士業に適したオンラインストレージは?機密情報を守る選び方や注意点
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2023.2.28 (火)Posted by コワークストレージ窓口
「事務所にオンラインストレージを導入したいけど、他の士業の人はなにを使っているの?」
「士業でオンラインストレージを導入する場合、どのように選べばいい?」
士業として働く人の中には、このようにお悩みの人もいるでしょう。
士業は機密性の高い書類を扱うことが多いため、オンラインストレージを活用することに不安を感じ、紙ベースでの書類保管を続けているケースもあるのではないでしょうか。
紙での書類保管は管理の手間や紛失などのデメリットがあり、外出先やリモートワークで書類を閲覧・編集できないなど、業務が非効率になる原因にもなります。
また、パソコン上で保存している場合も、データの破損やパソコン自体の故障などで大切なデータを閲覧できなくなる可能性があるのです。
オンラインストレージを活用することで、それらのリスクやデメリットを解消することができます。
しかし、機密性の高いデータを扱う士業だからこそ、オンラインストレージの選定には慎重にならなくてはなりません。選び方を間違えた場合、守秘義務に反してしまう可能性もあります。
そこで、本記事では以下の内容を詳しく解説しています。
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この記事を読むことで、士業ならではのオンラインストレージの導入方法がわかり、トラブルなくスムーズに導入できます。
また、オンラインストレージをどのように選定すべきなのかも紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
1.士業でオンラインストレージを活用すべき6つの理由
オンラインストレージを導入すべきかを迷っているという人もいるでしょう。導入することで、以下のようなことができるようになります。
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導入を判断するためにも、これらのメリットについて詳しく解説していきます。
1-1.ファイルの共有ができる
オンラインストレージを活用することで、事務所内や遠方の事務所同士での共有や、自分が使用する複数の端末でも簡単にファイルを共有できます。
遠方の事務所同士でやり取りする場合、メールやチャットツールなどでファイルを送り合う必要があります。気を付けなければならないのが「送り先の間違い」です。機密情報を誤って本来送るべき相手以外に送信してしまうと、情報漏えいになってしまいます。
オンラインストレージはアクセス権限を設定できるため、間違った相手に共有しても、相手はアクセスできません。そのため、情報漏えいのリスクをなくすことが可能です。
そのほか、メールでは一度にまとめて送れない大容量のファイルの共有や、外出先からのファイルへのアクセスもできます。
事務所からメールでファイルを送ってもらうといったことを、する必要がなくなるでしょう。
1-2.データのバックアップができる
パソコンやHDD・SSDにデータを保存しておくと、以下のようなリスクがあります。
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オンラインストレージにデータを保存しておけば、パソコン自体に不具合や故障があっても別の端末でログインすれば、データにアクセスすることが可能です。
パソコン上に保存しているデータのバックアップ用として、オンラインストレージを活用する人もいます。
また、盗難や紛失の場合も遠隔でログアウトが可能で、誰かにアクセスされてしまうことも防ぐことができるため、万が一の際のセキュリティ面でも役立つでしょう。
1-3.大容量のデータを保存できる
オンラインストレージを活用すると、パソコンのストレージを気にせずファイルを保存することが可能です。
パソコン上にデータを保存していると、パソコンのストレージ容量が増えていきます。日々の業務で新たなファイルが追加されていくと、ストレージ容量が不足してパソコンの動作が重くなる・フリーズするなどの不具合が起こりやすくなります。
士業の場合は、膨大な量がある資料のデータを大量に扱うことが多いため、パソコンへの保存だけでは限界があるでしょう。
オンラインストレージを活用して、容量を気にせず保存できるようにしておきましょう。
1-4.場所を選ばず業務ができる
オンラインストレージはログインすればどこにいてもファイルにアクセスすることが可能です。
外出先でもデータを作成・編集できるため、外出先から事務所に戻らず仕事をすることもできます。
また、自宅からもデータにアクセスできることで、リモートワークを行う際にも役立ちます。
1-5.必要な書類を即座に見つけられるようになる
オンラインストレージを活用すると、必要な書類データを見つけやすくなります。
書類を紙ベースでファイリングしていたりパソコン上に保存していたりすると、書類がどこにあるのかわからず、探す時間を取られてしまうこともあるでしょう。
オンラインストレージは検索機能が付いており、ファイル名だけでなく、ファイルの内容などさまざまな方法で検索することが可能です。ファイル名が思い出せない場合も検索することができ、必要なファイルを素早く見つけられます。
1-6.紙ベースの書類のように保管・管理の手間がなくなる
紙ベースで保管しなければならない書類以外をオンラインストレージで管理すれば、保管スペースを最小限に抑えられます。
