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高精度ビーコンで顧客動線分析と広告配信に挑戦!
あたらしいあしたのために、さらなる沿線価値向上をめざす

ショッピングセンターやスーパー、飲食店など多様な業態を展開する京王グループ。ICTを活用した効果的なマーケティング施策の必要性を感じ、NTT東日本が提案した株式会社アドインテのビーコン「AIBeacon」を導入しました。従来のビーコンが持つ欠点をクリアにした「Wi-Fiでも検知可能」「専用アプリ不要」なAIBeaconの導入により、高精度な顧客動線分析を実現。さらにAIBeaconの機能を活用した広告施策にも取り組んでおり、コロナ禍で苦境に立つ鉄道会社の沿線価値向上や新たな収益源の創出をめざしています。京王グループとアドインテ、NTT東日本の3社の連携や今後の展望について、京王電鉄株式会社の辻󠄀 尚宏氏と各社の担当者にうかがいました。

※ビーコンは、無線技術を利用した情報の伝達手段であり、機器で無線信号を送受信することで、位置情報などを捉える仕組みの総称です。

京王電鉄株式会社

  • 高精度ビーコンで顧客動線分析と広告配信に挑戦!あたらしいあしたのために、さらなる沿線価値向上をめざす

導入いただいたソリューション

AIBeaconを活用した顧客動線分析

ソリューション導入効果

  • 京王グループの多様な店舗でフロア単位の顧客動線分析が可能になった
  • オンライン広告配信のためのプラットフォームを構築できた
  • ICTを活用した沿線価値向上につながるファーストステップを踏めた

NTT東日本選定のポイント

  • 当社の課題を的確に理解し、最適な提案とサポートをしてくれたこと
  • 高精度の顧客動線分析と広告配信が可能なAIBeaconを取り扱っていたこと
  • ICTを活用したタッチポイント強化策へ今後も的確なアドバイスを期待できること

フロア単位の顧客動線分析を実施したい!
Wi-Fiセンサー搭載のAIBeaconを採用

――アドインテのビーコン(電波受発信機)「AIBeacon」を導入された背景を教えてください。

辻󠄀氏:2019年秋頃に京王グループのショッピングセンターから「自社施設にどのエリアからどのようなお客さまを呼び込めているのか確認したい」という相談があったことがきっかけです。検討を進めるなかで、顧客動線を分析してマーケティング施策に生かすことは、多様な業態を展開する京王グループ共通の課題だと捉え、顧客動線分析に取り組むことにしました。

NTT東日本からは、そのようなタイミングでAIBeaconの提案を受けました。私自身もセミナーでAIBeaconの存在を知り、興味を持ったところだったので、前向きに検討をはじめました。

間宮:数年前にも一度、NTT東日本から別のビーコンサービスを提案し、京王電鉄様と実証実験をしたことがありました。しかし、当時のサービスはビーコンの信号を受け取るのに専用端末が必要で、実用に足るものではなく、導入には至りませんでした。パートナー企業であるアドインテのAIBeaconは、専用端末の代わりにスマートフォンで信号を検知でき、かつ検知精度も非常に高いため、京王電鉄様のニーズを満たせると考えて、改めて提案した次第です。

京王電鉄株式会社 経営統括本部 デジタル戦略推進部 企画担当 課長補佐 辻󠄀 尚宏氏京王電鉄株式会社 経営統括本部 デジタル戦略推進部 企画担当 課長補佐 辻󠄀 尚宏氏

山際氏:当社のAIBeaconの精度が高いのは、Wi-Fiセンサーを搭載しているからです。従来のビーコンはスマートフォンのBluetooth機能をオン、かつ連携した専用アプリをインストールしているスマートフォンしか検知できず、アプリのインストール率によっては検知率が1%程度ということも。一方、AIBeaconはWi-Fi設定をオンにしているだけのスマートフォンも検知して、その情報を取得できるため、顧客マーケティングの幅が広がります。なお、取得した情報は匿名の統計データとして管理され、特定の個人を識別できる情報は含まれません。

――AIBeaconの導入の決め手になったのはどのような点でしょうか。

辻󠄀氏:顧客動線分析が可能な複数のサービスを比較した結果、フロア単位の動線分析を行うにはビーコンがベストという結論に達しました。いくつかの施設では定期的に、人力による来館者数調査を実施していましたが、集計に時間がかかり、人件費もかかっていました。GPS位置情報データを活用した動線分析はフロア単位の分析ができないため、駅ビルなどには適しません。カメラによる分析もテストしましたが、ちょうどコロナ禍でマスク着用が広まった頃で、顔認識や属性の推定がうまくできないという問題がありました。

アドインテのAIBeaconは、検知率の高さが際立っていました。場所によってはスマートフォンユーザーの7~8割を検知できたため、マーケティング施策に必要なデータは十分集められるだろうと判断しました。また、収集したデータを可視化するダッシュボードをカスタマイズ可能な点も評価しました。京王グループの業態は多岐にわたり、参照したいデータもそれぞれ異なるため、カスタマイズできるか否かは重要です。

そしてもう一つ、収集・分析データを活用したオンライン広告配信に活用できることも決め手になりました。現状、京王グループの広告は、新聞への折り込みチラシや交通広告など紙媒体が主流です。今後は本当に必要な人や興味のある人にピンポイントで届けられるオンライン広告にも取り組んでいく必要性を感じていたため、AIBeaconをその足がかりにしたいと思ったのです。

