「仕事のミスが多い」と悩むのは今日で終わり!実践7つの対策を解説
-
2023.2.24 (金)Posted by コワークストレージ窓口
「どうして自分は仕事でいつもミスをしてしまうんだろう」
「ミスを減らして先輩や上司から指摘されないようにしたい」
上記のように自分のミスの多さについて悩んでいる人は多いのではないでしょうか?仕事でミスをしてしまう原因は、以下が考えられます。
|
しかし上記のほとんどのミスの背景には、組織やチームの体制、業務の進め方に原因があることが多いです。
それを知らずにミスが多い自分を責めたり、逆にミスを繰り返す同僚や部下を怒ったりすれば、精神的に余裕がなくなり、余計にミスの生まれやすい環境となる可能性があります。
そこでこの記事では、以下の内容を詳しく解説していきます。
|
についてイメージしやすいよう具体的な例を交えて、解説していきます。
この記事を読めば、自分がどうしてミスを繰り返してしまうのかの原因だけでなく、今後のミスの防止策が分かるため、個人や部署・チーム内で実践することで今までよりミスを減らせるでしょう。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
1. いくつあてはまる?仕事でミスが多い人の特徴5つ
「仕事でミスを何度もしてしまう」といった人には、以下のような特徴があります。
|
以下で1つずつ説明していくので、自身があてはまっているか、普段の仕事姿をイメージしながら読み進めてください。
1-1. いつも心や時間に余裕がない
1-2. 整理整頓が苦手
1-3. マルチタスクが苦手
1-4. 「自分の頭だけで覚えられる」と考えている
1-5. 主体性がない
2. 仕事でミスを何度もしてしまう5つの原因
仕事でミスを何度もしてしまう場合、以下の原因が考えられます。
|
ただし仕事で起きるミスは個人だけの問題ではなく、組織(チーム)にも根本的な原因があることが多いので、あまり自分を責めないでください。
組織(チーム)の原因に関しては、3章で解説しています。
まずはこの章で、自分のミスが多い原因は何なのかを把握しておきましょう。以下でそれぞれの原因について、詳しく説明していきます。
2-1. 仕事に集中できていない
仕事で何度もミスを重ねてしまう原因の1つとしては、仕事に集中できていないといった点が挙げられます。
ではなぜ仕事に集中できていないかというと、違うことに気が散ってしまったり、体調が万全でなかったりといったケースが考えられます。
たとえば「SNSやメールの通知が気になって気が散る」といったことや、「寝不足が続いていて頭がぼーっとしてしまう」といったことはありませんか?
上記のような仕事に集中できない環境や状況は、仕事でミスを起こしやすいのです。そのためミスを無くしたい場合は、デスク周りの環境を整えるほか、集中力を持続させる対策を取ることが有効です。
具体的な方法は、「4-2.机周りを整理整頓し、指定の場所を決めておく」「4-6.一定時間仕事をしたら休憩を取る」を参考にしてください。
2-2. 分からないことをそのままにしている
分からないことをそのままにしている場合も、仕事でミスを誘発しやすいと言えます。
正しいやり方や手順などを知らずに業務を進めるため、誤った方法で業務を行ったり、手順が抜けてしまったりする可能性があるからです。
たとえば書類の作成方法が分からなかった場合、すぐに先輩や上司に質問して解決すれば、今後、同じ業務を行う際にスムーズに行えるでしょう。しかし先輩や上司に質問せず、自己流で書類を作成してしまえば、記載すべき情報や項目が抜けていた等のミスにつながります。
このように分からないことをそのままにする癖が付いてしまうと、自己判断で業務を行うことが多くなり、その分、ミスを起こしやすいです。
とはいえ社内のコミュニケーションに問題がある場合は、先輩や上司に気軽には質問できないですよね。
その場合は、「分からない」といった状況をなるべく減らすために、「4-1.メモを取ってノートにまとめる癖を付ける」や「4-3.やることを分解して具体化する」の対策を参考にしてください。
2-3. 優先順位を決めずに仕事をしている
