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法人を設立するには?流れや必要な手続き、法人化のメリットを紹介

2021.11.26

個人事業主として事業を行っている方や、独立して新しくサービスをはじめようとしている方で、法人化を検討している方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、会社を設立する流れや必要な手続き、またあわせて株式会社などの種類や法人化のメリットについて紹介していきます。

1.法人の種類

法人の種類

法人を設立するにあたり、まずは会社の種類を選ぶことになります。法人には株式会社と合同会社の二種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。どちらの形態で設立したとしても、後の組織変更は可能です。

①株式会社

株式を発行して資金を集める形態の法人です。日本の多くの企業が株式会社であり、一般的にイメージする会社や企業でもあり、社会的知名度が非常に高いです。設立にかかる費用は合計25万円程度と、後述する合同会社よりも高くなります。

合同会社との大きな違いは、株式を発行して資金を集めることが可能なため、資金調達の手段が豊富であることです。大規模な経営を行う上でのメリットが多いです。

②合同会社

2006年から新しく設けられた会社形態です。設立のための手続きが簡単で、設立にかかる費用は10万円程度で株式会社より安く、個人でも設立しやすい点がメリットです。定款認証費(5万円)がかからず、法務局で設立登記時にかかる登録免許税も株式会社より9万円程度安いです。

また、毎年の決算公告義務がないのでランニングコストが低く、利益配分などの経営の自由度も高いので、小規模な経営を行うのに向いています。社会的知名度は低く、株式を発行して資金を調達しないので、上場はできません。(設立後でも、経営の規模を大きくするためなどの理由から、株式会社化することは可能です。)

③どちらで設立するのが良いか

あまり一概には断言できませんが、潤沢なキャッシュがない状態でも法人化をしたい場合は、設立費用の安い合同会社を選択する人も増えています。個人事業主として組織ではなく個人で事業を行っていて、その後も規模を大きくする予定がない場合は、運用上の負担の少なさから合同会社を選択するケースもあります。

一方、小規模でスタートするものの資金調達の手段を融資やクラウドファンディングだけでなく、株式を発行して投資を受けたい場合は株式会社を選択する必要があります。

スタートアップやベンチャー企業などへの投資は日本でも増加しているため、企業のビジョンやサービスの方向性が投資家やベンチャーキャピタルから評価されれば、開業資金を確保できる可能性もあります。また、創業時に給与があまり高くない状態でもメンバーを集めるための手段として、株式を渡すことを条件に優秀な人材を採用することもあります。

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2.事業を法人化するメリット

事業を法人化するメリット

すでに個人事業主として開業している方が、法人化を検討している場合、具体的に法人にするメリットはあるのか悩むケースは多くあります。ここでは代表的な法人化のメリットを紹介します。

①信頼度の向上

個人事業主としてサービスや事業を行うよりも、法人化したほうが社会からの信頼度が高くなります。新規営業や取引において相手に安心感を与え、融資などの借り入れができる可能性も高まり、出資による資金調達などもしやすくなります。また、特定の業種ではそもそも許可が必要な場合があり、法人であることが必須なケースもあります。

個人事業主として独立している場合は、法人化により、同じ業務内容であっても取引が決まりやすくなったり、そもそも法人としか取引をしていない企業への提案のチャンスが生まれることもあります。

②節税対策

個人事業主として、利益を所得として受け取るよりも、法人化したほうが節税対策になるケースがあります。

(1)経費申請

法人では支出の多くの項目が経費扱いになり、個人事業主よりも経費の範囲が広がります。保険料の支払いや給付金の支払い、オフィス利用可能な物件であれば住居兼オフィスとして家賃が経費になります。

(2)赤字の繰越

欠損金(赤字)が出た場合、法人では年をまたいで繰り越しが可能です。課税対象となる会社の利益が減少するため、節税になります。また、10年間の繰越が可能なため、ある年は大幅な赤字で、次の年は少しの利益が出たとしても、以前の赤字分を上回ることがなければ課税されません。

(3)消費税の免除

資本金1000万円未満の法人でれば、会社設立後の2年間は消費税が免除となります。給料支払額や売上が1000万円を超える場合は消費税を納める必要があります。

(4)税率の変化

給与所得の累進課税は最大で住民税込で50%ほどになりますが、会社であれば法人税と地方税をあわせて30%ほどの税率に抑えることが可能です。また、家族経営においては所得を分散させることで一人への累進課税を減らすことができ、世帯単位での所得税・住民税を安くすることが可能です。

3.法人設立の流れ

資金調達の方法

法人設立の流れをまとめて紹介します。今回の記事では、合同会社に比べて手続きの多い株式会社の設立の流れについて説明します。

①会社概要・基本事項の決定

まず、会社概要や基本事項の決定を行います。こちらは後述する「定款に記載する内容」にもなるため、同時並行で進めて構いません。

(1)社名(商号)

