【バックアップ基礎知識】世代管理とは|何世代まで取るのがおすすめか
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2023.2.03 (金)Posted by
バックアップについて調べていると「世代管理」という文言を目にします。
バックアップの重要性については理解していても、いきなり「世代管理」と言われると、
「世代管理ってなに?」
「普段の業務で通常のバックアップはとっているけれど、うちでも世代管理をするべきなの?」
と思われますよね。
世代管理とは、直近のデータだけでなく、それ以前のデータも保存するバックアップ方法のことを言います。
世代管理には下記のようなメリットがあることもあり、近年は、バックアップ方法として世代管理を採用する企業も増えているようです。
世代管理をするメリット
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では、世代管理とはそもそもどういうもので、運用するにあたってはどのような点に注意すればいいのでしょうか。
この記事では、世代管理に関する下記のようなポイントについて解説します。
この記事のポイント
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世代管理をするうえで必ず知っておいていただきたいことについて詳しくご説明していますので、ぜひ、最後までお読みいただければと思います。
1. 世代管理とは?基礎知識を解説
PC本体やHDDなどの記憶媒体に保存したデータは、機器の破損やシステムトラブル、サイバー攻撃、災害などによって、消失してしまうリスクがあります。
そのため、企業では保存したデータのバックアップをとるのが一般的ですが、通常のバックアップでは不十分な場合があります。
そこで注目したいのがデータの「世代管理」です。
では、そもそも世代管理とは、どのようなバックアップ方法のことをいうのでしょうか。
また、通常のバックアップと世代管理とでは、何が異なるのでしょうか。
この章では、世代管理に関する基礎知識について、わかりやすく解説します。
1-1. 世代管理とは
世代管理とは、バックアップの一種で、最新データだけでなく、それ以前のデータもバックアップ(保存)する方法のことをいいます。
例えば、1日1回バックアップをとる環境における「3世代保存」では、過去3日間のデータを保存します。
バックアップファイルには直近3日分のデータが保存され、それ以前のデータは自動的に削除されます。
複数世代のデータを保存しておけば、何らかのトラブルが発生した際、直近の状態に復旧できるのはもちろん、それより前の時点まで遡ってデータを復旧することも可能です。
1-2. 通常のバックアップと世代管理の違い
通常のバックアップと世代管理の最も大きな違いは、過去に実行したバックアップ時点まで遡ってデータを復元できるかどうか、という点にあります。
この説明だけではイメージしにくいかと思いますので、もう少し具体的にご説明しましょう。
例えば、1日1回、データをバックアップしたとします。
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そして、6日目に何らかの問題が発生し、データが消失したとしましょう。
通常のバックアップしかとっていない場合、直近に保存した5日目のファイルからしかデータを復元することができません。
これに対して世代管理を(今回の例では5世代のデータを保存)している場合、直近のファイルからはもちろん、3日目に保存したファイルや、1日目に保存したファイルからデータを復元することも可能です。
つまり世代管理をしていれば、管理している世代の中からデータを復元する時点を自由に選択することができるのです。
近年は、ランサムウェア対策が重要視されていることもあり、様々なトラブルが発生した際に適切な対応をできるよう、複数時点でのバックアップデータを保存しておくこと、つまり、世代管理をすることが求められています。
2. バックアップ方法別|世代の数え方
バックアップ方法は下記3つに大別され、どのバックアップ方法をとるのかによって、世代管理における「世代」の数え方が異なります。
ここでは、これらのバックアップ方法がどういうもので、それぞれの方法で「世代」をどのように数えるのか、詳しく解説します。
2-1. フルバックアップにおける世代の数え方
フルバックアップとは、バックアップをとる時点における「全てのデータを保存する」方法のことを言います。
▼フルバックアップのメリット・デメリット
メリット
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デメリット
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フルバックアップでは、全てのデータを毎回保存するため、いつの時点のバックアップなのか管理しやすく、データ管理が容易です。
ただ、バックアップファイルの容量が大きくなりがちで、ストレージを大量に消費してしまうというデメリットがあります。
■フルバックアップにおける世代の数え方
フルバックアップによる世代管理をする場合、その世代は下記のように数えます。
例えば、毎日フルバックアップをとる場合、日々のバックアップを1世代としてカウントします。
