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データセンターとは 情報システム担当者向けに基礎知識を徹底解説

  • 2022.12.12 (月)
    Posted by

「データセンターって、大企業が利用する施設じゃないの?」

「データセンターの利用には、かなり高額な料金がかかるんじゃないの?」

といったイメージをお持ちの方は、少なくありません。

しかしこれは間違いで、データセンターの中には、月額5万円程度で利用できるところもあります。まずはデータセンターに問い合わせて、自社の場合の利用料を確認してみましょう。NTT東日本のデータセンターでしたら、こちらからご確認・問い合わせください。

もし、もっと安く安全にデータを保管できるサービスをお探しでしたら、クラウドストレージがおすすめです。例えば、NTT東日本の「コワークストレージ」であれば月額2,750円~様々なプランを用意しており、企業規模に合わせて最適なプランをご利用いただけます。

また、データセンタでは下記のようなサービスが提供されており、これらを上手に活用すると、サーバーの管理や運営にかかるコストを節約する効果が期待できます。

datecenter2.png

では、データセンターとは、そもそもどういったものなのでしょうか。

また、データセンターを利用することにはどのようなメリット・デメリットがあり、その料金体系はどのようになっているのでしょうか。

この記事では、データセンターに関する以下のようなポイントについて、わかりやすく解説します。

この記事のポイント
  • データセンターとは
  • データセンターを利用するメリット
  • データセンターを利用するデメリット
  • データセンターの活用をおすすめする人
  • データセンターの料金体系と利用方法
  • データセンターを選ぶ際に重視すべきポイント

この記事を最後まで読めば、データセンターについて深く理解できるでしょう。

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1. データセンターとは

多くの企業から注目されている、データセンター。

そもそもデータセンターとは、どういうものなのでしょうか。この章では、データセンターについて詳しく解説します。

この章のポイント
  • データセンターとは
  • データセンターの種類
  • データセンターで利用できるサービス
  • データセンターとクラウドの違い

1-1. データセンターとは

データセンターとは、サーバーやネットワーク機器を設置・保管し、安定的に運用するために作られた「施設」のことをいいます。

データセンターの内部には、サーバーやネットワーク機器を保管するためのラックやスペースが並んでいるほか、これらの機器を安全に運用するために必要な、下記のような設備も整っています。

データセンターの設備
  • インターネット回線など、外部と接続するための高速回線
  • 冷却装置
  • 大容量電源
  • 空調設備

サーバーをはじめとするネットワーク機器を「正常」かつ「安全」に稼働させ続けるには、電源や温度、通信回線などを厳重に管理しなければなりません。

データセンターではこれらの設備を駆使することで、サーバーを安全に保管・運用しています。

1-2. データセンターの種類

データセンターは、そのサービスの提供形態によって「① ハウジング」と「② ホスティング」の2種類に分けられます。

① ハウジング データセンターに自社サーバーを設置

「ハウジング」とは、データセンターに自社サーバーを設置する利用形態のことをいい、「コロケーション」や「ケージング」と呼ばれることもあります。

データセンターの利用形態としては、この「ハウジング」が最も一般的です。

ハウジングの主な特徴
利用形態
データセンターに自社サーバーを設置
レンタルするもの
ラック・ネット回線・電源など
その他の特徴
  • 自社サーバーを引き続き使える
  • 機器の運用や保守は自社で行うのが基本だが、データセンターに任せることも可能
  • 物理的な不具合については、自社で対応する必要あり

データセンターにはサーバーを収容するためのラックが並んでいるのですが、ハウジングではユーザーがこのラックをレンタルし、自社サーバーを設置します。

利用可能な電源の容量はラックの大きさによって異なるため、ユーザーは、サーバーを設置・運用するうえで適切なサイズのラックを選び、契約します。

ホスティング 事業者のサーバーを借りる

「ホスティング」とは、データセンター事業者が保有するサーバーをレンタルする利用形態のことをいいます。

ハウジングではサーバーを設置するための「ラック」をレンタルしましたが、ホスティングでは「サーバー」それ自体をレンタルします。

ホスティングの主な特徴
利用形態
データセンター事業者が保有するサーバーをレンタル
レンタルするもの
サーバー
その他の特徴
  • 自社サーバーを用意する必要がないため、導入費用を抑えられる
  • データセンター事業者が対応しているOSが限定されている
  • ユーザーは、サーバーの運用保守を行わなくていい
  • トラブル発生時は、事業者側が解決するのを待つしかない