仕事でミスを何度もしてしまう原因の1つとして、優先順位を決めずに仕事をしているといった点も挙げられます。
というのも「どの仕事から手を付けるべきなのか」や「どの仕事は後回しにしても問題ないのか」を把握しないまま仕事を始めてしまうと、重要な仕事がおざなりになることでミスが発生しやすくなるからです。
たとえば明日までにプロジェクトの企画書を仕上げる必要があるにも関わらず、そこまで急ぐ必要のないメールの返信や、いつでも行える営業の電話などを優先したとします。その場合、企画書の作成にかける時間が少なくなり、仕上がりのクオリティが下がるだけでなく、抜けや漏れといったミスも起こりやすいです。
このようなミスを無くすためにも、優先順位を決めて仕事を始めるようにしましょう。具体的な対策としては「4-4.仕事の優先順位を考える癖を付ける」や「4-5.ルーティンを作る」を参考にしてみてください。
2-4. 最終確認をする習慣がない
最終確認をする習慣がない場合も、ミスを何度もしてしまう原因の1つでしょう。
上司に書類を提出する前や取引先に商品を納品する前などに、不備や問題がないかを確認する習慣がない場合、抜けや漏れといったミスが起こりやすいからです。
上司にメールを返信する場面で考えてみましょう。たとえば文章を書き終わってすぐにメールを送信してしまうと、誤字脱字や資料の添付漏れといったミスが起こる可能性が高まります。
このようなミスを防ぐためにも、業務や成果物の最終確認を怠らないことが重要です。具体的な対策としては、業務を分解して最終確認を含めたやるべき作業をすべて可視化することが有効となります。
詳しくは「4-3.やることを分解して具体化する」を参考にしてください。
2-5. ADHDなどの可能性がある
仕事で何度もミスをしてしまう原因の1つとして、ADHDである可能性も考えられます。ADHDとは、不注意や多動性・衝動性といった特徴を持つ発達障害の一種です。
ADHDの場合、気が散りやすかったり、従うことが難しかったりといった特性があるため、仕事でミスを起こしやすいと考えられています。
たとえば下記で当てはまる項目が多い人は、ADHDの可能性があるかもしれません。
|
もし悩んでいる場合や、ミスが続く原因がADHDにあるのかはっきりさせたい場合は、一度、メンタルクリニックなどで診てもらうことをおすすめします。
3. 個人の仕事のミスの背景にある組織(チーム)の原因
前章で仕事でミスを何度もしてしまう原因を説明しましたが、個人のミスの背景には、組織やチームに原因がある場合も多いです。
そのためミスが起きた場合、原因は個人にあるのか、それとも組織やチームの体制や業務の進め方にも問題があるのかを考える必要があるでしょう。
組織やチームの原因としては、以下3つが考えられます。
|
以下で1つずつ説明していきます。
3-1. 社員間のコミュニケーションに問題がある
社員間のコミュニケーションに問題がある場合、個人のミスを誘発する原因となります。コミュニケーション不足や、一方的にしか会話をしていないことが原因で起きるミスもあるからです。
たとえば普段から上司と部下の間でコミュニケーションが少なければ、部下は業務で分からない点があっても、上司に聞きにくいといった人は多いのではないでしょうか。
そもそも分からないことがあった場合、「上司に質問や相談してよいか分からない」と気を使ってしまう社員もいるでしょう。その結果、分からないことがあってもそのままにしてしまい、ミスが起きてしまうのです。
このように社員間のコミュニケーションに問題がある組織やチームでは、個人のミスが起こりやすいと言えます。
3-2. 古いシステムを使って業務を行っている
古いシステムを使って業務を行っている企業も、個人がミスをしてしまう原因の1つと言えます。古いシステムを使っている場合、ヒューマンエラーが起きやすいからです。
たとえば手計算や手入力がほとんど必要ない最新のシステムを使って業務を行っていれば、計算ミスや入力間違いといったミスはほとんどないでしょう。
しかしアナログなやり方や古いシステムの場合、手計算や手入力する項目が多く、その分、人為的ミスが発生する確率も高いです。
