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AI-OCR/RPAで入力作業時間を約8割削減
職員減少が進む自治体の業務効率化を加速

職員減少が進む自治体業務において、いかに効率化を行っていくかが大きな課題となっています。さらに新型コロナウイルスの感染拡大を契機とした、ニューノーマルな働き方の観点からも見逃せない課題に。そんななか、岩手県久慈市では、ICTを活用した業務効率化を図る実証実験を行い、令和2年7月からAI-OCRとRPAの導入を始めました。同市の谷川氏に、業務効率化を図った背景や今後の活用法などをうかがいました。

久慈市

  • 久慈市 久慈市

久慈市 総合政策部 地域づくり振興課 情報化推進係 係長 谷川 佳澄氏

  • LGWAN(Local Government Wide Area Network)は総合行政ネットワークの略称です。行政専用の閉域ネットワークで、インターネットから切り離され高度な情報セキュリティを維持しています。
  • AIよみと~る(LGWAN接続タイプ)」のご利用には、スキャナーなどの帳票類を電子化する機器および総合行政ネットワーク(LGWAN)への接続環境が必要です。

ソリューション導入成果

  • 申請書内容のシステム投入やアンケート内容データ化および集計業務において、月あたり約8割作業時間を削減することができた
  • 自動化による作業削減効果が認められたことで、他業務でもAI-OCR/RPAの導入検討が進み、業務効率化やテレワークの導入を推し進める契機となった

NTT東日本選定のポイント

  • AIよみと~る」がLGWAN対応となり、強固な情報セキュリティのもとで住民情報等を安心して扱えるようになったこと
  • 実証実験の提案を受け、削減効果のある業務内容の確認、効果の程度を数値で把握することができたこと

待望のLGWAN対応「AIよみと~る」が登場
実証実験により、入力業務の効率化を実感

――サービスを導入した背景を教えてください。

 久慈市では東日本大震災や台風などの災害が続き、その対応に追われる一方で、職員数が減少しています。そんななか、当市では職員の健康を維持しつつ、住民サービスの質を高めることが必要と考えて、業務の効率化が課題でした。課題解決のひとつの方法としてICTを活用した業務効率化を模索し、注目したのがRPAでした。小さい規模から始められ、幅広い業務で活用できそうだ、と。

 そうしたなか、平成30年にNTT東日本からAI-OCR「AIよみと~る」とRPA「おまかせRPA」を組み合わせた業務効率化の提案を受けました。ただ当時、すぐ検討にはいたりませんでした。

 なぜかというと、NTT東日本のAI-OCRがLGWANに対応していなかったことが導入の障壁となったからです。ただ、提案を受けているなかで、RPAで入力を自動化する前段で紙帳票入力を電子化する必要性を理解し、AI-OCRの活用でより業務効率化につながるというのはよくわかりました。

――その後、どのようなきっかけで導入を決められ、その効果はいかがでしたか。

 令和元年にNTT東日本のAI-OCRがLGWAN対応になったことが契機となりました。そこで実務レベルでの効果を確認するため、実証実験を行いました。実証実験では、事前に担当課全体へヒアリングを行い、導入の意向があった課を中心に実施しました。

 その結果、年間約2万件給付があるふるさと納税の申請書をシステムに投入する処理業務、約4,000枚のアンケート内容データ化および集計業務の自動化において、とても高い効果を実感しました。ふるさと納税では、作業に要する時間が月あたり約78%削減。アンケート集計業務は約83%の時間削減につながりました。特にアンケート集計業務に関しては、担当職員が驚くほどでしたね。

久慈市 総合政策部 地域づくり振興課
情報化推進係 係長 谷川 佳澄氏

年間約2万件給付があるふるさと納税の申請書をシステムに投入する処理業務を自動化

久慈市が行った業務効率化の実証実験

  • ふるさと納税処理業務はひと月あたりの作業時間
  • アンケート集計業務では「AIよみと~る」のみ使用

AI-OCR/RPAによる自動化対象業務を拡大
自治体におけるテレワーク導入の足掛かりに

――これからの活用方針を教えてください。

 7月からは、児童手当現況確認などの、子育て関係の業務でも新たに導入を進めており、今後さらにほかの業務での適用も検討しているところです。例えば、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、当市でもテレワークの検討を今後する必要があると思っています。将来的には、AI-OCRで紙帳票の文字を電子化しておけば、庁舎へ出勤し入力作業をする必要性をなくすことができ、テレワーク可能な業務領域が広がるのではないか、といったことなどを模索しています。

 こうした、業務効率化の検討を進め、緊急事態宣言のような状況下においても、業務継続できる体制づくりをめざしたいです。

サービス開発者の声

紙業務の電子化で重視すべきは3ポイント
読み取り精度・情報セキュリティ・サポート体制

――紙の入力作業を電子化するポイントとは。

 久慈市のように、AI-OCRで文字を電子化し、RPAで自動入力することで作業効率性は飛躍的に向上します。単純作業をICTに振り分けることで、業務効率化はもちろん、入力ミスの防止にもつながります。

――「AIよみと~る」の特徴とは。

 高い読み取り精度と業務効率化効果です。自治体とのトライアルでは、平均で読み取り精度97.6%、RPAを組み合わせることで、稼働削減率58.6%という高い効果が出ました。そして、強固な情報セキュリティです。LGWAN内で閉じたシステム構成のため、住民情報も安心して読み込めます。さらに、当社独自のサポート体制です。年中無休9~21時で電話サポートを整備しており、お困りの時に問い合わせができて安心です。有償ですが、オンサイトで操作説明や読み取り設定支援を行う訪問サポートも利用可能です。「おまかせRPA」も、年中無休9~21時の遠隔サポート、有償でシナリオ作成支援を行う訪問サポートを利用できます。

  • 自治体とのトライアル:4自治体(長野市、千葉市、目黒区、三鷹市)の対象7業務について実施した「AI-OCR」と「RPA」活用時の読み取り精度および稼働削減率(各業務の1件あたりの結果を単純平均)のトライアル結果(平成31年1月~令和元年7月)。

東日本電信電話株式会社
ビジネス開発本部 第二部門
北森 雅雄

――自治体に対する今後の支援方針とは。

 紙の入力作業を電子化することで、自治体業務効率化を支援してまいります。また、昨今の「コロナ禍」にくわえ、総務省がテレワークを推進しており、今後は自治体もテレワークの検討が始まると考えられます。「文書電子化」が進めば、テレワークで対応できる業務も増えていきます。我々のソリューションで、自治体の「ニューノーマル」な未来を実現していきたいですね。

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    本事例は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋・一部加工し、制作しました。
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    上記ソリューション導入期間は2020年7月~です。
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    文中に記載の組織名・所属・肩書・取材内容などは、すべて2020年7月時点(インタビュー時点)のものです。
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    上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
久慈市
企業名 岩手県久慈市
組織概要 岩手県北東部の沿岸に位置し、東側は太平洋に面した海成段丘が連なり、西側は、遠島山など標高1,000m以上の山嶺を有する北上高地の北端部にあたります。また、東流する久慈川・長内川等の河川が北上高地を開析し、急峻な渓谷を形成しながら太平洋に注いでいます。古くから郷土に伝わる風習、芸能、行祭事も多く、特に9月に行われる「久慈秋まつり」は、南北朝時代から行われている、伝統を誇る岩手県北最大級のまつりと言われています。

AIよみと~る(LGWAN接続タイプ)とおまかせRPAのパンフレットがダウンロードできます。

※ この画像はイメージです。

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