ホスティングでは、サーバーを1台まるごとレンタルすることもできますし、必要な容量だけをレンタルすることも可能です。

1-3. データセンターが提供するサービス

データセンターでは、主に、下記のようなサービスが提供されています。

場所の提供

データセンターが提供するサービスの中で最も特徴的なものが、「場所の提供」です。

1-1. データセンターとは」でご説明したように、データセンターは、サーバーをはじめとするネットワーク機器を設置・保管するための場所です。

データセンターには沢山のラックやスペースが儲けられており、利用者に対し、サーバー等を設置するための「場所」を提供しています。

電源の提供

データセンターでは、サーバーなどを運用するために必要な電源を、36524時間、安定的に提供しています。

データセンターには自家発電装置や無停電電源(UPS)などの設備が導入されているのが一般的で、停電時も、安定的に電源を供給することが可能です。

通信回線の提供

データセンターでは、インターネットに接続するために必要な「通信回線」も提供しています。

データセンターで提供される通信回線は一定の通信速度保障を謳っているものが多く、ユーザーは高品質な通信回線を利用することができます。

空調管理

データセンターでは、内部の空調管理を厳重に行っています。

サーバーを始めとするネットワーク機器は大量の熱を放出するため、空調管理がずさんだと、これらの機器の運用に支障をきたすリスクがあります。

この点、データセンターでは高性能な空調設備を整え、内部の温度や湿度を厳重に管理しているため、ネットワーク機器を正常かつ安定的に運用することが可能です。

セキュリティ対策

データセンターでは、サーバーなどのネットワーク機器を安全に運用するため、下記のように非常に厳重なセキュリティ対策が実施されています。

  • サイバー攻撃からサーバー等を守るための対策を実施
  • 詳細な場所を公表しないことで、物理的な攻撃から守る
  • 24時間体制で、サーバールームへの入退室を厳重に管理

データセンターのセキュリティレベルは非常に高く、万一トラブルが起きた場合も迅速に対応してもらえるため、安心してサーバーを預けられるでしょう。

※データセンターのセキュリティ対策については「2-3. セキュリティ対策が強固」で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

災害対策

データセンターでは、火災や地震をはじめとする災害発生時にも安定してネットワーク機器を運用できるよう、下記のように様々な災害対策が講じられています。

  • 火災検知システム、火災消火システムの導入
  • 災害が発生しにくい立地を選んでデータセンターを建設
  • 建物は免震、耐震構造

強固な災害対策が講じられていることも、データセンターの特徴的な点と言えるでしょう。

その他

データセンターでは、下記のようなサービスも提供されています。

  • IT機器を修理したり、組み立てたりする場所の提供
  • 休憩スペースなどの提供
  • データセンターに24時間スタッフを常駐させ、様々なトラブルに対処

1-4. データセンターとクラウドとの違い

データセンターとよく対比されるサービスに、「クラウド」があります。

クラウドとは、インターネットを経由してサーバーなどのITリソースを必要なだけ利用するサービスのことをいいます。

データセンターとクラウドは似て非なるもので、その主な違いは下記の通りです。

▼データセンターとクラウドの違い

データセンター
クラウド
主なサービス内容
サーバーなどを設置する場所を提供
サーバーなどのITリソースを提供
ネットワーク機器
自社で用意
サービス提供者が用意

ネットワーク機器の

運用・保守
自社で管理
サービス提供者が管理
カスタマイズ性
自社のニーズに合わせて設計
仕様が決まっているものが一般的

データセンターは、サーバーなどを設置する「場所」を提供するサービスですので、ネットワーク機器の購入や運用・保守は、利用者側が行います。

これに対して、クラウドはサーバーなどのITリソースを必要な分だけレンタルするサービスですので、ネットワーク機器の購入や運用・保守は、サービスを提供する側が行います。

