ネットワークトラフィックとは回線の通信量!増加が招く3つのトラブルと対策・監視方法を紹介
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2023.7.10 (月)Posted by NTT東日本
「ネットワークにつながらない」「遅延が発生する」などの問題を抱えている企業は多いのではないでしょうか。トラブルを引き起こす大きな要因として、ネットワークトラフィックの増加が挙げられます。
そこで今回の記事では「ネットワークトラフィック」の概要と増加することによるトラブル・対策などについて解説します。
ネットワークトラフィックについて知ることで、インターネット接続環境に関するトラブルの解決につながるでしょう。社内のシステム環境を改善したい企業の担当者さまは、ぜひ参考にしてください。
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ネットワークトラフィックの概要を解説
ネットワークトラフィックは、日常のさまざまな場面で発生します。ネットワークトラフィックに問題を抱えていると快適にインターネットに接続できません。ここでは、ネットワークトラフィックについて概要を解説します。
ネットワークトラフィックとはネットワーク上の交通量
ネットワークトラフィックとは、サーバーやネットワーク機器などがやりとりするデータの通信量を指します。ネットワークトラフィックは、一定時間の流入データを単位時間で換算したもので、パケットとも呼ばれています。
ネットワークトラフィックの種類
ネットワークトラフィックには「1対1」と「1対多」の2種類の通信方法があります。「1対1」の通信方法は、主にサーバーへのアップロードやファイルを転送する際などに用いられます。この通信方法はファイルのアップロードやサーバー情報の変更など、端末からサーバーにリクエストを送る際の利用が多いです。
「1対多」の通信方法はさらに「制御用トラフィック」「マルチキャスト」の2つに分かれており「制御用トラフィック」では、ネットワーク上にある機器全体にサーバーから問い合わせを送信し、端末側に回答をもらう際に利用されます。一方「マルチキャスト」は、サーバー側から端末にデータを一斉配信する方法です。
端末1台の制御に1対多の通信方法を用いたり、1対1の通信でネットワーク内の全端末にデータを配信したりなど、非効率な通信方法を行うとインターネットトラフィックが増大し、回線速度が遅くなることがあります。
ネットワークトラフィック発生のタイミング
ネットワークトラフィックは、インターネットを用いて通信を行う際や、社内ネットワークにアクセスする際などに発生します。そのため端末上にダウンロードしたファイルを利用する際には、ネットワークトラフィックが発生することはありません。
例えば、社内サーバー上にあるファイルにアクセスする際にはネットワークトラフィックが発生します。しかし、一度ファイルを端末に保存すれば、以降ファイルのアクセスにネットワークトラフィックは発生しません。
ネットワークトラフィック増加が招く3つのトラブル
ネットワークトラフィックは、インターネット上の交通量のようなイメージです。現実では交通量が増加すると、渋滞や交通事故といったトラブルのリスクが大きくなります。ネットワークトラフィック上でも、通信量が増えた状態はトラブルのリスクが大きいです。
ネットワークトラフィック上で渋滞が起こることを「輻輳(ふくそう)」といいます。この章ではこの「輻輳」が発生すると「どんなトラブルにつながるのか」について解説します。
ネットワーク速度の低下
サーバーでは、さまざまな機器から送信されたネットワークトラフィックを、順番や事前に取り決められている優先度をもとに処理します。
そこに大量の通信データが流れ込むと、処理が追いつかず「輻輳」が発生します。この輻輳は交通量が道路のキャパシティーを超えた時と同じようなイメージで、ネットワーク上に渋滞が発生します。そのためネットワーク上のデータがうまく流れず、通信速度が低下します。
データの損失
サーバーでは、ネットワークトラフィックをあらかじめ取り決めた順番に従って処理をします。このとき、処理を待っているデータはバッファという待合室の役割を果たしている場所に格納されます。
