AI(人工知能)とロボットを組み合わせるメリット5選!それぞれの違いと活用事例を紹介

  • 2024.11.06 (水)
    Posted by NTT東日本

AI(人工知能)とロボットを組み合わせるメリット5選!それぞれの違いと活用事例を紹介

ロボットやAIの導入により、企業課題を解決できないかと考えている方は多いのではないでしょうか。近年、ロボットやAIの発展は著しく、企業から一般家庭に至るまで役立つ存在になりつつあります。

しかし、企業へ導入するにはロボットやAIの役割を理解し、人と分業する部分の正しい認識が必要です。そこで今回の記事では、ロボットとAIの違いや活用の事例・メリットについてわかりやすく説明します。

記事後半では、AI技術に不可欠な高速大容量通信を安定して利用できる「ローカル5G」も紹介しております。ロボットやAIを自社への導入を検討されている担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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1.ロボットとAI(人工知能)の違いは学習機能と自己判断


ロボットとAIはよく混同されますが、明確な違いがあります。大きな違いは、以下の表のとおりです。

ロボット AI
実体 ハードウェア ソフトウェア
処理行動 単一のタスク行動 学習行動
処理形式 システム アルゴリズム

ロボットにはハードウェアがある一方で、AIはソフトウェアの形で存在しています。そのため、ロボットには物理的作業が行えて、AIには場所に捉われず利用できる点が大きな違いです。

また、ロボットは人間が入力したデータに基づいて単一のタスクを実行するように設計されています。一方でAIは、蓄積されたデータを組み合わせて処理を行っており、新たにデータが加わることでさらに複雑なタスクを処理できます。

動作面での違いは、ロボットは事前にプログラムされた制御システムに依存して処理を行う一方で、AIは学習アルゴリズムに基づいてデータ処理を行う点です。

2.AIを搭載したロボットが開発されている

ロボットには、AIではできない物理作業が可能です。得意領域が異なるロボットとAIですが、2つを組み合わせることで実行できる範囲が格段に広がります。

AIを搭載したロボットの代表例として、以下の2つが挙げられます。

  • ドローン
  • AIカメラ

ドローンはAIを搭載したロボットの1つです。AIシステムによりバランスを制御することで安定的な飛行を実現しています。AIカメラにはコンピューター・ビジョンが搭載されており、映像から特定の人物を見つけ出すことで防犯カメラとして活用が可能です。
このように、単一行動を実現するハードであるロボットとデータから学習・実行を行うソフトウェアのAIの組み合わせによって、より一層人間に近い行動を取れることが期待できます。

3.AI搭載ロボット導入のメリット5選

AIを搭載したロボットは、ドローンやAIカメラのようにビジネスから日常まで、各方面での活躍が期待できます。この章では、AI搭載ロボットを導入した際にどのようなメリットが得られるのかを5つ紹介します。

業務生産性の向上

単純作業であっても、人間が行っていると思考や作業のペースが徐々に落ちていきます。しかし、ロボットは疲れることも集中力が落ちることもないため、人がこなすよりも安定した成果が担保できます。

また、人によってはスキルが違ったり体調でパフォーマンスが落ちたりするでしょう。一方で、AI搭載ロボットの場合はパフォーマンスを平準化できるため、業務生産性の向上が期待できます。

人手不足の解消

近年、少子化が進み労働人口が少なくなっています。特に、いわゆる3K(「きつい」「汚い」「危険」)と呼ばれる職業は人手不足が顕著です。しかし、AI搭載ロボットであれば、過酷な労働環境下であっても問題なく稼働できます。

また、簡易的な問い合わせであればチャットボットなどによるオンライン接客も可能であり、AI搭載ロボットの導入により人手不足の解消が期待されています。

IoTとの連携による実行パターンの多様化

ロボットは、プログラムされた単一作業を得意としています。IoTと連携することで、ロボットから収集された情報をAIが分析・学習して判断と行動の幅を広げることが可能です。代表例として、工場内での生産ラインの監視や自動車の安全運転支援などが挙げられます。