2. データセンターを利用するメリット5つ

データセンターの利用には、下記のようなメリットがあります。

ここでは、データセンターを利用するメリットについて、解説します。

2-1. 電力や通信環境が安定的に供給される

サーバーをはじめとするネットワーク機器を運用し続けるには、安定した電力と通信環境が必須です。

この点、データセンターではネットワーク機器の運用に必要な電力を安定的に供給していますし、大規模停電が発生した場合にも電力の供給が止まらないよう、自家発電装置や無停電電源などが導入されています。

また、データセンターの通信インフラは一般的なオフィスよりも優れており、ユーザーは36524時間、快適な通信環境を利用できます。

そのためユーザーは、データセンターにサーバーなどのネットワーク機器を保管することで、これらの安定的かつ継続的な運用が期待できるのです。

2-2. 自社サーバーの管理・運用コストを抑えられる

データセンターの利用には、自社サーバーの管理や運用にかかるコストを抑えられる、というメリットもあります。

1-3. データセンターが提供するサービス」で解説したように、データセンターではサーバーなどを安定的に運用すべく、下記のようなサービスを提供しています。

  • サーバーなどを設置する場所の提供
  • サーバーなどを運用するために必要な電力や通信環境の提供
  • 空調管理
  • セキュリティ対策
  • 災害対策
  • サーバーなどの設定や保守(契約内容による)

これらを全て自社で行う場合、以下のような業務が発生しますが、それには莫大なコストがかかります。

・サーバーなどを設置するためのスペースを確保する

・サーバーが熱暴走でダウンしないよう、空調設備を稼働させる

・サーバーを安定的に運用できるよう、通信インフラを整える

・トラブル発生時はすぐに対応できるよう、24時間365日、専用のスタッフを配置する

この点、データセンターにサーバーなどを預ければこれらの業務を外部委託できますので、自社の負担を軽減できるのはもちろん、これにかかるコストを大幅に軽減する効果も期待できます。

2-3. セキュリティ対策が強固

データセンターでは保管しているネットワーク機器を様々な攻撃から守るため、非常に強固なセキュリティ対策が講じられています。

サーバーの管理にあたっては、情報面・物理面双方のセキュリティを同時に強化することが重要です。

この点、データセンターでは下記のようなセキュリティ対策により、サーバーの安全を守っています。

【情報面に対するセキュリティ対策】

  • サーバーをサイバー攻撃から守るための対策を実施
  • データは自動的にバックアップ

【物理的なセキュリティ対策】

  • データセンターの詳細な位置を公表せず、外部からの侵入リスクを軽減
  • 24時間365日、有人によるセキュリティ体制
  • 生体認証や接触型カードでデータセンターへの出入りを厳重に管理
  • 警備員が、データセンターの周辺を常に監視

このように、データセンターでは非常に強固なセキュリティ対策が講じられているため、自社内ですべてを完結させるよりも、かなり安全にサーバーを管理できるでしょう。

2-4. トラブル時はプロによる対応を受けられる

データセンターには、IT機器のプロが常駐しています。

そのため、預けているネットワーク機器に何らかのトラブルが発生した場合、プロによる迅速な対応を受けられます。

自社内にサーバーを設置している場合、ネットワーク機器の保守・管理のためだけに専門の人員を配置できる企業は、あまり多くありません。

そのため、開発メンバーがサーバーの保守・管理も担うことが多いのですが、そのメンバーが別の業務で忙しいときにトラブルが起きると、対応が遅れて被害が拡大してしまう可能性があります。

この点、サーバーをデータセンターに預けていればトラブル発生時に迅速な対応を受けられるため、企業としても安心できるのではないでしょうか。

2-5. 災害対策がしっかりとられている

データセンターでは、下記のようにかなり強固な災害対策が行われています。

  • 火災予兆システム、火災探知システムの導入
  • 火災消火システムの導入
  • 災害発生のリスクが低い立地の選定火災消火システムの導入
  • 建物を免震構造、耐震構造に

強固な災害対策が講じられたデータセンターにサーバーを預けておけば、災害発生時に「気づいたらデータを失っていた」「サーバーが稼働しなくなってしまった」といった事態を防ぐことができます。

