会計ソフトfreee(フリー)の評判は?特徴やメリット・デメリットを徹底解説!
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2023.4.25 (火)Posted by 北森 雅雄
freeeは会計ソフトの中でも知名度が高く、導入する会計ソフトの候補として考えている方も多いのではないでしょうか。freeeは「freee株式会社」が提供するクラウド型の会計ソフトで、31万社もの事業所が課金・利用を行っています(2021年9月末時点)。
本記事では、freeeの特徴やメリット、料金について解説します。評判や向いているケースなどについても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
また、おすすめの会計ソフトを知りたい方は、以下の記事もあわせてごらんください。
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この記事の監修者:藤沼寛夫(公認会計士・税理士)
藤沼会計事務所所長、アカウントエージェント株式会社代表取締役。
会計税務コンサルティング事業を展開する傍ら、Webメディア等で記事監修に携わっています。
目次:
1.会計ソフトfreee(フリー)の特徴
freeeについてくわしく知らないという方向けに、概要や機能面など3つのポイントから特徴を解説します。
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業界トップクラスのクラウド型会計ソフト
freeeは2013年のリリース後、使い勝手やデザイン性などから話題を集め、登録事業者数を伸ばしてきました。その後、グッドデザイン賞など数々の賞を受賞したり、テレビCMを放映したりするなど、製品としての認知度をより高めています。
社名は「煩わしい業務から解放される」という由来から名付けられました。今ではシェアNO.1の会計ソフトとして、多くの企業・個人事業主の業務効率化に寄与しています。
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大企業・中小企業・個人事業主まで対応
元々freeeとは、スモールビジネスを自由に営むことをサポートすることを目標に開発された会計ソフトです。経理業務に大きなリソースを割くことの難しい中小企業や個人事業主でも使いやすい会計ソフトとして知られています。
また、現在は決算や監査の効率化といった目的で、多くの上場企業にも利用されています。事業の規模を問わず、多くの事業者にとって使いやすい会計ソフトと言えるでしょう。
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人事労務システムとの連携も可能
freee株式会社は会計ソフトの他にもさまざまなサービスを展開しています。給与計算や振込、勤怠管理など、多くの機能を備える「freee人事労務」もその中の1つです。給与明細を作成後、会計ソフトに仕訳を自動で反映するなど、連携をして業務効率化を目指すことができます。
2.会計ソフトfreee(フリー)のメリット
会計ソフトは数多くの企業が開発・提供していますが、その中でもfreeeを選択するメリットはどのような点にあるのでしょうか。導入のしやすさや効率化といったポイントから、4つのメリットを解説します。
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AIによる自動化で会計知識がなくても安心
仕訳を自動で行う機能を備えているため、会計業務に慣れていない方も操作がしやすいメリットがあります。
freeeでは、ネットバンキングやクレジットカードと連携することで入出金の情報を取り込むことができます。取り込んだ取引は内容に応じて自動で仕訳を行うため、専門知識が無い方でも家計簿のような感覚で利用できるでしょう。
過去に入力した情報を参考に勘定科目が自動で入力されたり、登録した内容に応じた税率が設定されたりといった機能もあります。入力方法に迷うことなくスピーディーに業務を行えることはもちろん、一度軌道に乗れば、会計業務に慣れていない方が日頃の作業を行うことも可能です。
2
スマホアプリで業務を効率化
freeeはスマホアプリも提供しているため、出先での空き時間などにも作業を進めることができます。スマホアプリとは言えど、 勘定科目や取引先・備考欄なども入力できるため、基本的な機能は問題なく利用することが可能です。
また、受け取ったレシートや領収書をスマホで撮影することで情報を読み取ることもできます。 画像の情報から金額や取引先名などを読み取り、自動的に経費として入力してくれるため、入力にかかる時間を大幅に削減することができるでしょう。
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困った時はチャットや電話で質問
freeeの使い方がわからなかったり、会計についての疑問が生じたりした際には、以下のサポートを受けられます。