紙ベースで書類を保管していると、ファイルが増え続けて保管スペースが足りなくなる可能性があります。また、過去の書類を書類保管箱にしまって保存している場合、閲覧したい書類があった場合に探すのに苦労するでしょう。
オンラインストレージを活用すれば、ファイリングや書類保管箱の管理などの手間も軽減できます。紙・インク・ファイルなどの消耗品代も節約することが可能です。
2.士業でオンラインストレージを導入する場合の4つの選び方
オンラインストレージを活用するメリットを紹介しましたが、士業の場合は使用するオンラインストレージの選び方に気を付ける必要があります。
具体的には、以下のようなポイントに注目して選びましょう。
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では、選び方について詳しく解説していきます。
2-1.セキュリティが強固か
士業で扱うファイルは、非常に機密性が高いものが多いという特徴があります。そのため、強固なセキュリティのオンラインストレージであることがもっとも大切な選定ポイントと言えるでしょう。
セキュリティレベルが低いと、外部からサイバー攻撃を受けてハッキングやマルウェア感染などの被害を受ける可能性があります。データの流出や紛失にも繋がりますので、セキュリティレベルは必ず確認しましょう。
また、アップロードするファイルの機密性が高いため、オンラインストレージ自体の守秘義務が保証されているかも重要です。利用規約をチェックするか、カスタマーサービスに問い合わせて確認しましょう。
2-2.検索性が高いか
士業では、数多くの書類を取り扱うケースが多いでしょう。膨大な書類データの中から時間をかけずに必要なものを見つけ出すには、検索性の高さが重要です。
検索機能に全文検索があれば、ファイル内のキーワードで検索することが可能です。
また、手書きの書類やFAXなどをスキャナーなどで読み込んでデジタル化できるOCRという機能があれば、PDFファイルも全文検索できるようになります。
士業の場合はデータを印刷して印鑑を手で押さなければならないケースもあるでしょう。そのような場合でも、簡単に印刷できるかどうかも重要になるでしょう。
2-3.巻き戻し機能があるか
巻き戻し機能とは、編集・削除したデータを以前のバージョンに復元する機能です。
大切なデータを誤って変更・削除してしまった場合でも、巻き戻し機能があればデータを取り戻すことができます。
たとえば、編集してはいけない資料に手を加えてしまった場合、オンラインストレージで決められた期間内であれば、編集前の状態に戻すことが可能です。巻き戻しできる期間は、オンラインストレージごとに異なります。
機密性が高く重要なデータを扱うことが多い士業だからこそ、巻き戻し機能は重要な機能と言えるでしょう。
2-4.アクセス権限が細かく設定できるか
オンラインストレージを活用する上で、安全にデータを扱うためにはアクセス権限の設定をする必要があります。
アクセス権限を設定できないと、本来アクセスすべきではない人員が機密情報にアクセスしてしまい、情報漏えいに繋がる可能性があります。適切にデータを管理するためには、アクセス権限の設定が重要なのです。
また、アクセス権限を細かく設定できるオンラインストレージは、顧客や取引先など外部とのデータ共有も可能になります。
アクセス権限がどこまでできるオンラインストレージなのかを、事前に確認しましょう。
3.士業におすすめのオンラインストレージ比較一覧
士業が使用するオンラインストレージの選び方について解説しましたが、オンラインストレージサービスは数多くあり、絞りきれないという人もいるでしょう。
そこで、おすすめのオンラインストレージをまとめてみました。
士業でも安心して利用できる、セキュリティが強固なオンラインストレージは以下の4種類 です。
特徴
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価格
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605円~/1人あたり | |
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33,000円~/ユーザー数無制限 | |
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従量制料金 | |
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2,750円/5人 (1名あたり550円) |
では、これらのオンラインストレージに関して詳しく見ていきましょう。
3-1.BOX
BOXはアメリカで設立され、日本国内でも1万社以上の導入実績を誇るファイル共有サービスです。
※ご利用にはインターネット接続環境が必要です。 ※本記事に記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。 |
■POINT1.ストレージ容量無制限
Businessプラン以上の場合は、ストレージ容量が無制限なため、気にせずどんどんファイルをアップロードできます。
■POINT2.強固なセキュリティ
セキュリティ面においても定評があり、すべてのファイルはAES256ビット暗号化されます。これは、実質的にほぼ侵入不可能な対象暗号化アルゴリズム であるため、さまざまな脅威からデータを守ります。
■POINT3.柔軟なアクセス権限