もちろん、災害の規模次第で何らかの障害が起きる可能性は否定できませんが、自社でサーバーを管理するよりは、はるかに安全でしょう。

3. データセンターを利用するデメリット3つ

データセンターの利用には、下記のようなデメリットもあります。

ここでは、データセンターを利用するデメリットについて、解説します。

3-1. 一般的なレンタルサーバーに比べてコストが高い

データセンターの利用にあたっては、料金が発生します。

料金体系は月額制のところが一般的で、これに初期費用がプラスされる場合もあります。

また、多くのデータセンターでは1年程度の「最低利用期間」が設けられており、一度契約したら、その期間中は解約することができません(解約する場合は違約金が発生)。

さらに、データセンターに保管しているネットワーク機器を使用するには社内とデータセンターを通信回線でつながなければなりませんが、これにも回線料がかかります。

データセンターの利用にあたって発生するコスト
  • 初期費用
  • データセンターの月額利用料
  • データセンターと自社をつなぐための回線料
  • データセンターのオプションサービスを申し込む場合の追加費用

そしてこれらの費用は、一般的なレンタルサーバーの利用料金に比べて高額になりがちです。

データセンターの利用を検討するにあたっては、初期費用や月額利用料だけでなく、合計でどのくらいのコストが発生するのか、オプションなども含めた見積の提示を依頼しましょう。

そのうえで、データセンターを利用する場合と、一般的なレンタルサーバーやクラウドサービスを利用する場合でコスト面にどのくらいの差が生じるのか、慎重に検討してみることをおすすめします。

※データセンターの料金体系については「5. データセンターの料金体系と利用方法」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3-2. 100%トラブルが起きないわけではない

1-3. データセンターが提供するサービス」や「2. データセンターを利用するメリット5つ」で解説したように、データセンターでは非常に強固なセキュリティ対策や災害対策が講じられています。

ただし、データセンターにサーバーを預けていれば100%安全なのかというと、そうとも言い切れません。

大地震などかなり大規模な災害が起きた場合は保管してるサーバーを守り切れない可能性がありますし、これまでに例のないほど巧妙な手法によるサイバー攻撃を受ける可能性も、ゼロではありません。

また、データセンターを運営する事業者の倒産、といったトラブルも考えられます。

そして困ったことに、これらのリスクを正確に予測するのは非常に困難です。

データセンターを利用する際は、「自社でサーバーを管理するよりははるかに安全だが、100%安心というわけではない」という点についてしっかり理解しておきましょう。

そのうえで、安全性や信頼性の高いデータセンターを選ぶことが大切です。

3-3. データセンターに出向かなければならない場合がある

データセンターに預けているネットワーク機器の設定や保守、メンテナンス等は、基本的に自社で行います。

サーバーの運用や設定については遠隔操作が可能ですが、ネットワーク機器に物理的な障害が発生した場合は、データセンターまで出向かなければなりません。

また、データセンターでは不審者の侵入を防ぐため、内部への出入りに関して極めて厳しいセキュリティチェックが実施されています。

大切な機器を守るために大切な仕組みではありますが、ユーザー側としては、不便に感じるかもしれません。

データセンターを利用する際は、

・ データセンターまで出向かなければならない場合があること

・ データセンターに入る際は、厳しいセキュリティチェックをクリアしなければならないこと

について理解し、担当者間でしっかり共有しておくことが大切です。

4.データセンターの活用をおすすめする人

データセンターの活用をおすすめするのは、下記のような方々です。

ここでは、データセンターの活用をおすすめする人の特徴について、ご紹介します。

4-1. 自社サーバーの管理・運用にかかる負担を軽減したい人

自社サーバーの管理や運用にかかる負担を軽減したい方には、データセンターの活用をおすすめします。

サーバーを継続的に運用するには、

・ 安定的な電力の供給

・ 通信インフラの整備

・ 機器の熱暴走を防ぐための空調管理

・ 保守・点検をする人員の配置

・ 情報面、物理面のセキュリティ対策

・ 災害対策

といった業務が必要になります。

ただ、これら全てを自社で行うには、物理的にも金銭的にも、かなりの負担が生じますよね。

従業員数がさほど多くない企業の場合、サーバーの運用や保守、管理だけのためにスタッフを24時間365日配置するのは、現実的でないでしょう。

そこでおすすめしたいのが、データセンターの活用です。

1-3. データセンターが提供するサービス」でもご紹介したように、データセンターではサーバーを運用するために必要となる、下記のようなサービスが提供されています。

データセンターで提供されるサービス
  • サーバーなどを設置する場所の提供
  • サーバーなどを運用するために必要な電力や通信環境の提供
  • 空調管理
  • セキュリティ対策
  • 災害対策
  • サーバーなどの設定や保守(契約内容による)