このように古いシステムを使って業務を行っている組織やチームは、個人のミスが起こりやすい環境と言えます。
3-3. 社員の業務量の適正な管理ができていない
社員の業務量の適正な管理ができていない場合も、個人がミスを起こしてしまう原因の1つでしょう。
業務量の適正な管理ができていなければ、オーバーワークになってしまう可能性が高く、ミスを発生させやすいからです。
以下のようにタイプや状況が全く異なる2人の社員に、同じ質と量の仕事を任せたとしましょう。
Aさん
|
Bさん
|
|
仕事量
|
多く抱えている
|
手持ちの仕事は少ない
|
経験年数
|
1年
|
3年
|
得意な仕事
|
正確さが求められる事務などの仕事
|
コミュニケーション力が求められ営業周りなどの仕事
|
仕事の進め方
|
1人で黙々と進める
|
チームで協力して進める
|
得意な役割
|
サポート役や裏方
|
まとめ役やリーダー
|
たとえば顧客と日々やり取りすることの多い仕事やチームのリーダーを任せた場合、Bさんは得意分野なのでスムーズに仕事を進められるかもしれません。
しかしAさんは苦手な分野であるうえに、そもそも抱えている仕事量が多く、経験年数も少ないのでスムーズに仕事を進められない可能性があります。
そのためAさんには精神的な負担がのしかかり、また残業が発生することで体力的な負担も大きくなってしまいます。
この状況が続けば、Aさんは疲れやストレスにより集中力が持続しないなどの弊害が出てしまい、その結果、他の人よりもミスを起こしやすくなると言えます。
このように社員それぞれの業務量の適正な管理ができていない組織やチームでは、個人のミスが起こりやすいでしょう。
4. 明日から実践できる!個人ができる仕事のミス対策7つ
ここまで仕事のミスが多い原因を紹介してきましたが、本章では個人が実践できる以下の対策を7つ紹介します。
|
どれも難しいものはなく、すぐに取り掛かれる方法なので、明日からぜひ試してみましょう。以下で1つずつ説明していきます。
4-1. メモを取ってノートにまとめる癖を付ける
仕事のミスを減らしたければ、直接メモを取ってノートにまとめる癖をつけましょう。「1-4.「自分の頭だけで覚えられる」と考えている」で説明した通り、人の脳は忘れやすいからです。
たとえば先輩や上司から新しい業務のやり方を教わる際は、その場で簡単にメモを取り、空いた時間に後で自分が確認するときに分かりやすいようノートにまとめましょう。
その際、スマートフォンやパソコンにメモを取ったりノートにまとめたりするのではなく、メモ帳やノートに手書することをおすすめします。ペンを握って文字を書く方が脳を活性化させやすいからです。
メモを取ってノートにまとめる癖が付けば、業務のやり方を間違えてしまったり、手順を誤ったりといったミスを防げるため、ぜひ明日から始めてみてください。
4-2. 机周りを整理整頓し、指定の場所を決めておく
机周りを整理整頓し、指定の場所を決めておくだけでも、ミスを減らすことができます。
机周りが散らかっていると会議の資料や提出書類などを紛失しやすく、探すのに時間がかかり、その分ほかの業務に影響が出てミスを誘発しやすいからです。
たとえば「会議で使う資料はこのトレーに入れる」「上司に後で確認してもらう書類はこのファイルに入れておく」など指定の場所を作っておくことをおすすめします。
このように指定の場所をあらかじめ決めておき、机周りを常に整理した状態に保つことで、資料の紛失や書類の提出漏れをはじめとしたミスを防げるでしょう。
4-3. やることを分解して具体化する
ミスを防ぐためには、自分のやることを細かく分解して具体化する方法も効果的です。
やることが漠然としたままだと、「具体的には何を行えばいいのか」や「何から始めればいいのか」といった点が分かりにくく、抜けや漏れなどのミスが起こりやすくなるからです。
営業部門の業務で考えてみましょう。
たとえば「アポの電話をかける」だけだと漠然としすぎて、先方に何を聞けばいいのか、何から話し始めればいいのかなどが分かりにくいかと思います。しかし、