上の例では、月曜日から金曜日まで毎日フルバックアップをとっていますので、合計で5世代にわたるデータの世代管理をしている、ということになります。
2-2. 増分バックアップにおける世代の数え方
増分バックアップとは、フルバックアップと変更分のバックアップを組み合わせたものです。
このバックアップ方法では、最初にフルバックアップを実行し、それ以降は前回のバックアップと比べて変更がある部分だけを対象に、バックアップを実行します。
これだけでは少しイメージしにくいかと思いますので、もう少し具体的にご説明します。
上図の例では、まず、月曜日にフルバックアップをとります。
続いて、火曜日にもバックアップをとるのですが、ここでは前回のバックアップと比較して変更されている、データ「A」の部分だけをバックアップとして保存します。
つまり、火曜日に作られるバックアップデータは、「A」だけ、ということになります。
そして、水曜日にもバックアップをとりますが、このとき保存するのは、前日と比較して変更されているデータ「B」の部分だけです。
このように増分バックアップでは、最初に実行したフルバックアップとそれ以降の追加変更分のバックアップを組み合わせることで、データを管理します。
▼増分バックアップのメリット・デメリット
メリット
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デメリット
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増分バックアップはフルバックアップに比べて保存するデータの容量が少ないため、ストレージの消費を抑えられますし、バックアップにかかる時間を短縮することもできます。
ただ、増分バックアップで保存したデータを復元する場合、過去に保存したデータを1つずつ、順を追って復元しなければなりません。
前述の例でいうと、まず初期バックアップを復元した後、「データA」を復元し、「データB」を復元する、というように順を追って作業をしていく必要があるのです。
■増分バックアップにおける世代の数え方
増分バックアップによる世代管理をする場合、その世代は下記のように数えます。
増分バックアップによる世代管理では、最初にとったフルバックアップと追加変更分のバックアップを1セットとし、これを1世代とカウントします。
例えば、月曜日にフルバックアップをとり、火曜日から金曜日までは追加変更分のみのバックアップをとっている場合、月曜日から金曜日までの保存データを1セットとして、1世代と数えます。
2-3. 差分バックアップにおける世代の数え方
差分バックアップとは、最初にフルバックアップを行い、それ以降は初回のフルバックアップと比べて変更がある部分だけを対象にバックアップを実行する方法のことをいいます。
こちらも、この説明だけではイメージしにくいかと思いますので、もう少し具体的にご説明します。
差分バックアップでも増分バックアップと同様に、まずはフルバックアップを実行します。
続いて2回目のバックアップをとりますが、ここでは、初期バックアップデータと比較して変更があった部分だけ(上図ではデータA)を新たなデータとして保存します。
つまり、ここで作られるバックアップデータは、Aだけ、ということになります。
次に、3回目のバックアップを実行します。
ここでは、初期バックアップデータと比較してAおよびBが変更されていますので、この2つのデータをバックアップデータとして保存します。
つまり3回目のバックアップで保存されるのは、AとB、ということになります。
このように差分バックアップでは、初期データのフルバックアップに加え、これと比較して変更されたデータのバックアップをとることにより、データを管理します。
▼差分バックアップのメリット・デメリット
メリット
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デメリット
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差分バックアップでは、「初期データと比較して」変更が合った部分を保存だけをするため、順を追って作業をしなければならない増分バックアップに比べ、復元作業が容易です。
ただし、毎回保存するデータの容量が大きいため、増分バックアップに比べると保存に時間がかかりますし、ストレージも消費してしまいます。
■差分バックアップにおける世代の数え方
差分バックアップによる世代管理をする場合、その世代は下記のように数えます。
差分バックアップでは、最初にとったフルバックアップデータと追加変更分のバックアップデータを組み合わせた1セットを、1世代としてカウントします。
例えば、月曜日にフルバックアップをとり、火曜日から金曜日まではこれと比較して変更が合った部分のみのバックアップをとる場合、月曜日から金曜日までの保存データを1セットとして、1世代と数えます。
■世代管理は増分バックアップか差分バックアップが一般的
世代管理において毎日フルバックアップを行うと、安心ではあります。
ただ、毎回のバックアップに多くの時間を要しますし、何世代にもわたってデータを保存する場合、ストレージを大量に消費してしまいます。
そのため世代管理は、作業時間とストレージの消費量を抑えられる、増分バックアップか差分バックアップによる方法が一般的です。
3. 世代管理をするメリット
データの世代管理には、下記のようなメリットがあります。