データセンターを利用すれば、これまで自社で行っていたサーバー運用に必要な業務の多くを、アウトソーシングすることができます。

そうすれば、業務の負担が軽くなるのはもちろん、設備の導入や維持管理にかかる費用や人件費などついても、大幅なコストカットが期待できるでしょう。

4-2. サーバーの災害対策をより強固にしたい人

サーバーの災害対策をより強固にしたい方にも、データセンターの活用をおすすめします。

サーバーの安定的に運用するうえで欠かせないのが、災害対策です。

自社でサーバーの管理をしていると、大規模な地震が発生した際、システムがストップするリスクがあります。

また、通常、ビル火災はスプリンクラーで消化しますが、このとき、サーバーに水がかかり、故障してしまう可能性もあるでしょう。

サーバーは企業におけるネットワークインフラの根幹をなすものですので、災害時も事業を継続できるよう、入念な対策をしておかなければなりません。

そこで注目されているのが、データセンターを活用したBCP対策です。

データセンターは耐震・免震構造になっているため地震からサーバーを守れますし、火災発生時は消化性の高いガスを使用しますので、サーバーに水がかかって故障する、といった心配もありません。

現在、社内でサーバーを管理しているものの災害対策に関して不安がある、という方はデータセンターの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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5. データセンターの料金体系と利用方法

データセンターを利用する場合、どのような料金が発生するのでしょうか。

また、データセンター決定から利用開始までは、どのような流れで進めていけばいいのでしょうか。

この章では、データセンターの料金体系と利用方法について、解説します。

5-1. データセンターの料金体系

データセンターの利用には、下記のような料金が必要です。

初期費用

データセンターの利用を開始する際に、一度だけかかる費用です。

金額は事業者によって異なり、無料~20万円程度に設定しているところが一般的です。

月額利用料

データセンターの利用料金のメインとなるのが、月額利用料です。

「ラック使用料」「ラックレンタル料」と呼ばれることもあり、借りるラックの大きさによって料金が異なります。

同じラックでも電力容量によって料金が変わる場合があるので、注意しましょう。

電力利用料

電力利用料は、月額料金に含まれている場合と、従量課金される場合があります。

従量課金される場合は、利用した電力容量に応じた料金が請求されます。

回線使用料

データセンターの回線使用料は、大きく分けて「ベストエフォート型」と「ギャランティ型」の2種類があります。

料金体系
サービス内容
主な特徴
ベストエフォート型

事業者提示の最大通信速度を上限に、最大限努力した速度で接続

    • ・料金を安く抑えられる
  • ・通信速度が遅くなる可能性がある
ギャランティ型
一定の通信速度を保障
  • ・通信速度によっては、料金が高くなる
  • ・通信速度が安定している
  • ・専用の設備が必要な場合がある

通信速度の安定性を比較するとギャランティ型が勝ちますが、料金が割高であったり、専用の設備が必要になる場合があったり、といったデメリットもあります。

そのため近年は、料金を安く抑えられるベストエフォート型のプランを選択する企業が多い印象です。

⑤ オプション料金

データセンターを運営する事業者の中には下記のようなサービスを提供しているところがあり、これらのサービスを利用する場合、オプション料金が追加されます。

・ 故障時の対応サービス

・ サーバー運営のマネージメントサービス

・ セキュリティ対策

5-2. データセンターの利用方法

データセンターの利用申込みから利用開始までの流れは、下記の通りです。

データセンターの見学

データセンターの中には、内部や設備の見学を受け入れているところがあります。

自社の大切なサーバーを預けるのはどのようなところなのか、設備は充実しているか、しっかり確認しておきましょう。

条件等のチェック

利用したいデータセンターが決まったら、利用条件等のチェックをします。

具体的には、以下のようなポイントについて確認しておきましょう。

  • 料金は予算の範囲内か
  • ラックは、サーバーを設置するうえで十分な大きさか
  • 設置する機器の重量は、許容範囲内か
  • 機器の消費電力は、供給電力以下になっているか
  • 自家発電設備など、万一の場合に電力供給できる設備があるか
  • 災害対策は万全か