①挨拶をした後、まずは先方の現状について伺う ②当社のサービスを伝える ③反応が良かった場合は、続けてサービスプランAについて説明する ④興味がありそうであれば、訪問させていただきたい旨を伝え、日時を決める ⑤切電後、営業リストに情報を入力して上司に報告する |
といったように「アポの電話をかける」といった業務を細かく分解し、具体的に行う作業を書き出すなどして可視化しておけば、「〇〇を伝え忘れた」「〇〇を聞きそびれた」といったミスを防げるでしょう。
このように自分のやることを細かく分解して具体化する方法は、ミスを防ぐのに有効です。
4-4. 仕事の優先順位を考える癖を付ける
普段からミスを防ぐためには、仕事の優先順位を考える方法も効果的です。優先順位を考えずに仕事を進めてしまえば、以下のようなミスが起きる可能性があるからです。
|
このようなミスを防ぐためには、以下のように重要度と緊急度で仕事のレベルを振り分けて、優先順位を決めることが重要です。
|
たとえば、
①今週末が締め切りの企画書(重要度高い×緊急度が高い) ②来週の全社会議で使用する資料作り(重要度が高い×緊急度が低い) ③報告書の作成(重要度が低い×緊急度が高い) ④顧客へダイレクトメールの送信(重要度が低い×緊急度が低い) |
といったように、自分がいま抱えている仕事を重要度と緊急度からレベル分けして、取り掛かる順番を決めてみてください。
こうすることで突然仕事を振られたときも、締め切りを過ぎたり、急いで仕事を仕上げて抜けや漏れが発生したりといったミスを減らせるでしょう。
4-5. ルーティンを作る
自分の仕事のルーティンをあらかじめ作っておくと、ミスが起こりにくくなります。
毎回、異なる段取りで業務を進めるより同じ段取りで業務を進めていく方が、スムーズに仕事をこなせるうえに、仕事の品質を一定に保ちやすいからです。
情報システム部で働いている場合を想像してみてください。情報システム部では社内システムの開発や管理、基幹システムやインフラの構築・保守、ヘルプデスクなど、さまざまな業務を行う必要があります。
たとえば業務の段取りを決めておらず、社内からヘルプデスクに問い合わせがある度に、今やっている業務をストップして対応している場合、集中力が欠け、スムーズに業務を進められなくなりミスが起こりやすくなるでしょう。
しかし以下のように「ヘルプデスク業務は朝と昼に1時間ずつ」などと決めておき、他の業務を含めて段取りを大まかに決めておけば、時間が押して焦ってしまい、必要な作業が抜けてしまったり確認が漏れてしまったりといったミスも起こりくいです。
9:00-10:00
|
社内からの問い合わせ確認後、緊急な案件から対応① |
10:00-11:00
|
基幹システム改善のためのヒアリング調査まとめ |
11:00-12:00
|
社内サーバーのセキュリティチェック |
12:00-13:00
|
昼休憩 |
13:00-1:00
|
社内からの問い合わせ確認後、緊急な案件から対応② |
「今まで出社してから今日1日の仕事の進め方を考えていた」といった人は、ぜひ自分の仕事をルーティン化してみましょう。
4-6. 一定時間仕事をしたら休憩を取る
一定時間、仕事をしたら定期的に休憩を取ることも、ミスの防止につながります。というのも人の集中力が続く時間には限度があり、集中力が途切れると本来の力を発揮できず、ミスを起こしやすくなるからです。
そのためある程度仕事を続けたら、小休憩を取るなど決めておきましょう。たとえば時間管理術の1つであるポモドーロテクニックでは、25分作業を続けたら5分間の休憩を取るといったルーティンを繰り返すことで、集中力が途切れることなく、効率よく作業をこなせます。
ミスを防ぐためにも上記のようなテクニックを活用し、一定時間、仕事をしたら休憩を挟んでみることをおすすめします。
4-7. ミスをしたら対策を講じる
ミスをしてしまったら「次から気を付けよう」と決心するだけでなく、具体的な対策を講じましょう。
「今後はどのように業務を進めるべきか」や「次回は何に気を付けるべきか」を考えて実際に行うことで、同じようなミスを繰り返すことを防げるからです。
たとえば上司に書類を提出する期限を過ぎてしまった場合は、卓上カレンダーに期限を書き込んだり、スケジュールアプリのリマインド機能を使って、期限の前日や当日に通知が表示されるように設定したりといった対策を講じれば、提出期限を忘れにくくなるでしょう。