最大7段階までアクセス権限の設定が可能なため、ファイルを適切に保管することが可能です。
3-2.DirectCloud-BOX
DirectCloud-BOXは、利用ユーザー数の制限がない従業員が多い企業向けクラウドサービスです。
※ご利用にはインターネット接続環境が必要です。 ※本記事に記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。 |
■POINT1.大人数の企業向け
料金は33,000円〜なため少人数で利用するには高額ですが、利用人数が増えるほどコスパがいいクラウドストレージと言えます。
■POINT2.管理者の負担軽減
DirectCloud-Boxは、大人数が利用することを前提としているクラウドストレージであるため、管理者のユーザーID管理やストレージ管理といった管理の手間を軽減する機能が多数搭載されているという特徴があります。
■POINT3.強固なセキュリティ
セキュリティ面においても、不正アクセスの監視サービスや通信経路・保存データの暗号化が可能です。
パスワードを規定回数以上間違えるとアカウントをロックさせたり、アクセス制限以外にデバイス認証やネットワーク制限を設定したりすることもできます。
3-3.AWS
AWSは元々Amazonがインフラを整備するために作った自社サービスです。他社に向けてクラウドサービスとして展開し、世界でもっとも多く利用されています。
※ご利用にはインターネット接続環境が必要です。 ※本記事に記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。 |
■POINT1.拡張性に優れている
AWSの大きな特徴は、200を超えるサービスを組み合わせられるという点です。ストレージだけでなく、システム運用やアプリ開発といったさまざまなサービスがあり、拡張性に優れています。
■POINT2.政府機関にも採用されるセキュリティレベル
セキュリティ面では、機密情報を多く取り扱う政府や金融機関が利用しているほど、高いセキュリティレベルです。
■POINT3.従量課金制
AWSは個別のサービスや料金プランによって異なり、基本的に従量課金制を採用しています。例えば、ストレージサービスである「S3」では、利用したデータ容量に応じて課金されます。
そのため、利用状況に応じて請求金額が変動するのでコストには注意が必要です。
3-4.コワークストレージ
コワークストレージはNTT東日本が提供する、日本製のクラウドストレージです。中小企業のために作られており、使いやすさやセキュリティにこだわっています。
※画像はイメージです。
※ご利用にはインターネット接続環境が必要です。
※本記事に記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
■POINT1.使いやすさ
※画像はイメージです。
コワークストレージは社内のファイルサーバーと同じように操作でき、ITツールが苦手な人でもすぐに使いこなせます。
社外からは、Webブラウザからログインするだけでアクセスできるため、営業先やリモートワークでも簡単に利用可能です。
■POINT2.十分な機能性
※画像はイメージです。
ツールを活用する場合、多機能すぎると使いこなせなかったり操作が複雑になったりすることが多々あります。しかし、十分な機能がなければ導入しても効果的に使えません。
コワークストレージは、中小企業が活用する場合に十分な機能を搭載しており、多機能すぎないシンプルさも使いやすさの秘訣です。
柔軟なアクセス権限の設定ができ、管理統制がしっかり行えます。また、社内共有・個人利用・外部共有の3つの目的別でフォルダを使い分けることも可能です。
外部共有の場合は、相手がコワークストレージを使用していなくても閲覧できます。
■POINT3.強固なセキュリティ
コワークストレージは、セキュリティにおいても高水準であるため、安心してお使いいただけます。
セキュリティやデータの保護は、以下のように行われます。
世界最高水準の暗号化技術
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・クレジットカード業界のグローバルセキュリティ基準である「PCI DSS」の最新規定に準拠 ・世界最高水準の暗号化技術でデータの機密性を保護 ・暗号化は自動で実行 |
セキュリティを強化する認証機能
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・SMS・Microsoft/Googleのアプリによる2段階認証が利用可 ・契約回線からしかアクセスできない回線認証機 |
データの自動複製とバックアップ
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・すべての保存データを複数のデータセンターに複製 ・ファイルの更新時には自動でバックアップ |
このように、さまざまな角度から大切なデータを守るため、機密性の高いデータも安全にアップロードすることが可能です。
30日間の無料トライアルで、ぜひコワークストレージの使用感をお確かめください。
4.士業がオンラインストレージを導入する際にやるべきこと3つ
オンラインストレージを導入する場合、失敗を防ぐためにも事前に以下のことを実施しておきましょう。
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では、それぞれの手順について詳しく解説していきます。
4-1.オンラインストレージの使用ルールを設ける
