農業ロボット技術と情報通信技術の活用したスマートアグリシティへの挑戦
[構想段階] 自動走行(レベル3)に向けた超低遅延/高精細映像伝送の実証実験
通信技術の進化によって、農業分野においてもスマート化実現に向けた取り組みが推進されています。このブースでは、長期にわたる就農人口の減少と高齢化、後継者不足による「労働力の不足」に直面する日本の農業を、ICTの活用で維持・拡大するためのNTT東日本の取り組みとして、農機のIoT化と安全性の高い遠隔監視および自動走行についての実証実験について紹介していました。
岩見沢市、北海道大学、NTT持株、NTT東日本、NTTドコモの5社は、先端の農業ロボット技術と情報通信技術の活用による世界トップレベルのスマート農業およびサステナブルなスマートアグリシティの実現をめざして、2019年6月28日に産官学連携協定を締結しました。以来、現在の農業の課題を解決するためのさまざまな取り組みが行われています。
その中で北海道大学は、岩見沢市などをフィールドとして近未来スマート農業技術の実証に取り組み、自動運転農機などのロボット化やベテラン農家の匠の技をデータ化・活用した農業の実現によるイノベーション創出に取り組んできました。
自動運転農機については現在、世界に先駆けた複数台の協調作業システムや遠隔監視による無人状態での自動走行(レベル3)の実証フェーズにあります。しかしその実現に向けては、正確な測位情報が必要なことに加え、万が一の場合には遠隔監視者の緊急介入が不可欠で、農機に搭載されたカメラからの映像情報などを、低遅延かつ信頼性を担保しながら監視拠点まで伝送する「超低遅延/高精細な映像伝送システム」が必要となっていたということです。
今回の展示では、NTT東日本が、北海道大学の自動運転技術、およびNTTドコモの5Gと連携して、2019年10月に、遠隔監視による無人状態のトラクタを使っての「自動走行(レベル3)に向けた超低遅延/高精細映像伝送の実証実験」を経団連向けに実施したこと、そして実施したデモで、NTT東日本のデジタルデザイン部が構築した映像伝送システムが、葉が揺れているのが分かるほどの高精細な動画を低遅延で送信することに成功したことを紹介しています。
将来、農機は動くIoT機器として位置づけられ、複数台のカメラやセンサーを搭載した農機から、作物の生育や土壌、病害虫の発生、農作業などの状況、農機シェアリングを行うための農機の空き状況など、さまざまなデータを収集されるようになるとのこと。それらのデータは農機以外のさまざまな情報と組み合わせてAIにより処理・分析することにより、農作業者が取るべき行動を適切かつタイムリーに促してくれるようなソリューションをめざしているということでした。
ご来場いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
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