そのほかにも業務の抜けや漏れがあった場合は、最終チェックリストを作って、1項目ずつ確認してチェックを付けていくなどといった対策を講じれば、同じようなミスを防げます。
このようにミスをしてしまったら、そのままにしておかず、具体的な対策を講じましょう。
5. チームや組織単位で検討するべき仕事のミスを防ぐ施策
個人だけでなくチームや組織全体でも、ミスを防ぐための対策は講じるべきです。ここではチームや組織単位で検討すべきミスの防止策を4つ紹介します。
|
以下で1つずつ解説していきます。
5-1. コミュニケーションを活発化する
チームや組織単位で検討すべき仕事のミスを防ぐための施策として、コミュニケーションの活発化が挙げられます。
社員間のコミュニケーションが活発になることにより、今まで意思疎通が上手くいかずに起きていたミスや、分からないことをそのままにしていたために起きていたミスなどを防げるからです。
たとえば以下2つの方法は、コミュニケーションを活発化するのに役立ちます。
|
以下でそれぞれについて説明します。
5-1-1. 定期的に1on1ミーティングを行う
定期的に1対1でミーティングを行うことは、コミュニケーションを活発化させます。複数人で行うミーティングより1対1の方が、お互い話しやすくなるからです。
たとえば週に1度は上司と部下が1対1でミーティングをする機会を設けるだけでも、今までよりお互い会話をする機会が増えたり、普段、大勢の前ではなかなか質問しにくいことを質問できたりと、メリットが大きいです。
このように定期的に1対1で話し合うことは、コミュニケーションを活発化させるのに役立ちます。
5-1-2. チャットツールを導入する
チャットツールの導入もコミュニケーションを活発化させるのに役立ちます。分からないことをすぐに質問しやすいほか、気軽に相談しやすくなるからです。
たとえばリモートワークを導入している組織の場合、お互い顔が見えない中で仕事をしているため、よりコミュニケーション不足が懸念されるかと思います。
しかしチャットツールを導入すればチャット形式で会話できたり、絵文字でリアクションを伝えられたりできるため、電話やメールより気軽にコミュニケーションを取りやすくなるです。
このようにチャットツールの導入は、社内のコミュニケーションを活発化させるのに役立ちます。
5-2. チェックシートを使ってダブルチェックを行う
チェックシートを使ってダブルチェックを行う方法も、ミスの防止に役立ちます。
頭の中でやるべき業務を把握しておくよりも、チェックシートに書き出して、実際に終わった業務にチェックをしていく方が、抜けや漏れといったミスを防げるからです。
さらにチェックの付いた業務が本当に終わっているのかや、不備や問題がないかを別の人が二重で確認することで、ミスを防げる確率が高くなります。
たとえば宿泊業の場合、以下のようなチェックリストを作って活用することで、業務の抜けや漏れを防げるでしょう。
業務内容
|
チェック
|
承認
|
夜勤のスタッフと引継ぎ
|
||
本日の予約と注意客チェック
|
||
レジと金庫内、小口の現金照合
|
||
客室の料金設定
|
業務を行う時系列順で作成すると、より使いやすいかと思います。またもし自分以外の人がチェックリストを使う場合は、実際に使う人が見やすいかなど確認を取った上で、チームの業務に取り入れましょう。
ミスを防ぐためにも、ぜひ組織やチーム内でチェックリストを使ったダブルチェックを行ってみてください。
5-3. デジタルツールを導入する
ミスを防ぐために組織やチーム単位で検討すべき施策として、デジタルツールの導入も挙げられます。
というのも、アナログなやり方で業務を行うより、デジタルツールを使って業務を行う方がミスが起こりにくいからです。
たとえば経理部署で会計システムを導入すれば、書類からデータを自動で読み取れるほか、自動で計算もできるため、データの入力ミスや計算ミスといった人為的ミスを防げるでしょう。
