• 2023.1.30 (月)
    Posted by 北森 雅雄

電子サインと電子署名、デジタル署名、電子印鑑との違い、電子サインの法的効力、無料で電子サインを作成する方法までの解説

「電子サインとは?」
「電子サインと電子署名、デジタル署名の違いが分かりづらい」
と考えている方も多いのではないでしょうか。

電子サインとは、電子取引の過程で実施される、署名や押印、本人確認などの代わりに行われる電子的なプロセス全般を指します。したがって、電子サインの中の一分類として、電子署名や電子印鑑などがある点に留意ください。

当記事では、電子サインと電子署名、デジタル署名、電子印鑑との違い、電子サインの法的効力、無料で電子サインを作成する方法までご紹介します。電子サインについて網羅的に理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。

.電子サインとは何か

AdobeStock_279784706.jpeg

冒頭でご紹介した通り、電子サインは電子取引上で行われるプロセス全般を指します。したがって、かなり広い概念であるといえるでしょう。とはいえ、以下の電子サイン同士は、細かな点で異なりますので、違いを解説します。

  • ●電子署名
  • ●デジタル署名
  • ●電子印鑑


電子署名との違い

電子署名は電子サインの一部と考えることができます。そもそも、電子署名とは電子署名法2条で定義された以下要件を満たす電磁的な署名です。

  • ●本人性(本人によって署名されたことを証明できる)
  • ●非改ざん性(署名されたあと改ざんされていないことを証明できる)

この電子署名が付与されていることで、民事訴訟法228条に記載されているような真正性を電子文書に対して証明できるようになります。つまり、電子署名が付与された電子文書であれば、裁判時に証拠として利用できるようになるのです。

一方で、電子サインとは、押印や署名などの代わりに電子取引上で行われる行為全般を指しますから、電子署名は電子サインの一部ともいえるでしょう。


デジタル署名との違い

デジタル署名は電子署名を実現する技術の一つとして整理ができます。そもそも、電子署名で求められる本人性や非改ざん性を実現するための方法は法律上で規定されていません。

なぜなら、各時代の中で最も適切な技術で法要件を満たすことを想定して法律が策定されているからです。とはいえ、現状、電子署名を実施するにあたって、よく利用される技術はあり、以下のような技術を利用して付与される電子署名をデジタル署名と呼んでいます。

  • ●公開鍵暗号基盤
  • ●電子証明書
  • ●ハッシュ関数

また、デジタル署名を利用した場合、文書に対して「誰が」、「何に」対して署名したか証明可能になりますが、「いつ」署名したかまでは証明できません。したがって、電子署名と一緒にタイムスタンプが付与されることが多いです。

一般的には上記の3つの技術に加えて、タイムスタンプを付与することをデジタル署名と故障する場合もあるようです。


デジタル印鑑との違い

デジタル印鑑も電子サインの一部として整理ができます。そもそも、デジタル印鑑とは、陰影画像を電子化して、電子文書に付与できるようにしたものです。

印影画像をそのまま電子文書に添付するタイプの電子印鑑の場合、法的効力はなく、相手方の印象を良くするためとして付与される場合が多いです。また、電子印鑑に識別情報を付与することも可能ですので、電子印鑑にどこまでの情報を付与するかは、企業によります。

したがって、電子印鑑は電子サインの一部と考えられるのです。

.電子サインの法的効力とは

電子サインには電子署名や電子印鑑など、幅広い概念が含まれますので、一概に法的効力があるとはいえません。


法的効力を持たせることも可能

電子サインの中でも、電子署名を利用すれば、電子署名法に基づいて電子文書に真正性を付与することができます。したがって、法的効力を持たせることができるのです。

一方で、印影画像を添付するだけの電子印鑑の場合、印影画像自体には何か効力があるわけではありませんから、法的効力を持たせるのは難しいでしょう。

したがって、電子サインを付与するからといって、必ずしも法的効力を与えることができるわけではない点に注意が必要です。


商習慣上の理由や社内承認時に利用する

電子印鑑など法的効力のない電子サインをなぜ、電子文書に付与するケースがあるのでしょうか。結論として、これまでの商習慣上の理由や社内における利便性の高さから電子印鑑を電子文書に付与するケースがあるようです。

電子印鑑を付与することで、以下の効果を見込むことが可能です。

  • ●電子文書(電子契約など)に電子印鑑が付与されていることで、信頼性に足る文書に見える
  • ●電子印鑑が付与されていることで、一目で締結済み、確認済みの文書であると理解できる など