※データセンター選びのポイントについては「6. データセンターを選ぶときに重視すべきポイント5」でも詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

③ 契約

条件等に問題がなければ、いよいよ契約です。

契約を締結したら、データセンターへの入退室に必要な情報や、回線の利用開始に必要な手続き、機器の搬入や構築、設定などに関する案内が行われます。

④ 通信回線利用開始の手続き

データセンターの利用にあたっては、自社とデータセンターに保管するサーバーとをネットワーク接続しなければなりません。

データセンターが提供する回線を利用する場合、データセンターを運営する事業者との間で回線の利用契約を交わします。

データセンターが提供する回線とは別の回線を利用したい場合は、その回線業者との間で利用契約を締結し、契約情報をデータセンターに提供します。

⑤ 機器搬入・構築・設定など

データセンターの利用に必要な手続きが完了したら、サーバーなどの機器を搬入します。

機器は自分で搬入してもいいですし、ベンダーに依頼してもいいでしょう。

ベンダーに依頼する場合も、データセンターによっては利用者の立ち合いが必要な場合がありますので、事前に確認しておきましょう。

⑥ データセンターの利用開始

サーバーの構築や設定を行い、システムが正常に動くことを確認したら、いよいよ利用開始です。

これ以降は、契約内容に応じて、データセンターを運営する事業者が、サーバーを管理・運用します。

6. データセンターを選ぶときに重視すべきポイント5つ

データセンターを選ぶ際は、下記5つのポイントを必ず確認しておきましょう。

この章では、データセンター選びにおいて重視すべき5つのポイントについて、解説します。

6-1. データセンターの立地は適切か

データセンターを選ぶ際にまず確認したいのが、「立地」です。

3-3. データセンターに出向かなければならない場合がある」で解説したように、預けているサーバーなどに物理的な障害が発生した場合、データセンターに出向いたうえで対処する必要があります。

そのため、データセンターがあまりに遠い場所にあると、不便に感じるかもしれません。

もちろん、セキュリティや災害対策などの観点から、あえて自社から遠い場所のデータセンターを選ぶこともあるでしょうが、そういった場合でも自社からの交通の便が良いかどうか、確認しておくことをおすすめします。

6-2. トラブル発生時のバックアップ体制について

火災や地震など万一の事態が発生し、電力の供給が難しくなった場合において、いかにサーバーを安全に運用できるかが、データセンターの力の見せ所です。

データセンター選びでは、トラブル発生時のバックアップ体制についても、必ず確認しておきましょう。

データセンターにおけるトラブル発生時のバックアップ体制に関するチェックポイント
  • 停電時も、空調設備が正常に稼働する仕組みになっているかどうか
  • 停電時における電源供給方法
  • 自家発電装置等による連続電源供給時間
  • 自家発電装置を稼働させるための燃料ストック量と、燃料が尽きた場合の補給体制
  • 自IT機器専門のスタッフが常駐しているかどうか

停電などにより空調設備が動かなくなると、サーバーなどのネットワーク機器が熱暴走を起こし、様々な障害が発生する可能性があります。

データセンターのバックアップ体制をチェックする際は、万一のときに「サーバーを動かせるかどうか」ではなく、「サーバーを守れるかどうか」という点についても必ず確認しておくことが大切です。

6-3. 物理的なセキュリティ体制は万全か

サーバーなどのネットワーク機器がさらされているのは、サイバー攻撃をはじめとするネットワーク経由の脅威だけではありません。

建物に侵入して機器を破壊したり、データを盗んだり、といった物理的な脅威からも、サーバーを守る必要があります。

そこで確認しておきたいのが、データセンターの「物理的なセキュリティ体制」です。

データセンターの物理的なセキュリティ体制に関するチェックポイント
  • 関係者以外、絶対に立ち入ることができない仕組みになっているかどうか
  • 建物への入退出の管理が厳重かどうか
  • データセンターの詳細な場所が、非公開になっているかどうか