会社の名前を決めます。前株・後株などもここで決めます。注意点として、同一の住所で同一の名前をつけることは不可で、また大企業などの有名な社名なども不可です。

事業の成長に合わせてサービス名を社名に変更するなども後に可能です。

(2)会社の目的・事業内容

会社の目的と事業内容は、設立時の事業内容だけでなく、将来的に行う可能性のある事業も入れておきましょう。また、許可が必要になる業種(建設業・宅建業・介護事業など)は必ず目的に入れておく必要があります。

(3)本店所在地

会社の住所を決めます。個人事業主から法人化する際に自宅を利用することがありますが、賃貸であれば登記可能な物件であるか確認しましょう。許可のない物件の場合は、登記可能なバーチャルオフィスなどを契約するのも手です。前述した許認可業種であればその場所で登記可能であるかも確認しましょう。

(4)役員報酬額

役員報酬は社員への給与ではないため、経費扱いになりません。そのため、設立直後の会社への負担や税制の観点から金額を考える必要があります。

(5)資本金額

資本金額は1円以上であれば設立可能です。ただし、あまりにも低い資本金は取引先や顧客などのステークホルダーからの信頼に影響するため注意してください。前述の通り、資本金1000万円未満の会社は消費税が最長で2年免除されることを考慮して決めましょう。

(6)決算日

決算日を決めます。上記の消費税の免除を考慮すると、会社設立月の前月を期末にできるように調整するのが基本的に良いです。4月に会社を設立する場合、3月に決算日を設定するのが一般的です。決算日は法人設立後も変更可能です。

(7)印鑑作成

登記申請と同時に会社の代表印を提出する必要があるため、法人設立時に作成しましょう。

②定款作成

定款とは、会社の概要についてまとめた文章のことです。定款には5つの絶対的記載事項があり、また相対的記載事項も同様に定めておく必要があります。

(1)事業目的

前述した通り、将来的に行う可能性のある事業も含めて記載しましょう。

(2)商号

前述した通り、会社の名前を決めます。「株式会社◯◯」または「◯◯株式会社」などの前株・後株もこちらで決めます。

(3)本店所在地

前述した通り、会社の住所を決めます。

(4)設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

法人設立の際には、その時点での出資最低額や出資財産額を記載します。この時点では確定している必要はありませんが、株式登記申請時には確定する必要があります。

(5)発起人の氏名又は名称及び住所

法人設立の手続きを行う人は「発起人」と呼ばれ、定款に署名・住所の記載が必要です。
一人で発起人になることも可能です。

(6)発行可能株式総数

発行可能株式総数は相対的記載事項ではありますが、会社設立までの間に発起人全員が同意し、定款に追記する必要があり、実質的には絶対的記載事項となります。そのため、絶対的記載事項と同様に定款作成時に記載しましょう。

③定款認証

公証役場で、作成した定款の証明を受けましょう。合同会社の場合は不要です。

④資本金の払込み

発起人や特定の取締役の銀行口座に資本金を振り込みます。資本金が確定している場合は、定款の前に行っても良いです。

発起人が一人の場合でも、自分名義の新しい口座に資本金を振り込む必要があります。複数の発起人や、出資者がいる場合は、誰か一人の口座にまとめて振り込みます。その後、会社口座が設立されたら、個人名義から法人名義に移行して、法人口座となります。

⑤登記書類作成

定款承認後、登記のための書類を作成します。設立登記の申請には、登記申請書をはじめとした書類が必要になります。

以下に一例を紹介します。

  • 登記申請書
  • 登録免許税の収入印紙の貼付け台紙
  • 定款
  • 取締役の就任承諾書
  • 払い込みを証する書面
  • 印鑑届書

 

この他にも、登記内容によって必要になる書類は変わります。詳しくは法務局の登記相談窓口の利用や、法務局のサイトを確認する、または司法書士などに相談するのが安心です。

参考:商業・法人登記申請手続:法務局

⑥登記申請

資本金支払い後、2週間以内に代表取締役が登記申請を、本店所在地を管轄する法務局で行います。登記がされれば晴れて法人設立となります。

4.法人設立後の手続き

設立後にも必要な手続きがいくつかあります。

①会社の口座開設

法人設立後、法人用の口座を開設しましょう。会社の登記簿謄本などが必要になるため、法務局で発行しておきましょう。登記簿謄本は他にも活用する場面があるため、多めに発行して5つほど持っておくのが良いです。

②税務署等への届出

法人設立後、2か月以内に法人設立届出書を税務署・都道府県税事務所・市区町村役場へ提出する必要があります。このとき、同時に青色申告書も提出するのが良いです。

③社会保険など従業員向けの環境整備

社会保険や健康保険、労災保険、雇用保険など、従業員がいる場合は各種の保険への加入が必要となります。

5.【豆知識】クラウドサービスは資産?それとも?

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関連リンク:スマートフォンで仕事用番号を受信「ひかりクラウドPBX」

6.まとめ

今回の記事では、法人設立のメリットや合同会社と株式会社の違い、また法人を設立する流れについて説明していきました。

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