
顧客一人ひとりを深く理解した最適なデジタルマーケティング・店舗販促をデータドリブンに伴走支援するCXソリューション
インターネット通販が拡大する一方、実店舗での売上が減少し、人々の購買スタイルが大きく変化しています。
NTT東日本では、データ収集から効果的なマーケティング施策の検討・実行までをトータルでサポートします。
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小売業で広がるICT活用(第24回)

さまざまな業界に拡大しているDX(デジタルトランスフォーメーション)の波ですが、小売業界も例外ではありません。技術の進歩や社会情勢の変化による顧客の購買スタイルの変化から、小売業界の各社もデジタル化への対応が求められています。
その中でも注目を集めているのが、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)と呼ばれる技術を小売業界がどう活用していくかです。
ここでは、現在の小売業界の状況や抱える課題を踏まえ、小売業界ですでに活用されているIoTの事例、そして今後の可能性を紹介します。
小売業界に大きな影響を与えているのが、オンラインショッピングを主流としたEC(電子商取引)が一般的となったことです。
もともと家から出ずに買い物ができるECの利便性は注目されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大により、あらゆるサービスを非対面型で行うことの需要が高まり、ECの浸透はさらに加速しました。それに伴って、実際の店舗を訪れて商品を購入する顧客は、減少している可能性が考えられます。
また、SCM(サプライチェーンマネジメント)と呼ばれる、仕入れから物流・販売までを一括管理して効率化を行う流れも進んでいます。これに伴い、小売業でも在庫管理や棚卸作業などの効率化の重要性が高まっています。
現在の小売業界が抱える課題のひとつが、「店舗のショールーム化」と呼ばれる現象です。この現象は「ショールーミング」と呼ばれることもあります。
ECと小売店での購買体験を比較した際、小売店の大きな強みは、オンライン上の画像などだけではなく、実際に商品を見て、手に取って確認できる点が挙げられます。家具や装飾品などであれば細かい確認ができますし、アパレル用品であれば試着が可能、家電などであれば、扉の開閉など機能面が確認できます。
しかし、最近は実店舗で商品の確認を行ったうえで、ECサイトで購入する顧客が存在します。この場合、実店舗への来店は売上につながりません。
労働力不足も、課題といえます。現在の日本は少子高齢化などの影響により、小売業界での人材不足が深刻化しています。店舗で働く店員の確保が難しくなっており、人件費も高騰しています。

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小売業界の課題解決につながる技術として注目を集めているのが、IoTです。IoTは日本語では「モノのインターネット」と訳されます。国際電気通信連合(ITU)の勧告によると「情報社会のために、既存もしくは開発中の相互運用可能な情報通信技術により、物理的もしくは仮想的なモノを接続し、高度なサービスを実現するグローバルインフラ」と示されています。
パソコンやスマートフォンだけではなく、さまざまな機器をIoTでインターネット接続することによって、多様な機能やサービスを実現することが期待されています。では、IoTは小売業界をどのように変えていくのでしょうか。
IoTがもたらすメリットのひとつが、収集できる顧客や商品に関するデータの量の増加、そして精度の向上です。IoTを活用すれば、旧来は不可能だったサイズの機器もインターネットに接続できます。たとえば、商品タグなどにIoTを用いることで、「商品が棚から取り上げられたが、購買にはつながらなかった」といったデータも収集することが可能です。
また、カメラの映像をインターネット経由で取得・分析すれば、商品の売り上げ数などだけではなく、店舗内での顧客の動きや、一人当たりの滞在時間、同時最大入店人数などの情報を収集することもできます。
これらのデータがあれば、より実状に即したマーケティング戦略を立てることが可能になりますし、これまでは店員のノウハウや経験、勘などに頼らざるを得なかった、特定の商品が売れやすい時期や時間帯、商品の欠品が起こりやすい時間などもより高い精度で予測できる可能性があります。
IoTの活用はマーケティング面だけではなく、現場の業務効率化という観点から見てもメリットがあります。
たとえば、IoTを利用して収集したデータは、在庫管理に活用できます。在庫の減少を感知し、発注まで行えるシステムを導入すれば、店員が頻繁に在庫の状況を確認し、都度発注するという業務が必要なくなります。
実際にLevi Straussでは、Intelが開発した小売り向けのIoTプラットフォームを在庫管理に活用しています。RFID(非接触型で電波を用いて情報の読み取り・更新ができるタグ)を商品に取り付け、リアルタイムで全商品がどこにあるかを把握することができます。アパレル用品のように、見た目がよく似ており、サイズだけ違う商品を扱っている場合は、このような管理方法は特にメリットがあるといえるでしょう。
そのほかにも、値札をディスプレイ化する(電子棚札)ことで、価格変更の際に店員が手作業で値札の張替をする手間が省けたり、映像認識技術とスマートフォンでの支払いを組み合わせたレジの自動化、AIとカメラを利用し店内の監視業務をAIに代替させるなど、店員の負担を減らし、業務の効率化を行うため、IoTはさまざまな活用法が考えられます。
BEAMSはおもに衣料品を扱うセレクトショップです。国内外に150店舗以上を展開しているうちの30店舗がアウトレットショップですが、アウトレットショップではファミリー層をはじめ会員カードを作成していない顧客の来店が多く、実際に店舗を訪れている客層を把握しきれていないという課題を抱えていました。
この課題の解決のため、株式会社ABEJAが開発している小売店向けIoTシステム「ABEJA Insight for Retail」を利用して、2016年から複数店舗で顧客の性別や年齢層といったデータ取得を開始。2018年からは顧客の店舗内の動きを知るために、動線分析を行う仕組みも導入しました。
この結果、店舗内で顧客が訪れないウィークポイントが明確になりました。さらに「入店するものの商品を購入しない顧客」は滞在時間が短く、店舗の奥まで回遊することがない、というデータが得られました。このデータに基づいて、商品を購入しない顧客を減らすために、顧客の店内回遊時間を伸びるよう商品の配置を変更しました。

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