収入印紙とは?契約書への添付要否や印紙税法との関連をわかりやすく解説!
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2023.2.06 (月)Posted by 北森 雅雄
「収入印紙とは?」
「なぜ収入印紙を貼る必要があるの?」
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
収入印紙は印紙税を納付する方法の1つです。収入印紙を課税文書に添付して消印を押すことで印紙税を納付できます。ただし、収入印紙の添付し忘れや消印の押し忘れがあると、過怠税が課される可能性があるため注意が必要です。
また、契約書や領収書など課税文書の種類によっても、納付が必要な印紙税額は異なるため、課税文書別に納付金額を事前に確認しましょう。
当記事では、印紙税法上、なぜ収入印紙が必要であるのか、収入印紙の購入方法、収入印紙を購入しなくても済む方法までをご紹介します。
収入印紙とは何か理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
1.収入印紙とは印紙税の納付方法の1つ

収入印紙とは印紙税を納付する手段の1つです。収入印紙がなぜ印紙税法上、必要であるのか順を追って説明します。
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印紙税法では課税文書に印紙税の納付を求めている
印紙税とは、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書(領収書) など特定の文書に課税される税金です。この印紙税にまつわる法律が印紙税法であり、印紙税法上で印紙税の納付が必要な文書、課税文書を定義しています。
課税文書に対して印紙税の納付を忘れた場合、本来納付すべきであった金額の3倍が過怠税として課税されますので、確実な対応が必要です。
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印紙税の納付方法は複数あり、その手段の1つが収入印紙
印紙税法上で印紙税を納付する方法は以下の通りいくつかあります。
- ●収入印紙を課税文書に添付
- ●税印押なつによる納付
- ●印紙税納付計器の使用による納付 など
この中で原則的に利用されるのが収入印紙を課税文書に添付する手段です。他手段による印紙税の納付はあくまで特例扱いですので、原則的には収入印紙の添付による納付をご検討ください。
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収入印紙の金額は課税文書により異なる
課税文書に添付が必要な収入印紙の金額は課税文書の種類や課税文書に記載された金額によって異なります。
課税文書には20種類ある
印紙税法別表1上で、課税文書を20種類定義しています。各課税文書毎に文書上に記載された金額別の印紙税額を記載していますので、収入印紙を購入する前には一度確認が必要です。
例えば、以下の定義に該当する1号文書の場合の納付金額を紹介します。
- ●不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書
- ●地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書
- ●消費貸借に関する契約書
- ●運送に関する契約書
上述の定義に該当する契約書で求められる印紙税の納付金額は以下の通りです。
契約金額 | 印紙税額 |
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上10万円以下 | 200円 |
10万円~50万円以下 | 400円 |
50万円~100万円以下 | 1,000円 |
100万円~500万円以下 | 2,000円 |
500万円~1,000万円以下 | 10,000円 |
1000万円~5,000万円以下 | 20,000円 |
5,000万円~1億円以下 | 60,000円 |
1億円~5億円以下 | 100,000円 |
5億円~10億円以下 | 200,000円 |
10億円~50億円以下 | 400,000円 |
50億円~ | 600,000円 |
金額記載のないもの | 200円 |
以上のように、20種類の課税文書毎に印紙税額が定義されています。
契約書といっても複数種類あるため内容の照らし合わせが必要
上述で紹介した1号文書以外にも以下のように”契約書”と含まれる課税文書はいくつかあります。
- ●第2号文書
- ●第5号文書
- ●第7号文書
したがって、契約書といっても、手元の契約書が上述のどの課税文書に該当するか判断が必要になるのです。また、タイトルが上述の印紙税法別表1上に記載がなかったとしても、課税文書ではないと言い切れない点に注意が必要です。
文書のタイトルではなく、文書の内容により課税文書であるか判断されるためです。文書の内容を元に判断をしてください。
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収入印紙を添付後、消印をすることで納付したことになる
各課税文書で納付が必要な金額の収入印紙を購入後、課税文書に添付してください。この時、添付しただけでは納付したことにならない点に注意が必要です。
印紙税法上で収入印紙を添付後、消印を押さなければ納付したことにならないとされています。もし消印を押し忘れた場合、本来納付が必要であった印紙税額の3倍の金額が課税されます。
消印を押さなければ、収入印紙の使いまわしが可能になってしまうため、収入印紙の使いまわしを防止する意図で消印の付与を求めているのです。
また、消印は印鑑でなくても、文書作成者のサインやゴム印でもよいです。ただし、収入印紙に二重線を引いただけでは、消印として認められませんので注意ください。
2.収入印紙の購入方法