- ●botによるチャットサポート(24時間)
- ●有人でのチャットサポート(営業時間内)
- ●メールによるサポート
- ●専門スタッフによる電話サポート
サポートを利用することで、会計に携わることが初めてという場合でも安心して利用できます。なお、受けられるサポートはプランによっても異なりますので、導入時によくチェックしましょう。
4
経営状況の可視化
日頃のお金の動きを会計ソフト上に入力することで、収益や損益・資金繰り表など、さまざまなレポートを確認することができます。ワンクリックで表示できるため、エクセルなどに転記してグラフ化する必要もありません。
「先月に比べて売上が増加している」「利益が多く出たのでもう少し経費を使おう」など、レポートを確認することで新たな気づきが生まれます。経営状況をチェックし、戦略を立案することに役立つでしょう。
また、そのような機能を活用して自ら会計業務を行うことで、経営状況や会計に関する知識が深まります。税理士や記帳代行業者に丸投げしてしまうよりも、freeeを通じて自社で業務を行うことで、企業としての力を蓄えられることでしょう。
3.会計ソフトfreee(フリー)のデメリット・注意点
freeeを導入する上で、どのような点に気をつけるべきでしょうか。契約前にあらかじめ把握しておきたいデメリットや注意点を3つ紹介します。
1
会計知識があるとかえって使いにくいことも
freeeは会計知識がない方や、本来の業務に集中したいスモールビジネスの経営者の方などをメインのターゲットにした会計ソフトです。
そのため、難しい専門用語は減らしたり、家計簿をつけるような感覚で入力したりすることを重視しています。知識のある経験者の方にとっては、かえって使いにくいと感じることもあるかもしれません。
しかし、複式簿記の形式での入力に設定することで、会計知識のある方にとって使いやすい画面表示に変更することも可能です。貸借や振替伝票にも対応させることができるので、初心者・経験者を問わず使用できます。
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ランニングコストがかかる
会計ソフトの料金形態は主に以下の2つに分けられますが、freeeは「サブスク型」に分類されます。
サブスク型 |
クラウド型の会計ソフトに多い |
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使用している限り、継続的に料金を支払い続ける必要がある |
企業担保権の設定又は変更を目的とする契約 |
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使用する期間やプランによっては、一度の支払いで済む買い切り型よりも、サブスク型の方が高くつくことがあるでしょう。
その反面、買い切り型(インストール型)の会計ソフトは、インストールや設定・アップデートを自ら行うため、手間取ることもあります。これらの点を総合的に鑑みて、費用対効果が高く、より利用しやすい方を選ぶことが大切です。
3
スマホアプリではやりにくい作業がある
前述した通りfreeeにはスマホアプリがありますが、すべての作業をスマホから行うのは難しいという点にも注意しましょう。
すべての顧客から漏れなく入金されたかどうかを確認したり、決算時に正しく帳簿を作成できたかどうかを見直したりする際など、パソコンの画面を見て落ち着いて作業する方が効率的という場合もあります。
あくまでもパソコンからの作業を主とし、スマホアプリは補助的なものとして捉えるのがいいでしょう。
しかし、レシートや領収書のカメラ撮影や、画像からの自動仕訳など、スマホアプリが便利であるということに代わりはありません。スマホアプリを使う場合は、パソコンとの使い分けを前提として導入することをおすすめします。
4.会計ソフトfreee(フリー)がおすすめのケース
freeeは大企業から個人事業主まで多くの事業者にとって使いやすい会計ソフトです。本項では、その中でも特に導入をおすすめしたい事業者やケースについて、くわしく解説します。
1
バックオフィスをまとめて効率化したいと考えている
freeeは会計ソフトの他にもさまざまなソフトを提供していることから、各ソフトを導入して連携することで、バックオフィスをまとめて効率化することが可能です。「今後に備えて、バックオフィスのシステムを整備したい」といった企業に適しています。
前述した人事労務に加え、勤怠管理や受発注管理など数多くのソフトを提供しているので、会計ソフトとあわせて導入できるものがないかチェックしてみるといいでしょう。
2
会計業務に慣れていない
freeeは会計知識のない人でも業務を行えることがコンセプトの会計ソフトであることから、業務に不慣れな方にもおすすめです。
借方や貸方といった専門用語を極力使わず、画面が構成されています。また、入力時に迷いがちな勘定科目についても、各勘定科目の意味の解説がついているため、毎回調べる必要がありません。
会計業務専任の従業員がいない場合や、経営者自ら会計業務を行っている場合などにも、問題なく導入できるでしょう。
