返済義務が発生する」ことです。借りたものは返さなければならないことは当然です。業績悪化による返済条件見直しや延滞などが発生すると会社の信用力に悪影響を及ぼします。状況が悪化すると、信用情報機関にブラックリストとして登録されてしまい、どこからも資金調達ができなくなってしまう危険もあります。

また、デットファイナンスによる資金調達を繰り返すことで負債部分が増大し、自己資本比率が低下します。自己資本比率とは会社の財務内容を検証する上でよく使用される指標で、この数値が高ければそれだけ安心して貸出ができます。自己資本比率の低下は信用力にも影響が出ます。

4.エクイティファイナンス

エクイティファイナンス

エクイティファイナンスとは、自社の株式を購入してくれる投資家を探し、株式を買い取ってもらうことで資金調達を行う手法です。上場企業やベンチャー企業がこの手法を取ることが多いです。エクイティファイナンスの場合、投資する会社の株価はどのくらいなのかや今後株価の伸びは期待できるのかが重要となります。特に、ベンチャー企業への出資は非常に難しいです。株価算定の根拠が薄く、今後大きく事業拡大できるかも未知数だからです。

エクイティファイナンスのメリット

エクイティファイナンスの大きなメリットは「返済義務がない」ことです。この手法はお金を借りるのではなく、自社に投資をしてもらうというものです。そのため、投資してもらった分は返済する必要がありません。特に、ベンチャー企業の場合、業績が伴っておらず資金繰りが厳しい先が多いため、少しでも返済額を低くしたいと考えます。

また、エクイティファイナンスを実施することで自己資本部分の増加を図ることができます。財務体力改善につながり、会社の信用力が増します。自社の株主に多くの人が聞いたことのある名の知れた企業名があったり、有名なベンチャー企業投資家がいることで、対外アピールにもつながります。

エクイティファイナンスのデメリット

エクイティファイナンスのデメリットは「会社経営に意見できる株主が増加する」ことです。株主が増えることでさまざまな株主の意見を聞かなければならず、株価の下落や配当金の減少が発生すると株主から苦情が来る可能性があります。

また、資本増加による税金納付額が増加したり、損金算入できる費用が少なくなることもあります。なお、減資措置を行うことでこの点は解消できます。

5.アセットファイナンス

アセットファイナンス

アセットファイナンスとは「保有する資産の価値や生み出す資金を元に資金調達を実施すること」です。前段2つのファイナンスは会社の信用力や業績でファイナンスが可能か判断しますが、アセットファイナンスは対象資産の価値力やキャッシュフローの可能性を見て判断します。
対象資産はさまざまです。「不動産、動産、知的財産、債権」等を対象資産とします。貸し出ししたお金を回収できるように、対象資産に担保設定や譲渡禁止文言等を付与することもあります。

アセットファイナンスのメリット

メリットは、「会社の信用力ではなく、対象資産の信用力で資金調達が可能となる点」です。創業したばかりの会社や業績悪化中の会社では、金融機関からの借入や投資家からの出資を受けづらいです。そこで、信用力のある資産を対象に検討をしてもらうことで、資金調達が可能となります。

また、売掛債権等を対象とすることで、保有資産を早期現金化できるため資金繰り改善にもつながります。

アセットファイナンスのデメリット

デメリットとしては、「借入金利以上の手数料がかかる可能性があること」です。対象資産の売却にかかる手数料や諸費用を勘案すると、借入金利以上の手数料率になることがよくあります。また、売却する先はSPC(特別目的会社)という対象資産の管理だけを行う会社であり、この設立や維持にかかるコストも発生します。なお、手数料等は一括で支払います。

スキーム維持管理を行うための人材を見つけておかなければならず、相応の体力がかかります。銀行借入で対応可能であれば、そちらから検討することをオススメします。

6.補助金・助成金を活用する

補助金・助成金を活用する

設備投資等を行う際に行政から補助金や助成金といった支援金を受け取ることができます。行政のホームページで現在申請可能な補助金を一覧で見ることができます。また、顧問税理士が把握していることもあり、相談すると適切なものを教えてくれるかもしれません。

補助金の種類はさまざまで、審査基準が低いものから高いものまであります。そのため、補助金獲得のための労力に見合った補助金額であるかはチェックしましょう。中には、労力だけかかってたいした金額をもらえないものもあります。