オンラインストレージには、プランによって容量に制限があるものと無制限のものがあります。制限があるオンラインストレージを選ぶ場合は、使用ルールをはっきりさせておきましょう。
もしも容量がいっぱいになってしまうと、ストレージを整理しなくてはならなくなります。しかし、自分以外の人が保存しているファイルを勝手に削除することはできないため、ストレージを活用している人全員が整理に時間を割かなければなりません。
そのような自体に陥らないためにも、オンラインストレージに保存するデータを決める、定期的に削除するなど、オンラインストレージの使用ルールを設けておくことが大切です。
4-2.紙ベースの書類をデータ化する
オンラインストレージを導入する場合、紙ベースで保存している書類をすべてデータ化する必要があります。
紙ベースでの保存を基本としている場合、かなりの量をスキャンすることになるため、オンラインストレージの導入を妨げるポイントとも言えます。ここで躓くといつまでもデジタルシフトはできないため、時間をしっかり確保して行っていきましょう。
一度で済ませるのが難しいケースも、多いかと思います。その場合、書類の種類ごとに日を分けて徐々にデジタル化を進めてください。事務所内でやり取りするデータなどもオンラインストレージに保存しておきましょう。
また、紙ベースでも保存が必要な書類もあるでしょう。どの書類は紙での保存が必要かを事前にリストアップしておくと、混乱を防げます。
もしも書類をスキャンする時間が確保できない場合は、外部に委託することも可能です。 その場合は「5-2.データのPDF化を外部委託する場合は委託先を慎重に選ぶ必要がある」でも説明しますが、機密書類を預けることになるため、業者を慎重に選ぶ必要があります。
業者の選び方は「 5-2.データのPDF化を外部委託する場合は委託先を慎重に選ぶ必要がある」を参考にしてください。 |
4-3.導入したらすぐに研修を行う
事務所が複数ある場合、オンラインストレージを浸透させやすくするためにも各事務所の代表者に研修を行います。
機能の使い方やルールを覚えてもらい、各事務所で代表者から他の従業員に研修内容を伝えてもらいましょう。
使い方を覚えてもらうことで、ストレスなく使い始めることができるでしょう。
5.士業がオンラインストレージを導入する際の注意点2つ
士業がオンラインストレージを導入する場合、以下の2つに注意しましょう。
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では、これらの注意点について詳しく解説していきます。
5-1.守秘義務が担保されていないオンラインストレージは使用できない
前述した通り、士業は機密性の高いデータをアップロードする必要があります。
弁護士などは、守秘義務が担保されていないオンラインストレージにそれらのデータをアップロードすること自体、守秘義務に反してしまうことになるため、オンラインストレージ選びの際は十分に注意しましょう。
5-2.データのPDF化を外部委託する場合は委託先を慎重に選ぶ必要がある
紙ベースの書類をPDF化する際に、外部委託するケースもあります。しかし、士業が扱うデータの機密性を考慮した場合、委託先の選び方も慎重にならなくてはいけません。
例えば、以下のようなポイントに注目して委託先を選びましょう。
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書類の機密性を考えた場合、秘密保持契約の締結は必須と言えるでしょう。
また、文書情報管理士とは、文書・帳票・資料・図面などの紙書類をデジタル化するためにスキャナー保存し、書類を効率よく安全に長期保管するための技術に関連する法律や規格などの知識を検定する資格です。文書情報管理士がいる場合、機密情報の取り扱いも安心して任せられるでしょう。
さらに、書類を預けている間に盗難や紛失などが起こらないよう、24時間の監視体制が整っている委託先が理想です。
6.まとめ
士業でオンラインストレージを導入すると、以下のようなメリットがあります。
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このように、業務の効率化やデータを破損・紛失から守ることができるため、士業でもオンラインストレージを導入をおすすめします。
オンラインストレージを選定する場合は、以下のポイントに注目して選びましょう。
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特に士業は機密性の高いデータを扱う可能性が高いため、セキュリティレベルが高いことは必須の条件と言えます。また、守秘義務が担保されていないオンラインストレージは、守秘義務に反してしまう可能性があるため、事前の確認が必要です。
紙の書類をデータ化する際に外部委託する場合は、以下の選定基準を守って業者を選びましょう。
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紙ベースで書類を管理している場合、オンラインストレージの導入には手間がかかります。しかし、多くの書類を扱う士業だからこそ、オンラインストレージでの管理は大きなメリットを得られます。
紹介した流れや注意点を考慮して、オンラインストレージでのデータ管理を始めましょう。
※記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
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