つまり、相手方の感情論の問題であるのですが、感情論だからといって、電子印鑑を付与するメリットがないわけではありません。

なぜなら、電子文書を利用して商取引に慣れていないユーザも多いことから、彼らが安心して利用できる文書提供が重要になるからです。相手方が安心して電子文書を利用して、書面を廃棄していけるのであれば、電子印鑑を利用するメリットは十分あるでしょう。

.無料の電子サインの作り方

AdobeStock_316653406.jpeg

電子サインは無料で作成ができます。代表的な無料での作り方を以下について説明します。

  • ●作り方①:手書き署名の作り方
  • ●作り方②:電子印鑑の作り方
  • ●作り方③:電子署名の作り方

作り方①
手書き署名の作り方

タッチパッド等に手書きで署名をして、電子文書(PDF)に署名として登録することができます。クレジットカード購入をした際に手書きでサインした経験がある方も多いでしょう。タッチパッドの他、マウス操作によって署名するタイプもあります。

作り方②
電子印鑑の作り方

印影画像を電子文書に添付する電子印鑑の作り方2選をご紹介します。

Excelで作成する

Excel上に印影画像を添付して、押印のように編集することで電子印鑑を作成可能です。印影画像を丸いオブジェクトに挿入して、オブジェクトを赤くすれば、それらしい印影画像のできあがりです。

とはいえ、素人が電子印鑑をExcelで作成すると不自然さが残る場合が多いですので、ある程度質の高い電子印鑑を作成する場合には、専用ツールの利用をおすすめします。

無料ソフトを利用する

インターネット上には電子印鑑を無料で作成できる専用ツールが公開されています。例えば、以下の無料ツールが有名です。

  • ●おすすめ①:Excel電子印鑑
  • ●おすすめ②:電子印影
  • ●おすすめ③:クリックスタンパー
  • ●おすすめ④:パパッと電子印鑑Free

特に「Excel電子印鑑」はExcel上でアドインとして利用するソフトですので、Excelユーザであれば、利用がしやすいです。Excel上の任意セル上で右クリックをすれば、簡単に電子印鑑が作成できますので、電子印鑑の利用頻度が高い方はご検討ください。

作り方③
電子署名の作り方

電子文書に真正性を付与する電子署名も無料で作成ができます。代表的な作成方法をご紹介します。

AdobeAcrobatReaderで作成する

AdobeAcrobatReaderユーザであれば、無料でPDFファイルに電子署名を付与できます。以下の2段階を経ることで電子署名が可能です。

  • ●段階①:デジタルIDの作成
  • ●段階②:電子署名の付与

ただし、電子証明書の取得には費用と手間がかかる場合もありますので、注意が必要です。マイナンバーカードに付与された電子署名を利用する手段もありますので、完全に無料で電子署名を付与する場合にはマイナンバーカードの利用もご検討ください。

無料の専用ソフトを利用する

一部の電子契約サービスや電子署名サービスはユーザ数や付与可能な電子文書数に制限があるものの、無料で電子署名を付与可能です。

例えば、「クラウドサイン」などは、試用プランであれば、無料利用ができるプランもありますので、一度利用してみるとよいでしょう。

.まとめ 法的効力が不要であれば電子サインを利用しよう

電子サインは幅広い概念であり、法的効力がある電子署名も法的効力のない電子印鑑も定義に含まれます。法的効力の有無は付与する電子文書の特徴によりますので、電子文書の特徴に応じて使い分けが必要です。

法的効力のある電子署名を付与する際、無料ツールを利用していると、付与のための工数がかかりすぎる点に課題がある場合があります。

その場合には、有料の専用ツールをぜひご検討ください。電子署名を効率的に付与できるだけでなく、業務自体を効率化することが可能です。

NTT東日本では電子署名にも対応した「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」を提供しています。ぜひ検討の1つの選択肢としていただければ幸いです。

  • 電子契約ならサービスとサポートをセットに!
    電子契約 無料体験申込フォーム

    NTT東日本では、電子契約をはじめとして、バックオフィス業務効率化サービスを無料体験できるメニューを提供しています。

    実際に、操作画面をみながら、導入の相談をできますので、お気軽にお問い合わせください!

この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori

ページの先頭へ

おまかせ はたラクサポートのトップに戻る

ページ上部へ戻る