輻輳が発生すると、このバッファに大量の情報が格納されていく仕組みです。しかしバッファには容量があります。そのため容量を超えるインターネットトラフィックが発生したときに処理しきれず破棄をしなければならないので、データの損失リスクがあります。
さらに、設定によってはバッファを超えてしまい破棄された分が送信元から繰り返し送信されるため、処理を行うサーバーには継続的に負荷がかかります。
ネットワークダウン
ネットワークトラフィックが短時間に大量に集中すると「輻輳」つまり渋滞の状況を超え、サーバーの機能自体が停止してしまうことがあります。
ネットワークダウンが発生すると、サーバーが復旧するまで端末側のトラフィックを処理できません。そのため、復旧までファイルの閲覧やアップロードなどのアクセス全般が不可能になります。
ネットワークトラフィック増加への対策3選
ネットワークトラフィックの輻輳は、慢性的なものと一時的に発生するパターンがあります。「一時的な輻輳」は何らかの話題性などで想定外のアクセスが急増し発生するものが多いため対策は難しいです。しかし「慢性的な輻輳」は継続的に発生しているため原因を特定しやすく、対策をすると改善することがあります。そこでこの章では、慢性的な輻輳への対策方法を説明します。
ネットワークトラフィックの監視
ネットワークトラフィックを監視することで、慢性的な輻輳の原因解明につながることがあります。ネットワークトラフィックを監視することで、以下のような情報がわかります。
- サーバーやネットワークの許容量を超えたトラフィックが発生していないか
- リアルタイムでのトラフィック量の監視
- 輻輳による遅延が発生する前にキャパシティが超えそうなことを感知
- どこがトラフィックを使用しているのか
原因を知ることで、設備の強化や輻輳発生源への対策が可能になります。また、副次的に必要以上の性能や設備であるといった無駄を発見できるので、ネットワークシステムのコスト軽減にもつながります。
トラフィックの負荷分散
複数のサーバーやネットワーク機材が存在しているのに、特定の機器にだけ負荷がかかっている場合は、負荷を分散することでネットワーク輻輳を軽減できます。トラフィックの負荷分散は、以下の方法で実現可能です。
- 専用の機材
- DNSサーバーの設定
- 負荷分散ソフトウェア
並列に運用されている機器間で、負荷を均等に分配するように設定します。一台あたりにかかる負荷を減少させることで、ネットワークトラフィック増加への対策が可能です。
さらに、負荷分散を実現するとシステムの冗長化(※)にもつながり、トラブル発生時の保険にもなります。
※冗長化とはコンピュータや機器、システムへの障害発生に備えて予備の設備やサブシステムを平常時から運用すること。
これらを簡単に実現できるように、NTT東日本ではManagedLANというサービスを提供しています。おまかせITマネージャーならトラフィックを適切に処理できるので、別途処理機材やソフトウェアなしで負荷の分散を実現可能です。
トラフィック処理の可視化と適切化
ネットワークトラフィックの監視で集めたデータをもとに、処理が「どのような帯域で」「どのような手順で」行っているのかを可視化できます。得られたデータから問題点を洗い出すことで、設備の増強以外にも処理フローの変更やルール・システムを設けるという解決が可能です。
例えば、社内で利用しているサーバーであれば社内で「どの時間に」「どのアプリケーション」が利用されているのかなどの傾向を洗い出すことが可能です。一定時間に集中しているのであれば利用時間を設定することでネットワーク輻輳への対策が可能になることがあります。
ネットワークトラフィック監視の4手法
SNMP
SNMPとは「Simple Network Management Protocol」の略称です。SNMPを利用すれば、TCP/IPに接続されている端末や機器を監視や制御できます。
ネットワークに接続されている機器を監視しているため、ネットワークトラフィックに輻輳や障害が発生した時に、どの機器が問題か特定可能です。
SNMPには、ネットワークに大規模な負荷をかけることなく監視できるメリットがあります。しかし、あくまで機器の監視を行うのでネットワーク自体を分析できません。そのため、ネットワーク上にある詳細な原因の特定はできないことがデメリットです。
WMI
