電子証明書の取得方法とは?個人が取得できる具体的な方法を解説!
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2023.3.21 (火)Posted by 北森 雅雄
「電子証明書の取得方法とは?」
「電子証明書をオンライン上で取得できる?」
と疑問に感じていませんか。
1.電子証明書とは何か

電子証明書とは本人性を証明するためのものです。押印における印鑑証明書の電子版と考えると想像がしやすいでしょう。
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電子証明書とは本人性を証明するためのもの
電子証明書は電子的な証明書ですので、ICカードやファイルで提供されます。電子証明書が証明するのは、証明書の持ち主が本人であることです。したがって、第三者機関である「認証局」によって、電子証明書は発行され、信頼性が担保されています。
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主に電子署名に利用される
電子証明書の利用用途はいくつかありますが、代表的な利用方法は電子署名です。電子署名は電子署名法2条上で以下の定義に該当するものであると定義されています。
- ●本人の意思で付与したことを証明できること(本人性)
- ●署名後、改ざんされていないことを証明できること(非改ざん性)
この中で非改ざん性については、ハッシュ関数を利用することによって証明しています。では、本人性についてどのように証明するかというと、電子証明書を電子署名に紐づけることによって証明しているのです。
このように本人性と非改ざん性が証明された電子署名を電子文書に付与することで、民事訴訟法228条1項にあるような真正性を証明可能になります。
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取得することで様々な業務を効率化できる
電子証明書は電子署名以外にも例えば以下の業務に利用が可能です。総じて、書面で申請をするより、電子証明書を活用したオンライン上での申請をするととても簡単に申請ができます。
- ●商業登記や法人登記などの登記申請手続き
- ●e-taxを利用した確定申告手続き
- ●eLtaxを利用した地方税電子申告手続き
- ●社会保険・労働保険関係手続き
- ●特許のインターネット出願
- ●自動車保有関係のワンストップサービス
- ●総務省電波利用電子申請・届出サービス
- ●防衛装備庁電子入札開札システム
- ●オンラインによる支払い督促手続き
- ●府省共通の電子調達システム
- ●電子自治体における各種の申請・届出システム など
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電子証明書には有効期限があるため、どのような形式で利用するにしろ更新が必要
電子証明書には電子署名法施行規則6条4項上で5年間の有効期限が設定されています。したがって、5年以上電子証明書を利用するのであれば、電子証明書の更新手続きが必要です。
また、電子証明書が利用される場合、多くのサービスでは2-3年程度で有効期限が設定される場合も多いようですので、各サービスに設定された有効期限内に更新手続きを取るようにしてください。
最も身近で電子証明書を利用している代表例であるマイナンバーカードでは、電子証明書の発行日から5回目の誕生日までを有効期限として設定しています。
2.商業登記電子証明書のオンラインによる取得方法

電子証明書を取得する一例として、商業登記電子証明書の取得例をご紹介します。
電子証明書の取得は書面でも対応ができますが、オンラインによる取得の方がより手間いらずのためおすすめです。オンライン上で電子証明書を取得する流れは以下の通りです。
- ●事前準備
- ●電子証明書の事前取得
- ●申請ファイルの作成
- ●電子証明書の取得申請
- ●手数料の納付
- ●電子証明書のダウンロード
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事前準備
電子証明書を取得するにあたり、事前にインストールが必要なソフトがあります。以下のソフトを事前にインストールするようにしてください。
- ●申請用総合ソフト
- ●商業登記電子認証ソフト
申請用総合ソフト
登記・供託オンラインシステムを利用するために申請用総合ソフトの事前インストールが必要です。以下よりインストールしてください。
参照:申請用総合ソフトでの請求方法 | 登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと (moj.go.jp)
商業登記電子認証ソフト
商業登記電子証明書を取得申請するために商業登記電子認証ソフトの事前インストールが必要です。以下よりインストールしてください。
参照:法務省:「商業登記電子認証ソフト」のダウンロード (moj.go.jp)
なお、商業登記電子認証ソフトはWindowsOSにのみ対応している点に留意が必要です。appleOSには対応していません。
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電子証明書の事前取得
商業登記電子証明書の取得申請をオンライン上で実施する場合、取得者は電子署名を申請書情報および添付情報に付与する必要があるため、以下のいずれかの電子証明書を事前に準備しておく必要があります。
- ●商業登記電子証明書
- 公的個人認証サービス電子証明書
- ●特定認証業務電子証明書
上記は取得者本人による取得申請の場合ですが、代理人による取得申請の場合には申請情報および添付情報のいずれに対しても電子証明書が必要になる点に注意が必要です。
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申請ファイルの作成
インストールした「商業登記電子認証ソフト」上に必要項目を入力し、以下2ファイルを作成します。
- ●鍵ペアファイル
- ●証明書発行申請ファイル
必要項目とは以下の通りです。
- ●(1)商号又は名称、(3)本店又は主たる事務所、(4)被証明者の氏名、(6)被証明者の資格
- ●(7)電子証明書の有効期間
- ●(8)電子証明書の鍵長
- ●(9)鍵ペアファイルパスワード、鍵ペアファイルパスワード(確認用)
- ●(10)電子証明書の使用休止届出用暗証コード、電子証明書の使用休止届出用暗証コード(確認用)
- ●(11)証明書発行申請ファイルの保存先、鍵ペアファイル及び発行申請書・委任状ファイルの保存先
以下の項目については任意入力を求められます。
- ●(2)商号又は名称の表音・略称等、(5)被証明者の氏名の表音
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電子証明書の取得申請
インストールした申請書総合ソフト上に上述で取得した以下を添付し、電子署名したものを登記・供託オンライン申請システムに送付します。
- ●鍵ペアファイル
- ●証明書発行申請ファイル
代理人により取得申請をする場合、上記の申請の流れと異なりますので、代理人により申請をする場合には以下を参照ください。
参照:法務省:オンラインによる商業登記電子証明書の請求等について (moj.go.jp)
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手数料の納付
電子証明書の取得申請が完了後、電子証明書の有効期限に応じて手数料を納付する必要があります。有効期限に応じた手数料は以下の通りです。
証明機関 | 3か月 | 6か月 | 9か月 | 12か月 | 15か月 | 18か月 | 21か月 | 24か月 | 27か月15 |
手数料 | 1,300円 | 2.300円 | 3,300円 | 4,300円 | 5,300円 | 6,300円 | 7,300円 | 8,300円 | 9,300円 |
インターネットバンキングなどを利用してオンライン上でも手数料は納付できますので、ぜひご活用ください。
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電子証明書のダウンロード
一連の取得申請手続きが完了後、商業登記電子認証ソフト上から電子証明書をダウンロード可能です。電子証明書をダウンロード後、商業登記など各種行政手続きに電子証明書をご活用ください。
3.まとめ 電子証明書を取得して業務効率化をしよう

電子証明書は完全オンライン上で取得が可能です。また、商業登記などもオンライン上で申請が可能になっていますので、電子署名の電子化と合わせて、行政手続きの完全オンライン化を目指してみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。