これらのメリットは具体的にどういうことなのか、早速見ていきましょう。
3-1. 指定した時点まで遡ってデータを復元できる
データの世代管理をすることには、指定した時点まで遡ってデータを復元できる、というメリットがあります。
例えば、24日にウイルスに感染し、そのことが27日に発覚したとしましょう。
このケースでは、24日~27日までのデータは全て汚染されていますので、この間に保存したバックアップをもとにデータを復元しても、意味がありません。
しかし、適切な世代管理により5世代にわたるデータを保存していれば、ウイルス感染前の23日時点まで遡り、データを復旧することができます。
このように世代管理には、原因が発生して数日が経過した後で気付いたデータの汚染などにも、過去に遡って適切な対処ができる、というメリットがあるのです。
3-2. ニーズに合わせて保存する世代数を自由に設定できる
世代管理には、ニーズに合わせて管理する世代数を設定できる、というメリットもあります。
例えば、通常のバックアップの場合、直近のデータを保存することしかできません。
これに対して世代管理では、「どれくらいの世代のデータを」「どれくらいの期間」保存するのか、ニーズに合わせて自由に設定することができます。
世代管理により複数世代のデータを保存することができれば、企業が抱えるデータ消失などに関するリスクにしっかり備えられるでしょう。
※世代管理をする際はストレージの消費量に注意! 世代管理には通常のバックアップに比べて、ストレージの消費量が多い、というデメリットがあります。 管理する世代数は多いに越したことはありませんが、保存するデータが増えれば増えるほど管理が大変になりますし、ストレージも消費してしまいます。 どのくらいの世代数のデータをどのくらいの期間保存するかは、
などを考慮して決めるといいでしょう。 |
4. 世代管理バックアップは何世代までとるのがおすすめ?
世代管理を適切に行えば、データに問題が発生した際、過去に遡って復元することができます。
ただその一方で、管理する世代数が増えれば増えるほどストレージを消費してしまいますし、データ管理も複雑になってしまいます。
では、世代管理バックアップは、何世代までとるべきなのでしょうか。
4-1. 世代管理のタイミング
世代管理バックアップを何世代までとるべきか、という点について考える前に、世代管理のタイミング(バックアップをとるタイミング)について、おさらいしておきましょう。
バックアップのタイミングとしては、① 日次、② 週次、③ 月次、④ 年次、の4パターンが考えられます。
世代管理のタイミング
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概要
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日次バックアップ
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毎日特定の時間に、バックアップを実行
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週次バックアップ
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毎週特定の曜日・時間に、バックアップを実行
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月次バックアップ
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毎月1回、特定の日時にバックアップを実行
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年次バックアップ
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毎年1回、特定の日時にバックアップを実行
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企業のデータ管理では、これらのうちいずれか1つの方法によることもありますし、「日次バックアップ+週次バックアップ」「日次バックアップ+月次バックアップ」というように複数の方法を組み合わせて行うこともあります。
4-2. 必要最小限のデータを保存するなら日次3世代
バックアップをとるのは必要最小限のデータでかまわない、という方には「日次3世代」のデータ管理をおすすめします。
例)毎日深夜1時に、バックアップを実行
上の例では、毎日深夜1時にバックアップを実行し、これを3世代(3日分)保存します。
例えば、本日が9月24日である場合、日次3世代のデータ管理では9月22日から9月24日までの3日分のデータをバックアップするのです。
確かに、日次3世代管理では、「3日分のデータしか保存しない」という点で、やや不安です。
ただ、週末に何らかの問題が発生したとして、月曜日に出社した際に気付くことができれば、金曜日深夜の状態に復元することは可能です。
なお、
- 日次3世代のデータ管理では不安
- ゴールデンウィークや年末年始など、長期休暇に起きたトラブルにも対応できるようにしておきたい
という方には、「日次7世代」のバックアップもおすすめです。
4-3. 様々なトラブルに備えたいなら日次3世代+週次4世代