3
税理士とこまめに連携をとる予定である
シェア率の高いfreeeは、税理士にも積極的に活用されている会計ソフトです。中には「freee専任で対応している」という税理士もいるほど、多くの場面で活用されています。
メンバーとして税理士を追加することで、オンライン上でいつでも情報をチェックしてもらうことができます。税理士と密にやりとりしたいという場合にも、スピーディに連携が取れるでしょう。
また、 まだ税理士が決まっていない場合には、freeeを通じて税理士や会計士を探すこともできます。「freee税理士検索」から税理士事務所などを探すことが可能ですので、気になる方はチェックしてみるといいでしょう。
参照:freee税理士検索
4
小〜中規模の企業である
freeeはどのような企業も活用することができますが、メインのターゲットを中小企業・個人事業主などのスモールビジネスの事業者としています。大企業が導入するような会計ソフトと比べ、コストを抑えて導入することができるため、費用の面でも安心です。
5.会計ソフトfreee(フリー)の料金
中小企業がfreeeを利用する際の料金は、下記の通りです(2022年10月時点)。なお、ここでは20人以下の方針を想定して紹介します。21人以上の法人は、freeeを利用する人数やサービス内容などによっても料金が異なるため、個別の見積もりが必要です。
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ミニマム |
ベーシック |
年単位 |
23,760円 / 年(1,980円×12ヶ月) |
47,760円 / 年(3,980円×12ヶ月) |
内容 |
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ミニマムでは登録できるユーザーは3名までと決められていますが、ベーシックには制限がないという点に大きな違いがあります。4名以上のスタッフと共有する場合には、ベーシックを選ぶことが必要です。なお、ベーシックでも4名以上のユーザーが使用する際には、以下の追加料金が発生します。
- ●年払いの場合:300円/月
- ●月払いの場合:360円/月
それぞれのプランは30日間のお試し期間を設けています。30日間を過ぎると自動で無料プランに変わりますが、利用できる機能に大幅な制限があるため注意しましょう。
6.会計ソフトfreee(フリー)の評判
ここまで概要や料金などについて解説してきましたが、実際に使用するユーザーはfreeeに対してどのような感想を持っているのでしょうか。使いやすいポイントと改善してほしいポイント、それぞれの意見を紹介します。
使いやすいポイント①
口座連携による自動仕訳が便利
freeeは口座連携やクレジットカード連携の機能により、日々発生する取引を自動で取り込むことが可能です。AIによって自動で仕訳をしてくれるため、会計業務における手間が削減されます。
また、入力した情報に基づいてパターンを学習する機能も備えているため、継続して使うほど自動化しやすくなります。
使いやすいポイント②
会計業務の効率化
日々の取引を入力することで、決算に必要な業務の多くを完結させることが可能です。会計業務に費やしていた時間は、より重要な業務に使えるようになります。「freeeを導入してから、会計業務にかかる時間が大幅に削減された」という事例も少なくありません。
使いやすいポイント③
サポートが充実している
操作や会計業務において分からない点があった場合はチャットや電話などで相談することで、手厚くスピーディなサポートを得ることができます。
また、導入そのものに不安がある場合には、問い合わせを行うことで事業内容に応じた活用方法などの指導を受けることも可能です。自社に適したプランや利用方法などの提案を受けることができるため、必要に応じて利用するといいでしょう。
改善してほしいポイント①
自動取り込みに対応していない銀行がある
前述した通り、銀行口座の入出金データをAPI(他のシステムとのデータ送受信を可能とする機能)により自動で取得することが可能です。しかし、一部の銀行口座との連携には対応していないため、使用している銀行口座が連携に対応しているかどうかの確認が必要です。
改善してほしいポイント②
サポートの返答に時間がかかることがある
不明点が生じてチャットなどで質問をした場合には、営業時間内であればスピーディーに回答を得られます。しかし、時期や時間などによって返答に時間がかかるケースも存在します。「スタッフによって回答の質がまちまち」という意見も見受けられます。
7.まとめ
会計ソフトfreeeについて、概要やメリット・料金などを解説しました。使いやすさや効率性に配慮したfreeeはコストパフォーマンスが高く、企業の規模を問わず経営の味方となってくれるでしょう。
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この記事を書いた人
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。