メリットは、助金や助成金には返済義務が無いものが多く、また金利も発生しないことです。そのため、積極的に活用しましょう。

デメリットは、活用したいときにそもそも補助金や助成金がない場合や行政からの審査に落ちる可能性があることも十分考えられます。多くの会社が活用することが予想される補助金は、審査のハードルが高くなっていたり補助金枠が小さかったりすることもあります。また、補助金の趣旨にあった使い方をしているかモニタリングされることもあります。万が一、趣旨に沿わない使い方をしていると、返金要請が来ることもありますので、ご注意ください。

7.具体的な資金調達の方法

具体的な資金調達の方法

ここまで各種ファイナンス方法のメリット・デメリットを説明してきましたが、実際にどのように問い合わせをすればいいのかを確認しましょう。

銀行からのデッドでの資金調達

取引銀行に相談しに行きましょう。メイン口座として使用している銀行に相談することをオススメします。入出金が見えることは融資検討にとってプラスに働くからです。もし、みなさんの企業に銀行の渉外担当がいるのなら、その人に相談しましょう。

銀行へ相談するメリットは、「比較的柔軟に検討してもらえる」からです。銀行には非常に多くの企業情報が集まっており、検討材料がたくさんあります。「このような業績の会社ならこのような貸出の仕方がある」というノウハウがあるので、相談に乗ってくれることが多いです。

デメリットとしては、「業績や今後の成長力によっては融資を断られることがある」ということです。銀行の融資審査で一番重要な部分は「貸出金が全額返済されるかどうか」です。業績が悪化している会社や業界全体として今後の成長力が見込みづらい会社等には融資をしたがりません。問題なく業績が推移していることや事業拡大に向けた施策を打っていることを示すことが重要です。

VCからのエクイティでの資金調達

VCとはベンチャーキャピタルの略称です。主にベンチャー企業に出資をして上場時に保有株式を売却してキャピタルゲインを得ます。みなさんの会社が将来上場を考えている場合、VCからの資金調達を検討することはプラスになるでしょう。

メリットは、上場までのサポートをしてくれることです。VCは多くの企業に投資をして上場まで導いています。そのため、どうすれば上場できるのかや事業拡大に向けた良き相談相手になってくれます。

デメリットは、会社の株主になることで経営方針に意見されることです。上場に向けたサポートをしてもらえるとはいえ、時には経営者と意見が食い違うことが発生します。その際にうまく折り合いがつかなければ保有株式の買い戻しを要求をされることもあります。

日本政策金融公庫からの資金調達

日本政策金融公庫は日本政府が出資する金融機関です。創業間もない企業から中堅中小企業まで幅広く利用できます。融資検討に必要な書類を持って窓口に行くことで相談に乗ってくれるでしょう。

メリットは多数の制度融資を取り揃えていることです。適切な制度融資が見つかれば非常に好条件の融資を受けることができます。

デメリットは政府系金融機関とはいえしっかり審査されることです。制度融資の原資は税金ですので、万が一でも回収ができないとなると大変です。融資検討は民間銀行と同じように検討されますので、業績悪化中であると融資を断られる可能性があります。

8.オフィス環境の整備で円滑な事業運営を

オフィス環境の整備で円滑な事業運営を

資金調達の使い道として、最近ではオフィス環境やIT整備などに使用することも多くなっています。新型コロナウイルス感染症の影響により、今までの働き方とは大きく変化しており、オフィス環境も変わらなければなりません。より生産性を向上させるためのデジタルツールの活用が事業成功のカギになるでしょう。もし興味のある人は、ICT整備に関するページを参考にしてみてください。

ニューノーマルな時代に合わせたICT整備に関してもっと詳しく知りたい方はこちら

9.まとめ

まとめ

今回は資金調達の基本知識を中心に、資金調達の種類やメリットデメリット、相談先について解説しました。会社を経営する上で資金調達は切っても切り離せないくらい重要な項目です。

事業が大きくなりいくら利益を出せても資金がなくなると会社は倒産します。そのようなことにならないためにも資金調達に関する知識は必須です。

また、多くの人が資金調達相談を難しく考えていますが、決してそのようなことはありません。金融機関は相談を受ければ親身になって考えてくれますし、どうすれば融資できるかを考えてくれます。こちらが誠意を持って対応すれば、相手もしっかり検討し解決策を模索してくれるでしょう。ぜひ、及び腰にならずに相談をしてみてください。

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