データセンターによっては、内部への立ち入りについて事前申請を義務付けているところや、指紋認証制度を導入しているところがあります。

情報面だけでなく物理面においても厳重なセキュリティ体制をとっているデータセンターならば、会社の大切なサーバーを安心して預けられるでしょう。

6-4. ラックやスペースに空きがあるか

意外と見落としがちなのですが、データセンターを選ぶ際は、ラックやスペースに十分な空きがあるかどうか、という点についても確認しておくことも大切です。

自社でサーバーを保有している場合、事業の拡大に伴いサーバーを増設したり、移転したりする可能性があります。

こういったケースにおいて、データセンターのラックやスペースに空きがあれば、これを利用することができますが、そうでない場合、別のデータセンターを利用する必要があります。

そして、複数のデータセンターを利用する場合、何かトラブルが生じると、データセンター間を行き来しなければなりません。

これは、企業にとって大きな負担となるでしょう。

データセンターを選ぶ際は、ラックやスペースに十分な空きがあるかどうか、必ず確認しておくことをおすすめします。

6-5.データセンターの利用料金は予算の範囲内か

ここまでの考察から、企業にとって条件の良いデータセンターには、以下のような特徴があることが分かります。

・ 立地が良い

・ トラブル発生時のバックアップ体制がしっかり整っている

・ 物理的なセキュリティ体制が強固

・ ラックやスペースに十分な空きがある

・ 災害対策が万全

・ 情報面に対するセキュリティ対策が強固

ただ、これらの条件がすべてそろったデータセンターを利用するとなると、それなりの費用がかかります。

もちろん、ニーズに合ったデータセンターを探すことは大切ですが、データセンターの利用には毎月の利用料金が発生しますので、これが予算の範囲内におさまっているかどうか、慎重に確認する必要があります。

予算オーバーでデータセンターの利用を中止せざるを得ない、といった状況に陥っては大変ですので、データセンターを選ぶ際は利用料金が予算の範囲内かどうか、必ず確認しましょう。

データセンターの料金体系は事業者によって異なるため、見積りを取る際は細かい部分まで、しっかり確認することをおすすめします。

7. データを一元管理するならサーバーだけでなくクラウドストレージもおすすめ!

企業にとって、データを一元管理して共有することは、業務の効率化や業績UPを目指すうえで非常に重要な課題です。

そこで注目されているのが、ネットワーク環境を利用したデータの一元管理です。

7-1.ネットワーク環境を利用してデータを一元管理する方法3つ

ネットワーク環境を利用してデータを一元管理する方法には主に、次の3種類があります。

① NAS

NAS(ナス)とは「Network Attached Storage」の略で、ネットワーク上で接続できるハードディスクのことをいいます。

複数の端末からのアクセスが可能で、サーバーに比べて安価に導入できます。

サーバー

サーバーとは、データやコンテンツなどを提供するコンピュータのことをいいます。

ネットワーク上でファイルの保管・共有ができるほか、必要に応じて機能やストレージを増設できるなどカスタマイズ性にも優れているため、高度な利用をしたい方に適しています。

クラウドストレージ

クラウドストレージとは、データを保存するために設置された、インターネット上にあるファイルサーバーのことをいいます。

インターネット環境さえあればすぐに利用できるため導入が容易で、運用コストも安いことから、クラウドストレージを利用する企業は少なくありません。

7-2【データの保管方法別】メリット・デメリットを比較

NAS、サーバー、クラウドストレージ、それぞれを用いたデータの一元管理には、下記のようなメリット・デメリットがあります。

メリット
デメリット
NAS
  • ・難しい設定が不要で、簡単に設置できる
  • ・サーバーに比べて安価
  • ・故障によるデータ消失のリスク
  • ・拡張性や柔軟性に乏しい
サーバー
  • ・セキュリティが強固
  • ・拡張性に優れている
  • ・カスタマイズしやすい
  • ・コストが高い
  • ・故障によるデータ消失のリスク
  • ・管理、運用には専門知識が必要
クラウド
ストレージ
  • ・導入、運用コストが安い
  • ・インターネット環境があれば利用できる
  • ・セキュリティ対策がとられている
  • ・運用サーバーに障害が発生するリスク
  • ・事業者都合によるサービス停止の可能性

どの方法にも、それぞれにメリット・デメリットがあることがわかります。

セキュリティ面やカスタマイズ性を重視するならばサーバー、コストを抑えたいならばクラウドストレージ、といったところでしょうか。

7-3.初期コストを抑えつつデータを一元管理するならクラウドストレージがおすすめ!