データに関するトラブルには、すぐに判明するものもあれば、時間が経つことで把握できるものもあります。
そういった事態にも対応できるようしっかり備えておきたいのであれば、「日次3世代+週次4世代」のバックアップをおすすめします。
例)毎日深夜1時、毎週土曜日の深夜1時にバックアップを実行
「日次3世代+週次4世代」のデータ管理では、直近3日間のバックアップを保存しつつ、過去4週間のバックアップも保存します。
この方法であれば、すぐに判明するトラブルについては日次3世代のバックアップデータをもとに対応できますし、時間が経過してはじめて判明したトラブルについても、およそ1か月の中で復元のタイミングをコントロールすることができます。
- 時間が経過してから判明するトラブルにも対応できるようにしておきたい
- 十分なバックアップをとりつつ、ストレージの消費量はなるべく抑えたい
という方は、「日次3世代+週次4世代」のバックアップを採用してみてはいかがでしょうか。
5. 世代管理のバックアップ先
世代管理の方法と世代数についておおよその見通しが立ったら、次に、世代管理のバックアップ先を決めなければなりません。
世代管理のバックアップ先としては、主に下記3つの方法が挙げられます。
これらのバックアップ先にはそれぞれにメリット・デメリットがありますので、そのどちらについてもきちんと理解したうえで、どの方法を選ぶのか決めることが大切です。
5-1. 磁気テープ
磁気テープとは、テープ状の記憶媒体のことをいいます。テープに磁性体を塗布することで、データを記録します。
▼磁気テープにバックアップデータを保存するメリット・デメリット
メリット
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デメリット
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「磁気テープ」というとかなりアナログなイメージがありますが、
- 保管に電源を使わない
- 停電を原因とするデータ損失リスクがない
- 容易に持ち運びできる
といった理由から、BCP(事業継続計画)の一環として企業に注目されています。
ただし、磁気テープごとに世代を保持するには、フルバックアップをしなければなりません。
そのため磁気テープを用いた世代管理には、データ保存に時間がかかる、というデメリットがあります。
磁気テープの利用をおすすめする人
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5-2. ハードディスク
ハードディスクは、磁性体を塗布した円盤が内蔵された記憶媒体で、HD(ハードディスク)、HDD(ハードディスクドライブ)と表記されることもあります。
本体はコンパクトなつくりですが沢山のデータを保存することができるため、バックアップデータの保存先として、多くの企業が採用しています。
▼ハードディスクにバックアップデータを保存するメリット・デメリット
メリット
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デメリット
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ハードディスクはPCなどに内蔵ストレージとして使われることもある記憶媒体ですので、イメージしやすい方も多いかと思います。
磁気テープに比べてスピーディーにデータの読み書きができますし、耐用年数が長く、長期保存にも適しています。
ただし、熱や衝撃に弱いというデメリットがあるため、バックアップの保存先がハードディスクのみだと、大規模な災害などによってこれが毀損された場合に、データを失ってしまうリスクがあります。
ハードディスクの利用をおすすめする人
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5-3. クラウド
クラウドとは、インターネット上に設けられた空間に、データを保存するサービスのことをいいます。
データの保存先はあくまでもインターネット上の空間ですので、ユーザー側で記憶媒体を用意する必要はありません。
事業者との間で利用契約を締結し、サービスを利用する形になります。
メリット
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デメリット
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クラウドはインターネットを利用したサービスですので、インターネット環境さえあれば、どこからでも、どの端末からでもデータにアクセスできます。
また、物理的な記憶媒体を用いているわけではないため、災害や火災などによるデータ消失のリスクもありません。
ただし、クラウドはネットワークに依存したサービスであるため、インターネット回線に障害が発生した場合や、サービス提供事業者のサーバー等に何らかのトラブルが生じた場合、一時的にデータへアクセスできなくなる可能性があります。
また、クラウドの利用には月額利用料が発生しますので、契約するプランによっては、ランニングコストが高くなってしまうこともあります。
クラウドの利用をおすすめする人
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5-4. 世代管理のバックアップ先は複数の記憶媒体を組み合わせるのがおすすめ!