工場内での生産ラインの監視では、IoTデバイスから取得したデータを解析し、異常な状態を検知してロボットが自動的にアラートを発信します。結果として、工場内の生産ラインの安全性や生産性を向上できるでしょう。

自動車の安全運転支援では、車に搭載されたIoTデバイスが車の状態や周囲の環境を監視し、危険な状況を検知するとロボットによって自動的にブレーキがかかるようになっています。このように、ロボットとIoTを連携することで、実行できるパターンの多様化が可能です。

高速かつ高精度な分析

ロボット・AIとIoTを連携することで、高速かつ高精度な分析を実現します。従来のデータ分析では、収集したデータを基に指標や方法を考えて、エクセル等の表計算ツールにより人的リソースを割いて行っていました。しかし、AIでは多様なパターンの中から最適な手法により、大量のデータを瞬時に分析することができ、その結果をもとに予測も可能となります。

また、人が行う作業では、作業者の体調や注意力に左右される部分があります。一方でプログラムであるAIにはこのようなリスクはないため、高精度な分析結果を得られる可能性が高いです。

市場ニーズの把握

市場ニーズを図るには、市場調査や施策の結果などを基に膨大な量の判断が必要です。従来は目検でデータを一つひとつ分析し、市場ニーズの解像度を上げていました。

しかし、人の手によるニーズの把握は、リソース不足と人的ミスが懸念されています。そこで、AI搭載ロボットによる分析が効果的です。AI搭載ロボットは、人工知能による高度な処理能力を備えているため、多様なデータを分析できます。また、人的ミスを排除した迅速な分析により、市場ニーズを正確に把握できます

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4.【産業分野別】AI・ロボットの活用事例

AI・ロボットを導入することにより、さまざまなメリットを受けられます。AIによる分析・学習とロボットによる物理処理を組み合わせることで、幅広い分野での活用が期待できます。

この章では、産業分野別にAI・ロボットの具体的な活用事例について紹介します。自社で活用する際に、参考にしてください。

製造業

AI・ロボットにより代替できる製造業の業務は以下のとおりです。

  • 品質検査や組立
  • 運搬作業
  • 在庫管理

AIによるデータ分析により、生産ラインの効率的な管理や予知保全に役立ち、一定の品質を担保して生産を行えます。また、AIによる需要予測に基づいた在庫管理システムにより、不必要な在庫を抑えて在庫コストの軽減やリードタイムの短縮が実現されます。

物流業

物流業では、倉庫内で作業が行われており、作業員一人ひとりの業務量や配置を正確に把握することが難しい状況です。そこで、AIと高精細カメラを活用することで従来の課題を解決することができます。

物流倉庫内に高精細カメラを設置し、AIを活用することで人物の検知・特定ができます。この機能により、作業員一人ひとりの作業進捗の把握や人員配置の適正化が可能です。

また、業務量や作業の生産性に関するデータの取得・蓄積が可能となり、作業効率の向上や今後の省人化への投資を判断していくための重要なデータとしても活用できます。

ただし、高精細カメラの映像データを伝送するため、通信量が大きくなります。そこで、ローカル5Gの安定した高速大容量の通信を活用することによって、AI・高精細カメラを効果的な利用が可能です。

■物流におけるローカル5G×AI活用事例について詳細に知りたい方はこちら
スマート物流の実現に向けた、ローカル5G×AI分析による物流倉庫内の動態把握

農業

農業の領域では、田植え機や耕運機、コンバインの導入により、手作業のみで行っていた時代と比べて、遥かに効率化しました。しかし、人手不足の問題は解消されておらず、農家を経営する世帯は年々減少しています。

参照元:「農林水産省|経営体に関する統計」(https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/07.html)

