DSR(デジタルセールスルーム)とは? 営業DXを加速させる新しい営業支援ツール
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2025.2.26 (水)Posted by 北森雅雄(kitamori masao)
近年、企業のDX推進が加速する中、営業活動のデジタル化も重要なテーマとなっています。
本記事では、新しい営業支援ツールとして注目を集める「DSR(デジタルセールスルーム)」について、その概要や特徴、活用メリットをご紹介します。
目次:
1.DSRとは:営業とお客さまをつなぐデジタルプラットフォーム
DSR(デジタルセールスルーム)は、従来のSFA(営業支援システム)の進化形として位置づけられる新しい営業支援ツールです。SalesforceをはじめとするSFAが営業側の業務効率化に主眼を置いていたのに対し、DSRは「営業側」と「お客さま側」の双方向のコミュニケーションを促進するプラットフォームとして機能します。
出展:DSRとは何か?
2.なぜ今DSRが注目されているのか?

デジタル化が進む現代のビジネス環境において、従来の御用聞きの営業ヒアリングだけでは十分な成果を上げることが難しくなっています。
DSRがなぜ求められているかの理由は以下の3つです。
1
企業間取引の複雑化
現代の企業間取引では、製品・サービスの導入に際して多くのステークホルダーの承認が必要となっています。
お客さまは、社内のさまざまな部門や意思決定者に対して提案内容を説明し、合意を得る必要があります。
2
お客さまの課題解決
DSRは、単なる営業資料の共有ツールではありません。お客さまが社内説明や稟議を円滑に進められるよう、必要な情報やリソースを体系的に提供する「提案活用支援ツール」としての役割を果たします。
3
データドリブンな営業活動の実現
DSRを活用することで、提案内容への反応や各ステークホルダーの関心度など、従来は把握が難しかった商談プロセスのデータを収集・分析することが可能になります。
3.DSRの主な特徴と効果

従来の営業活動では、商談の記録や提案資料の共有、お客さまの反応の把握など、多くの作業が個々の営業担当者の力量に依存していました。
DSRは、これらの課題を包括的に解決し、組織全体で効率的な営業活動を実現する機能を備えています。
特に、情報共有の質の向上、コミュニケーションの双方向性、そして商談プロセスの可視化という3つの側面で、大きな効果を発揮します。
1
充実した情報共有
DSRを活用することで、メールや共有フォルダだけでは実現できない網羅的な資料共有が可能です。
- ●従来のSFAでは記録できなかった詳細な商談内容や、お客さまとの深い対話の内容を網羅的に管理
- ●お客さまの課題や要望、検討状況など、より豊富な定性情報を一元管理
- ●提案書や製品資料、導入事例、ディスカッションの履歴など、必要な情報を体系的に整理
- ●お客さまの業界特性や組織構造に関する深い理解を記録・共有可能
2
双方向のコミュニケーション
お客さまとのシームレスなコミュニケーションを実現することができます。主なポイントは以下の通りです。
- ●お客さまの反応や要望をリアルタイムで把握
- ●提案内容を柔軟に改善・カスタマイズ
- ●社内説明用の資料作成をサポート
3
商談プロセスの可視化
営業がお客さまと商談した最中の可視化しにくい部分の定性情報を把握することができます。
- ●各ステークホルダーの閲覧状況や関心事項を把握
- ●商談のステータスをデータベース化
- ●効果的なフォローアップのタイミングを特定
4.DSR導入時の重要な確認ポイント
営業DXの成否を左右するDSRの導入において、ツールの選定は極めて重要な判断となります。
実際の導入事例から、DSRの本格展開に失敗するケースの多くは、導入前の検証が不十分であることに起因しています。
特に、単なる資料共有の仕組みとしてDSRを導入してしまい、期待した効果が得られないというケースが散見されます。
そこで、DSRの導入を成功に導くために、以下の3つの観点から十分な検証が必要です。
これらの確認ポイントは、実際の運用フェーズで直面する課題を事前に把握し、適切な対策を講じるために重要な指標となります。
1
コンテンツ管理機能の充実度
単なるテキストメモ機能ではなく、本格的なCMS(コンテンツ管理システム)機能を備えているかどうかは、DSR選定における重要なポイントです。その理由として、
- ●商談履歴や提案内容の構造化された記録が必要
- ●お客さまとの認識合わせを正確に行うための議事録管理が重要
- ●コンテンツの版管理や承認フローの実装が不可欠
- ●マルチメディアコンテンツ(画像、動画、文書)の効果的な管理が必要
これらの要件を満たすCMS機能がないと、長期的なお客さまとのコミュニケーション品質を維持することが困難になります。
2
導入実績と効果検証
DSRは比較的新しい製品カテゴリーであるため、実績のある企業での導入事例を確認することが重要です。
- ●大手企業での本格導入実績の有無
- ●確立された営業組織での運用実績
- ●具体的な成果指標(受注率向上、商談期間短縮など)
- ●運用定着までのプロセスと課題解決事例
特に、組織的な営業活動が確立している大手企業での成功事例は、ツールの信頼性を示す重要な指標となります。
3
アクセシビリティとセキュリティの両立
お客さまの利用のしやすさは、DSRの効果を大きく左右する要素です。
- ●追加のログイン操作を極小化した設計
- ●セキュアな情報共有の仕組み
- ●プライバシー情報の適切な保護と管理
特に、セキュリティを確保しながら、お客さまの利用ハードルを下げる工夫が重要です。
5.効果的な営業DXの実現に向けて
DSRは主に社外とのコミュニケーションを効率化する一方で、営業部門内での案件管理やパイプライン管理も重要です。そこで注目したいのが、シンプルで使いやすい社内向けの案件管理ツール「kintone」です。
kintoneは、直感的な操作性と柔軟なカスタマイズ性を備えた国産のビジネスアプリプラットフォームです。DSRと組み合わせることで、以下のような効果的な営業DXを実現できます。
- ●DSR:お客さまとの対外的なコミュニケーションプラットフォーム
- ●kintone:社内の案件管理・パイプライン管理プラットフォーム
この2つのツールを適材適所で活用することで、営業活動の内部管理と外部コミュニケーションの両面でデジタル化を推進できます。特にkintoneは、カスタマイズ性が高く、各企業の営業プロセスに合わせた柔軟な案件管理が可能です。
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6.まとめ
DSRは、従来の営業支援ツールの枠を超え、お客さまの課題解決も支援する新しいデジタルプラットフォームです。社外向けのDSRと社内向けのkintoneを組み合わせることで、より効果的な営業DXを実現できます。NTT東日本では、お客さまの営業DXを支援するソリューションとして、kintoneの導入支援サービスを提供しています。
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この記事を書いた人
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。