データの一元管理と社員間での共有は企業にとって重要な課題ですが、いきなり多額の設備投資をしたり、人員を割いたりするのは難しいですよね。

そこでおすすめしたいのが、クラウドストレージの活用です。

クラウドストレージならば、初期費用を抑えられますし、インターネット環境さえあれば簡単に導入することが可能です。

ここで、NAS、サーバー、クラウドストレージ、それぞれのデータ管理方法における導入時のコストと業務負担を比較してみましょう。

導入時のコストと業務負担を比較

NAS
サーバー
クラウドストレージ
初期コスト

サーバーよりは安い

高い

安い(無料の場合もあり)
業務負担

難しい設定は不要だが、機器を用意する必要がある
  • 導入や設定には専門知識のあるスタッフが必須

インターネット環境があれば、すぐに利用可能

クラウドストレージは他の方法に比べて、導入時のコストや業務負担を抑えられることがわかります。

専用の機器を導入したり、専門知識のあるスタッフを雇用したりする必要がないのも、魅力的ですよね。

データを一元的に管理したいけれど、そこまでコストをかけられない…という方は、クラウドストレージの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

7-4.クラウドストレージはコワークストレージがおすすめ!

クラウドストレージの利用をご検討中ならば、コワークストレージをおすすめします。

その理由は、以下の3つです。

導入・運用コストが安い

コワークストレージは、初期費用無料で利用可能です。

また、料金プランも豊富で「スタンダードプラン」ならば月額2,750円(税込)で利用することができます。

コワークストレージの料金プラン

※ご利用にはインターネット接続環境が必要です。

初期費用や運用コストを安く抑えられるのは、とても魅力的ですよね。

インターネット環境さえあれば利用できる

コワークストレージは、データを保存するために設置されたインターネット上の空間を提供する、クラウドストレージサービスです。

そのため、インターネット環境さえあれば、すぐに利用を始められます。

NASやサーバーを導入する場合のように専用の機器を購入する必要はありませんし、専門知識を要する複雑な設定も必要ありません。

導入時の業務負担が軽いというのは、企業にとってかなり魅力的なポイントですよね。

セキュリティ対策が強固

クラウドストレージを利用するうえで心配なのが、セキュリティですよね。

いくら便利なサービスでも、セキュリティに不備があり情報が流出してしまっては、元も子もありません。

この点、コワークストレージでは以下のように、とても強固なセキュリティ対策が実施されています。

コワークストレージのセキュリティ
  • データは、国内のサーバーで保管
  • 多要素認証機能の搭載によりなりすましを防止
  • 保管されるデータを自動的に暗号化し、データの機密性を保護
  • 2段階認証機能によるセキュリティ対策の強化

十分なセキュリティ対策が実施されているクラウドストレージならば、安心して利用できますよね。

以上のようにコワークストレージは、導入にかかるコストや業務負担を抑えられるうえ、強固なセキュリティ対策で安心して使えるクラウドストレージサービスです。

データの一元管理をするにあたりクラウドストレージを導入しようと考えている方は、コワークストレージの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

データセンターとは、サーバーを始めとするネットワーク機器を保管する施設のことをいいます。

ここには、機器を安定的に運用するための様々な設備がそろっており、以下のようなサービスが提供されています。

データセンターの利用には以下のようなメリット・デメリットがありますので、よく理解しておくことが大切です。

次に該当する方は、データセンターの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

データセンターを上手に活用すれば、自社の管理・運用・保守にかかる負担を大幅に軽減できるかもしれません。

自社サーバーの運用に負担を感じている方は、データセンターを活用してみてはいかがでしょうか。

現在、国内には複数のデータセンターがありますので、まずは複数社で見積をとることから始めてみるのもおすすめですよ。

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