人手が足りず、農作物の病害の事前防止や熟度の判断が遅れることが懸念されます。そこで、ロボットとローカル5Gの導入により、人手不足に伴う問題が解消しました。

ロボットに搭載している4Kカメラで取得した高精細な映像をリアルタイム伝送し、AI分析することで収穫適期のいちごの数量を把握できます。また、ビニールハウス内の農作物の余り状況や観光客の密状況を把握できるため、効率的な誘導が可能です。これらの技術は、ローカル5Gを用いた安定・高速通信環境を介した大容量データの伝送伝搬により実現できています。

AI・ロボット導入で、病害の早期発見や熟度適期を把握した来園者誘導による生産性の向上や就農負担の軽減、収益拡大等が期待できます。

■農業におけるローカル5G×AI活用事例について詳細に知りたい方はこちら
 └自立走行型ロボットを活用した農業現場の見える化
 └R3年度総務省実証事業 「新型コロナからの経済復興に向けたローカル5Gを活用したイチゴ栽培の知能化・自動化の実現」

医療

AI・ロボットが活用されている医療の領域は、以下のとおりです。

  • 患者の診断
  • 治療支援
  • リハビリ支援
  • 手術支援

人間に比べて正確で細かい動きができるため、医師の経験不足といった課題の解消が期待できます。患者の診断支援では、AI搭載ロボットが画像診断や診断書の作成などを行うことにより、医師の診断精度や効率性を高めます。

また、AIが過去の症例から学習をするため、より正確な診断が支援できるようになるでしょう。手術支援では、AI搭載ロボットが手術に必要な器具の操作や手術領域の可視化等を行うことで、手術の精度や安全性を向上させます。

リハビリ支援では、AI搭載の歩行支援ロボットが歩行の支援を行うことで、より効果的なリハビリテーションを実現しています。医療においてもAI搭載ロボットの活用事例は多岐にわたっており、今後も医療現場において活躍していくでしょう。

介護

介護におけるAI搭載ロボットの活用事例として、排泄の予兆を感知してトイレへ促す排泄支援ロボットや見守りロボットの活用があります。

見守りロボットのメリットは、異常な行動がないかをAIが見守り、非常事態に備えることができる点です。見守りロボットは、高齢者や乳幼児と安心して暮らすために活用されています。

AI搭載ロボットの中には、身体の動きに合わせて介助するロボットもあるため、介護職員は体力的な負担を軽減することにつながります。

5.AI・ロボットの活用には「ローカル5G」が有効

AI・ロボットを効果的に利用するにあたっては、高速大容量・低遅延の安定通信を可能とする「ローカル5G」の活用が有効です。

ローカル5Gとは、「高速大容量(10Gbps)」、「超低遅延(1ミリ秒程度の遅延)」、「多数同時接続(100万台/k㎡の接続機器数)」といった特徴をもつ「第5世代移動通信システム」を企業や自治体が携帯通信キャリアに依存せずに、自社の敷地に自ら構築・運用できる、独自の5Gネットワークを指します。ローカル5Gを利用することで、4K等の高精細映像の安定した伝送を実現し、AIの精度向上を実現します。またロボットが使用するカメラやセンサーから得られるデータの安定伝送や、リアルタイムでの遠隔制御を実現します。

通信環境が整備されていないと、AI・ロボットの活用効果を最大限に引き出せないことがあります。特に、医療現場や介護現場でのミスは人命にかかわる場合もあるため注意が必要です。

AI・ロボットの導入で悩んでいる企業の方は、高速通信環境である「ローカル5G」の導入をご検討ください。

■ローカル5Gの導入事例を知りたい方はこちら
LOCAL 5G Web | NTT東日本『ケーススタディ』

6.AI・ロボットを導入して業務効率を加速させる

AI・ロボットは、さまざまな産業で活用がされています。AI・ロボットを導入することで、生産性の向上や人手不足の解消といったメリットがあります。

また、大容量かつ高速通信を要するロボット・AIを最大限活用するためにも、ローカル5Gのような高速大容量・低遅延通信の安定利用を実現するローカル5Gサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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