また社員1人1人のスキルや経験などを管理できるタレントマネジメントシステムや、残業時間や勤続日数、休暇状況を自動で管理できる労務システムを導入すれば、社員の業務量の適正管理も行えるため、オーバーワークによって発生するミスの防止にもつながります。
このようにデジタルツールを導入することは、ミスの防止に役立つでしょう。
5-4. フレームワークでミスを分析する
フレームワークを使ってミスを分析することも、組織やチーム単位で取り入れるべき施策の1つです。
今後、同じようなミスを繰り返さないために、「何が原因で今回のミスが起きてしまったのか」を分析する必要があるからです。
ミスの分析方法としては、たとえば以下の2つがあります。
|
以下でそれぞれについて解説していきます。
5-4-1. 4M4E分析
4M4E分析は、ミスをさまざまな角度から分析できるフレームワークです。ヒューマンエラーの原因解明や、今後の対策を立てるのに役立ちます。
4Mはミスの誘発原因を、4Eはそのミスに対しての具体的な対策を表しています。
4M(ミスの誘発原因)
|
4E(具体的な対策)
|
Man(人間)
|
Education(教育)
|
Machine(設備や機械)
|
Engineering(技術)
|
Media(情報や環境)
|
Enforcement(強化や徹底)
|
Management(管理)
|
Example(事例や模範)
|
▼たとえば不備のある製品が顧客の手に渡ってしまった場合、まずは以下のように4Mを使ってミスの誘発原因を掘り下げていきます。
Man(人間)
|
作業員Aが製品を組み立てる際に、部品を1つ組み立て忘れた |
Machine(設備や機械)
|
作業場で部品を保管するケースがいつもと異なる場所に置いてあった |
Media(情報や環境)
|
他の作業員が休憩中だったため、製品が完成した後にダブルチェックができず、そのまま商品ケースに入れてしまった |
Management(管理)
|
部品ケースを作業で使う順に並べておくよう周知していなかった |
誘発原因の掘り下げが終わったら、4Eを使って4Mに対しての具体的な対策を1つずつ考えていきます。
▼以下は、上記の誘発原因に対してのEducation(教育)対策の例です。
Man(人間)
|
製品の組み立てが終わったら最終確認しなければ商品ケースには入れないよう教育する |
Machine(設備や機械)
|
部品ケースに作業工程の番号をシールで貼る |
Media(情報や環境)
|
他の作業員が休憩中の場合は、休憩から戻ってきたら確認してもらうよう教育する |
Management(管理)
|
部品ケースは作業で使う順に並べておくよう周知する |
ほかの4Eも同様に考えていきます。このように4M4E分析は、ミスをさまざまな角度から分析し、今後の対策を立てるのに役立ちます。
5-4-2. なぜなぜ分析
なぜなぜ分析は、自動車メーカーのトヨタで生まれたミスの根本的な原因を分析する手法です。
具体的な方法としては、ミスが起きた原因を「なぜ?」と5回ほど繰り返して探求していき、根本的な原因を見つけ出します。
たとえば「顧客に送った商品の中身が間違っていた」といったミスが発生したとしましょう。このミスの原因をなぜなぜ分析を使って解明していくと、以下のように根本的な原因を解明できます。
発生したミス:顧客に送った商品の中身が間違っていた 「なぜ?」 ①受注リストに顧客が購入した商品の一部が記載されていなかったから 「なぜ?」 ②受注リストを作成した際に、記入漏れがあったから 「なぜ?」 ③受注メールを元に受注リストを作成した際に、見落としてしまったから 「なぜ?」 ④商品名や商品コードの表記が分かりづらい位置に記載されていたから 「なぜ?」 ⑤根本的な原因:受注メールのテンプレートを作成する際に、受注リストを作成する人の作業しやすさを考慮していなかったから |
上記のように5回の「なぜ?」を繰り返し、根本的な原因が分かれば、たとえば受注メールのテンプレートを受注リストを作成する人目線で作成するなどの対策を立てられるでしょう。
このようになぜなぜ分析はミスを分析し、チーム単位で今後の対策を立てるのに役立ちます。
6. 仕事でミスをしたとしてもその後のリカバリーが重要!