収入印紙は複数の施設で購入ができます。
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身近な施設でも購入できる
身近な施設でいうと以下の施設で収入印紙の購入が可能です。
- ●購入場所①:郵便局
- ●購入場所②:法務局
- ●購入場所③:コンビニ
購入場所①:郵便局
収入印紙には31種類ありますが、郵便局ではほぼすべての種類の収入印紙の購入ができます。また、郵便局であれば平日の9:00-18:00の間に購入ができる上、施設数も多いので比較的購入がしやすい施設といえるのです。
また、一部の郵便局では土日や深夜帯の営業もしていますので、急を要して購入する場合は郵便局の営業時間を確認するとよいです。
購入場所②:法務局
法務局では全種類の収入印紙を購入できます。登記の際などに必要な収入印紙をまとめて購入しておくと、効率がよいでしょう。
購入場所③:コンビニ
コンビニでも収入印紙を購入できます。コンビニであれば24時間営業である上に、施設数も多いので、最も購入がしやすい施設といえるでしょう。
ただし、コンビニでは200円の収入印紙のみ購入可能である点に注意が必要です。とはいえ、例えば1,000円分の収入印紙が必要であれば、200円の収入印紙を5枚購入すればよいので、少額の収入印紙であればコンビニで十分と考えられます。
また、一回の取引で購入可能な金額に上限(多くの場合で50,000円程度)が設定されている場合が多いですので、留意ください。
目的2
購入場所によってはクレジットカード払いも可能
収入印紙は基本的にクレジットカード払いによる購入はできません
しかし、コンビニ各社が提供するポイントをクレジットカード払いにより購入することで、間接的に収入印紙を購入できます。各社が提供するポイントであれば収入印紙を購入できる仕組みを利用するものです。
例えば、以下のコンビニであれば間接的にクレジットカード払いにより収入印紙の購入ができます。
- ●セブンイレブン
- ●ローソン
- ●ファミリーマート
収入印紙を少しでもお得に購入したいのであれば、コンビニで購入するのも選択肢の1つといえます。
3.そもそも収入印紙を購入しなくても良い方法とは

課税文書1通あたりの収入印紙代は小さい場合も多いです。しかし、企業全体でかかる収入印紙代を考えると大きな金額になります。したがって、各社で収入印紙代の節約に頭を悩ましているようです。
この点、電子契約を利用すれば収入印紙代を節約できますので、利用をおすすめしています。
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電子契約なら印紙税は非課税
印紙税法上で印紙税の納付対象となるのは課税文書です。この課税文書とは印紙税法上では”紙”を指し示しているため、電子契約や電子領収書など電子文書を利用すれば、印紙税は非課税といえます
実際に課税文書を記載した印紙税法別表1上には電子文書を指し示す記載はありません。また、国会答弁や国税からのFAQでも電子文書は印紙税非課税である旨が公表されているのです。
したがって、電子契約などの電子文書を利用すれば、印紙税は非課税であるといえます。
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電子契約を利用するなら電子契約サービスの利用がおすすめ
電子契約はExcelやWordなど、すでに手元にあるツールでも作成ができます。しかし、契約業務自体の業務効率化やコスト削減を考えるのであれば、電子契約サービスの利用がおすすめです。
電子契約サービスを利用することで以下のメリットが得られます。
- ●メリット①:業務効率化により契約業務にかかるコストの75%を削減できる
- ●メリット②:契約締結までの時間を最短で即日までに短縮できる
メリット①:業務効率化により契約業務にかかるコストの75%を削減できる
電子契約サービスを導入することで例えば以下のような機能を利用することができますので、契約業務そのものの効率化が見込めます。
- ●社内稟議を円滑化するワークフロー機能
- ●契約書作成を効率化するテンプレート登録機能
- ●顧客からの返送漏れを防ぐ顧客別ステータス管理機能
- ●契約書の保管・検索を効率化する文書管理機能 など
国内シェアNo1のクラウドサインが提供するデータによれば、電子契約サービスを導入することによって、契約業務にかかるコストの75%を削減できるそうです。このデータからもコスト削減や業務効率化の効果が高いことがわかります。
メリット②:契約締結までの時間を最短で即日までに短縮できる
立会人型の電子契約サービスを利用すれば、契約締結用のメールを相手方に送付するだけで、契約締結をすることができるので、契約締結までのリードタイムを大幅に短縮できます。
クラウドサインの事例を参照すると、導入企業の中には契約締結を即日実現できている事例も確認できます。したがって、電子契約サービス導入による、リードタイム短縮効果は非常に大きいといえるでしょう。
4.まとめ 収入印紙とは何か理解しておこう
収入印紙とは何か理解しておけば、課税文書への添付の必要性や重要性が理解できるはずです。ぜひ収入印紙を扱う前には収入印紙とは何か一度時間をとって理解するようにしてください。
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この記事を書いた人
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。