以下は、磁気テープ、ハードディスク、クラウドの主な特徴をまとめたものです。
▼各データ保存先の主な特徴一覧
保存先
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データの長期保存
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多くの世代保持
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災害対策・BCP
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ネットワーク接続
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磁気テープ
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◎
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〇
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〇
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×
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ハードディスク
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〇
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△
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△
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×
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クラウド
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◎
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◎
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◎
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◎
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どの記憶媒体にも、それぞれにメリット・デメリットがあることがわかります。
そのため、より万全なデータバックアップを行いたい方には、以下のように、複数の方法を組み合わせて利用することをおすすめします。
■複数の保存先を組み合わせた世代管理の例
- ハードディスクへのデータ保存でスピーディーな作業を図りつつ、災害に備え、クラウドを活用することでデータを遠隔地に保存する
- クラウドにデータを保存しつつ、保存に電源を使わない磁気テープの活用により、インターネット回線のトラブル等に伴うリスクにも備える
6. 世代管理をする際に意識すべきポイント3つ
世代管理はデータを守るうえで有効な手段ですが、ただやみくもに行えばいいというものではありません。
不適切な世代管理を行っていると、せっかくバックアップをとっても、大切なデータを守れない可能性があるからです。
そこで意識したいのが、下記3つのポイントです。
6-1. 世代管理の目的と保存する世代数を明確に決める
世代管理をする際は、「世代管理の目的」と「保存する世代数」を明確に定めましょう。
世代管理では、最新のデータだけでなくそれ以前のバックアップデータも保存しますので、何らかのトラブルが発生した際、過去に遡ってデータを復元することが可能になります。
そうすると、「万一の事態に備えるならば、より多くの世代を管理したほうが安心ではないか」と考える方もいらっしゃるでしょう。
確かに、その考えは間違っていないのですが、多くの世代を管理するということは、ストレージの消費量が増えるということでもあります。
また、バックアップをとる世代数が増えると、その分だけ業務負担も重くなります。
そこでまず意識したいのが、「世代管理の目的」です。
世代管理をするにあたっては、何のためにバックアップをとるのか、よく考えてみましょう。
単にデータを保存したいだけなのか、システムトラブルやランサムウェアなど、時間が経ってから判明することも多いトラブルにもしっかり備えたいのか、といったことによって、管理すべき世代数が変わってきます。
そして、世代管理をする目的が明確になったら、保存する世代数を決めましょう。
- トラブルに備えるために最低限必要なバックアップデータの世代数
- バックアップデータの保存先と容量
について考えると、自社で管理すべき世代数が見えてくるはずです。
ストレージを浪費したり、業務負担を不必要に重くしたりしないためにも、世代管理をする際は、その目的と管理する世代数を明確に決めておくことが大切です。
6-2. データは2種類以上の機器で保存する
世代管理ではバックアップデータを、2種類以上の機器に保存することをおすすめします。
例えば、メーカー・機種・購入時期が全く同じHDD2つにバックアップデータを保存しているとしましょう。
「2つの機器にデータを保存している」という点では安心ですが、経年劣化などによってこれら2つの機器が同時にクラッシュしてしまった場合、バックアップデータを完全に失ってしまいます。
このような悲劇を避けるためにも、バックアップデータは2種類以上の機器で保存するようにしましょう。
■バックアップデータの保存先の例
- HDDと磁気テープ
- HDDとNAS
- HDDとクラウド
6-3. バックアップの1つは遠隔地で保存する
世代管理を実施するにあたっては、バックアップデータの1つを遠隔地で保存することも大切です。
例えば、HDDとSSDにバックアップデータを保存し、これを同じ場所でまとめて保管していると、自然災害や火災などによって機器が毀損された場合に全てのデータを失ってしまいます。
こういった事態を防ぐためにもバックアップデータは、
- 本社に保管するHDDと支店に保管するSSD
- 事務所内に保管するHDDとクラウド保管
というように、場所を離して保管することが大切です。
7. 世代管理のバックアップ先としても活用できるコワークストレージ
※画像はイメージです。
バックアップデータは、容量が大きくなりがちです。
また、バックアップは様々なトラブルから大切なデータを守るために実施するものですので、そのデータの保存先は、セキュリティが万全でなければなりません。
そのため近年は、世代管理のバックアップ先としてクラウドを導入する企業が増えています。
そこでぜひおすすめしたいのが、弊社の「コワークストレージ」です。
バックアップデータの保存先としてクラウドの利用をご検討されている方は、コワークストレージの導入をご検討されてみませんか?