WMIとは「Windows Management Instrumentation」の略称です。Windows OSを管理することを目的として開発されました。そのため、Windowsに特化してネットワークの詳細な情報を取得できます。以下の6つが、WMIで取得できる情報になります。
- Windowsサービスの起動状態
- サーバーのリソース(CPUやメモリの残量)
- イベントログ
- ファイル、フォルダーの情報
- Hyper-V(仮想マシンのリソース確認)
- Active Directory(システムパフォーマンス)
WMIは、SNMPよりも詳細なネットワークトラフィックの監視を行えるメリットがあります。しかし、監視に多くの処理やリソースを必要とするので、WMI自体が負荷になることがデメリットとなります。
パケットスニファ
パケットスニファとは、ネットワーク上のノードを通過したデータを取得し監視できる手法です。ノードとは、ネットワーク上の通過点に存在するネットワークトラフィック(パケット)の通り道を指します。
ノードを通過するデータを監視することによって、ネットワーク上に流れる通信データ量を分析できます。個別の監視を行っていたSNMPよりも、詳細なネットワーク情報を収集できるメリットがあります。一方、ノードを流れる詳細なデータを取得するので、CPU・ネットワークの負荷になることがデメリットとして挙げられます。
フロー監視
フロー監視はCisco社の技術で、さまざまなツールから構築されているシステムです。データの収集・可視化を行うためには、フローコレクター(ツール)が必要です。
ネットワークトラフィック(パケット)を一個一個の単位で計測するのではなく、ある特定の範囲で区切った「アクション」という単位によって情報を監視します。
アクションという単位に区切っているため、輻輳や問題発生時に情報を把握しやすく、原因特定をしやすいことがメリットとして挙げられます。ただし、アクション単位にまとめる際にパケットスニファと同じく、ネットワークのさまざまなデータを収集し処理することが必要です。そのためネットワークへの負荷が大きいことがデメリットです。
ネットワークトラフィックを適切に処理するおまかせITマネージャー
ネットワークトラフィックを自社で解決しようとすると、さまざまなツールやシステムをバラバラに導入する必要があります。そのため、費用や時間のコストが多くかかることがあります。
そこでNTT東日本では、ネットワーク環境を一括管理ができるおまかせITマネージャーというサービスを提供しています。おまかせITマネージャーでは、LANケーブルで下記のことを実現できます。
- 負荷をうまく分散させネットワークトラフィックの処理
- 別途のツールなしでトラフィックの監視
- ManagedLANで社内ネットワークを一元的に管理
上記の機能をうまく組み合わせ、一貫した社内ネットワークの適切な運用を実現します。ご興味がある企業の担当者さまは、以下のページで詳細をご確認ください。
ネットワークトラフィックの監視・分析でトラブルリスクが軽減
ネットワークトラフィックとは、ネットワーク上の通信量のことです。トラフィックが増加すると輻輳やサーバーダウンなど、さまざまな障害・トラブルにつながります。
ネットワークトラフィック増加のリスクを軽減するにはネットワークトラフィックの監視を行い、原因究明を行うことが必要です。得られたデータをもとに設備強化やシステムの適切化を行うことで、トラフィックの増加に耐えうるネットワークの構築が可能になります。
NTT東日本では、ネットワークトラフィック増加への対策にも活用できるおまかせITマネージャーを提供しています。おまかせITマネージャーを利用すれば、監視から改善を行うためにさまざまなツールを導入したり、時間や労力をかけてチェックしたりする必要がなくなります。社内のネットワーク接続環境でお悩みの方は、ぜひチェックしてみてください。
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社内ネットワークの導入・見直しをご検討のみなさま通信速度が遅い、機器が古くなっていつ壊れるかわからないなど不満や不安はありませんか?
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