仕事でミスをしたとしても、その後の行動で誠意が伝われば、社内からの信頼を損ねることはありません。
しかしミスの謝罪する際に言い訳など余計なことを言ってしまったり、相手に誠意が伝わらなかったりすると、信頼を失ってしまうこともあります。
そこでこの章では、ミスについて謝罪する際に気を付けるべき、以下2つのポイントを紹介します。
-
- 責任から逃れようとしないことが重要
- 謝罪だけでなく今後の対策もセットで伝えよう
以下で1つずつ説明していきます。
6-1. 責任から逃れようとしないことが重要
ミスについて先輩や上司に謝罪する際、責任から逃れようとするのは厳禁です。責任を逃れるためにウソを付いたり言い訳をしたりすると、相手からの信頼度が下がってしまうからです。
自分の些細なミスが原因で顧客とトラブルが起き、上司に謝罪する場面を想像してみてください。
たとえば誰が見ても顧客の方が理不尽な言動をしていたという場合でも、「顧客が横暴な態度だったためトラブルが起きてしまいました」などと報告すれば、その意図はなくても「自分には一切、非がない」と言っているように捉えられる可能性が高いです。
それよりも「自分の〇〇の対応が間違っていたため、今回のトラブルが起きてしまいました」などと自責化して報告する方が、「きちんと自分を俯瞰して反省している」といった印象を与えられます。
このように自分の仕事のミスについて謝罪をする際は、責任から逃れようとせず、真摯に反省している旨を伝えましょう。
6-2. 謝罪だけでなく今後の対策もセットで伝えよう
自分が起こしたミスについて謝罪する際は、今後の対策も必ず伝えましょう。
同じミスを繰り返さないために具体的に今後どんなことを行っていくのかも合わせて報告した方が、相手に「この人は改善する意思があるんだな」と伝わり、今後の信頼獲得につながるからです。
たとえば「見積書の計算を誤り、そのまま取引先に送る」といったミスを起こしてしまったとします。
単に「申し訳ございません、次から気を付けます」と謝罪するより、「申し訳ございません、次からは本当にその金額で合っているか、表計算だけでなく電卓で計算して確認します」などと具体的な対策も説明伝えると、「本当に改善する意思があるんだな」と捉えてもらえるでしょう。
このように仕事のミスについて謝罪する際は、今後の対策を自分の中だけに留めておくのではなく、言語化して相手にも伝えましょう。
7. まとめ
「仕事でミスを何度もしてしまう」といった人には、以下のような特徴があります。
|
個人が仕事でミスを何度もしてしまう原因は、以下の通りです。
|
ただし個人のミスの背景には、以下のように組織やチームに原因がある場合も多いです。
|
以下は個人が明日から実践できる仕事のミス対策7つです。
|
チームや組織単位で検討すべきミスの防止策は、以下の4つです。
|
仕事でミスをしたら社内からの信頼を失わないためにも、謝罪の際に以下2点に気を付けましょう。
|
仕事でミスをしてしまった場合、自分を責める人が多いかと思いますが、組織やチームに根本的な原因があることも多いです。
かといってミスを楽観的に捉えすぎるのはよくないですが、自分を責めるのではなく、今自分ができる対策を講じていきましょう。
-
-
ご相談・お問い合わせ
プランの選び方や料金詳細、導入にあたり不安なことなど、
いつでもお気軽にご相談ください!フォームでのお問い合わせ