7-1. おすすめポイント① 月額利用料がリーズナブル
コワークストレージは、月額利用料2,750円(税込)から利用できます。
クラウドの導入を検討するにあたり多くの企業様が懸念されるのが、ランニングコストです。
どんなに優れたサービスでも、ランニングコストが高すぎると、導入を躊躇してしまいますよね。
この点、コワークストレージの「スタートプラン」では、月額利用料2,750円(税込)で100GB/5IDをご利用いただけます。
- クラウドがどのようなサービスなのか、実際に使ってみたい
- 5人程度での利用を検討している
という方は、コワークストレージの「スタートプラン」をご検討されてみてはいかがでしょうか。
■豊富な料金体系
弊社のコワークストレージには、リーズナブルな価格でご利用いただける「スタートプラン」以外にも、様々なプランをご用意しています。
- 保存したいデータが増えたため、もう少し容量を拡張したい
- 会社の規模が大きくなったため、ユーザー数を増やしたい
といったニーズにも柔軟に対応させていただきますので、ご安心ください。
7-2. おすすめポイント② セキュリティ対策が強固
コワークストレージでは、下記のように非常に強固なセキュリティ対策を講じています。
コワークストレージのセキュリティ対策
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トラブル発生時にデータを復元するために用いることもあるバックアップデータは、安全なところに保存しなければなりません。
いざというときのためのバックアップデータが、保存先の脆弱性が原因で毀損されてしまっては、意味がないからです。
この点、弊社のコワークストレージでは上記のようなセキュリティ対策を講じていますので、御社の大切なバックアップデータを、安心して保管していただけます。
7-3. おすすめポイント③ 大容量データの移行が簡単
バックアップデータは容量が大きくなりがちで、これを現在の保存先から転送するとなると、時間と手間がかかって大変ですよね。
しかし、ご安心ください。
コワークストレージなら、大容量データの移行も簡単です。
コワークストレージにはデータ転送ツールが搭載されており、大容量データを簡単かつスピーディーに転送することができます。
現在、NASやファイルサーバーに大量のバックアップデータを保管されている方も、このツールを使えば既存環境からコワークストレージへ、簡単にデータ移行をしていただけます。
まとめ
世代管理とは、直近のデータだけでなく、過去のデータを数世代にわたって保存するバックアップ方法のことをいいます。
世代管理をすることには下記のようなメリットがあるため、近年は、通常のバックアップではなく、世代管理をする企業が増加傾向にあります。
世代管理をするメリット
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世代管理をしているバックアップデータの保存先としては、①磁気テープ、②ハードディスク、③クラウド、などが挙げられますが、これらにはそれぞれにメリット・デメリットがありますので、複数の方法を組み合わせて活用することをおすすめします。
また、世代管理をするにあたっては、下記のようなポイントに注意しましょう。
適切な世代管理は大切なデータを守るうえで非常に有効な手段ですので、これまで通常のバックアップしかしてこなかったという方は、これを機に世代管理の実施を検討してみてはいかがでしょうか。
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