※株式会社アドインテのプライバシーポリシー

株式会社アドインテ セールスプランニングDiv. 山際 伸太朗氏株式会社アドインテ セールスプランニングDiv. 山際 伸太朗氏

高精度な顧客動線分析結果に満足
広告配信のビジネススキームも3社で共創

――実際、どのような場所に導入し、どういうふうに活用していますか。

辻󠄀氏:2020年夏に、AIBeaconの端末およそ200台を京王グループのショッピングセンターやスーパー、駅、飲食店、書店、屋内遊戯施設などに設置し、データ収集・分析を実施しました。事前準備としては、高精度なデータを取得するのに理想的な設置場所の検討や端末の初期設定があります。現地での設置自体は、コンセントに差し込むのみで、電気工事も不要なため、手間も費用もかかりませんでした。

導入の結果、これまでわからなかった顧客の動線や属性の実態を把握することができました。今後は、店舗の改装や商業施設のテナント入れ替えといったタイミングで再度データを収集・分析し、今回の分析結果と比較することで、よりよい店舗づくりやマーケティング施策に役立てていく予定です。現在は、次の活用のステップとして、広告配信への取り組みを推進している最中です。

――具体的にどのような広告配信を考えていますか。

間宮:まずAIBeaconの機能として、AIBeaconに接触したタイミングで、自社アプリへクーポンやお知らせをプッシュ通知で送ることができます。また、AIBeacon への接触情報を用いて、SNS広告を配信することも可能です。お客さまとのリアルなオフラインのタッチポイントを生かして、オンラインでも新たなタッチポイントを持てることになります。

NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 第二バリュークリエイト部 主査 間宮 瑛NTT東日本 ビジネスイノベーション本部
第二バリュークリエイト部
主査 間宮 瑛

辻󠄀氏:まずは自社アプリである「京王アプリ」へクーポンやキャンペーンのお知らせをプッシュ通知することを検討しています。京王グループの有益な情報を必要なタイミングで、必要なお客様に提供可能だと考えています。

まずモデルづくりに向けて、NTT東日本からの提案で、本事例のURLをプッシュ通知で配信することになりました。通知の効果を定量的に評価できれば、事業を加速させられると思います。

人流の多い駅周辺は広告配信の好ロケーション
ICTを活用したタッチポイント強化の加速化へ

――AIBeacon含めたICT活用について、今後の展望をお聞かせください。

辻󠄀氏:コロナ禍でお客さまの行動が一変しました。外出自粛の影響もあって、タッチポイントが減少している今だからこそ、リアルな場で得られるデータを生かさない手はありません。直接お客さまと接するオフラインの場が多いことは、京王グループの大きな強みです。グループの百貨店やホテルなどとも連携すると共に、ゆくゆくは沿線価値向上や新たな収益源につなげていきたいと考えています。京王グループとしても、NTT東日本やアドインテに相談しながら、AIBeaconなどさまざまな技術を活用したタッチポイント強化のためのICT施策を推進していきたいです。

山際氏:効果的なオンライン広告配信にはある程度の母数が必要ですので、トラフィックが多い駅は、広告配信には非常に適したロケーションです。さらにオフライン空間があると連携の引き出しも多くなります。たとえば当社では小売店向けにPOSデータと連携した広告配信メニューも作っています。今後は京王電鉄様ともこれまでになかったような新しい広告配信メニューを作っていけたらと考えています。

AIBeaconの精度はWi-Fiに依存するため、ギガらくWi-Fiなどを扱うNTT東日本とは相性がよい商品です。AIBeaconは、人流が活発な駅や商業施設のほか、観光マーケティングを推進する地方自治体など多様な場所で活用できます。地方創生、地域活性化に力を入れているNTT東日本と連携することで、幅広い業態の課題解決に貢献していきたいと考えています。

NTT東日本 ビジネスイノベーション本部 第二バリュークリエイト部 笠原 修哉NTT東日本 ビジネスイノベーション本部
第二バリュークリエイト部
笠原 修哉

笠原:京王電鉄様には今後AIBeaconを、沿線のお客さまにとって魅力的なコンテンツを配信するプラットフォームとして、より幅広く活用いただきたいと思います。NTT東日本としては、安定したICTインフラを提供することを一番のミッションに掲げつつ、引き続きさまざまなアイデアを提案しながらサポートしていきます。

間宮:NTT東日本は特定のプロダクトやサービスに縛られる必要がないことが強みのひとつです。お客さまの課題や状況に合わせて、ベストなプレイヤー、ソリューションを紹介し、通信インフラも含めてワンストップでご提案してきました。今後も京王電鉄様、アドインテ、NTT東日本の3社でプロジェクトを発展させながら、京王グループのお客さまにより価値のあるサービスを提供するお手伝いをさせていただければと思います。

京王線新宿駅などにAIBeacon端末を設置。利用者が近づくとプッシュ通知を配信可能京王線新宿駅などにAIBeacon端末を設置。利用者が近づくとプッシュ通知を配信可能

*上記ソリューション導入時期は2020年7月です。

*文中に記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2021年7月時点(インタビュー時点)のものです。

*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

京王電鉄株式会社
企業名 京王電鉄株式会社
事業概要 京王電鉄株式会社は、京王グループとして運輸業、流通業、不動産業、レジャー・サービス業などの事業を展開する生活関連サービス事業者です。鉄道事業では新宿を起点とする京王線と渋谷を起点とする井の頭線で1日約124万人(2020年度実績)を輸送しています。さらに沿線の活性化をめざし、ショッピングセンターをはじめ、京王ストア、啓文堂書店、カレーショップC&Cなど、多彩な業態を展開しています。
株式会社アドインテ
企業名 株式会社アドインテ
事業概要 株式会社アドインテは、IoTとAIを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)を叶えるリテールテックカンパニーです。自社開発したIoT端末「AIBeacon」を活用したOMO(Online Merges with Offline)ソリューションや、位置情報を活用した来店促進施策が可能となる広告配信サービス「AIGeo」を通じて、小売業界、飲食業界、イベント業界などのお客さまに最適なソリューションを提供しています。

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