地方自治情報化推進フェア2018出展レポート
地方自治情報化推進フェア2018は、利便性の高い先進的な情報システムや地域を元気にする便利な行政サービス、効率的で災害に強い電子自治体の実現に資する最新システムなどの展示とデモンストレーションを行う展示会です。会場となった東京ビッグサイトには、全国から多くの自治体関係者やシステム開発関係者が訪れ賑わいを見せました。NTTグループではNTT東日本、NTTコミュニケーションズ、NTTデータの3社合同で出展を行い、NTT東日本の出展ブースでは「安心安全な街づくり」「観光推進・地域活性化」をテーマにしたサービスを展示紹介し、来場者の大きな関心と注目を集めました。
【日時】2018年10月23日~24日 【会場】東京ビッグサイト 西展示棟 西3・4ホール
【出展会社】NTT東日本、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ
「NTT東日本の公共・自治体への取り組み」について詳しく見る
NTTグループ共同出展 NTT東日本ブースのご紹介
災害に強い街づくりに貢献する被災者生活再建支援システム
災害大国とも言われる日本。いま行政では災害が避けられないことを前提にリスクの軽減と備えを行い、災害後の回復に重点を置いた対応力が求められており、大きな災害が頻発した近年は被災者の生活再建支援事業の重要性や注目度がさらに高まっています。
被災者生活再建支援システムは震災対応として導入が始まりました。初めての実証は2004年の中越地震の小千谷市でした。その後さらなる研究と検証を経て2012年には製品版をリリースし、全国のさまざまな自治体様に導入いただきました。また、2016年の熊本地震、2018年6月の大阪北部地震、7月の平成30年7月豪雨、9月の北海道胆振東部地震などにおいても各自治体で導入されています。前述した2018年の災害の多数は総合行政ネットワーク「LGWAN」でサービス提供される「Bizひかりクラウド版」が活用され、近年の風水害にも対応できるよう機能が拡張されており、実際に被災地でその有用性が実証されています。
り災証明書の発行をはじめとする被災者の生活再建支援業務には、建物被害認定調査、調査結果のデータ化、り災証明書の発行、生活再建支援という4つのフェーズがありますが、それぞれに「建物被害調査員を確保できない」「調査票をデータ化するのが大変」「り災証明書の発行に膨大な時間がかかる」「支援対象者の特定や公平公正な支援が困難」といったボトルネックがあります。
被災者生活再建支援システムでは、それぞれの課題を解決するために、内閣府の指針に沿った建物被害認定調査のための研修を実施し、フロー化された分かりやすい調査票を用いて調査できます。また調査票のデータを紙やタブレットから登録、またはスキャナーで読み取ることで被害結果を地図上の位置データや文字情報に表示させる仕組み、り災証明書発行の際に被害状況などを画面を見ながら住民と対話・確認できる仕組み、住民に対する仮設住宅や支援金・義援金、税の軽減などの支援情報を登録、管理する被災者台帳の仕組みなどを用意しています。
り災証明書の公平公正で迅速な発行と被災者台帳の構築に止まらず、被災者の生活再建支援業務全体のマネジメントを実現するとともに、自治体職員の方々の業務負担にも貢献するICTの力。それが被災者生活再建支援システムです。
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Bizひかりクラウド 被災者生活再建支援システム被災地の自治体における公正公平かつ迅速なり災証明書の発行と被災者台帳の構築をサポートするとともに、生活再建支援における業務全体のマネジメントを可能にします。
~平常時からの被災者生活再建支援システム導入で災害に負けない街づくりを提供~
被災者生活再建支援システムは、阪神・淡路大震災を契機に産官学の連携による研究成果に基づいて設計され、実際に各地の災害で利用されてきました。
被災者再建支援システムのコンセプトは「災害に負けない街づくり」。近年特に求められているのは、行政による災害発生後のしなやかな回復力の支援であり、被災者の生活再建業務をいかに効率的に進めていけるかが問われています。
災害時でも自治体の業務には公平、公正で迅速な生活再建支援が求められ、仮設住宅、支援金の支給、り災証明書の発行など、自治体職員が生活再建支援業務をすみやかに行うことを本システムはめざしています。
被災者の生活再建支援業務を行った被災自治体では、災害が起きるまでシステムの整備が難しかったのが実情で、急遽、混乱のなかで住民基本台帳や家屋データをセットアップする等、苦労しながらシステムを導入されました。NTT東日本では被災自治体からの導入検討依頼を受け、災害発生後すぐに被災地へ向かいましたが、システムのみならず被災地支援業務全般の業務フロー等の計画策定など平常時からの準備の必要性を強く感じました。
被災者再建支援システムは、クライアント・サーバー版のほか、都道府県で導入し、各自治体が共同で利用できるプライベートクラウド版や、総合行政ネットワーク「LGWAN」を利用するBizひかりクラウド版を提供し、地域でのニーズに柔軟に対応しています。平常時からの導入をお早めにご検討ください。
平常時・災害時、いつでも使える安心Wi-Fiソリューション
スマートフォンやタブレットなどモバイル端末の普及に伴い、オフィスや公共施設などでモバイル端末やICTを効果的に活用し、業務の効率化や新たな公共サービスの充実を図りたいというニーズが高まりを見せています。その一方で、ICT担当者の不足や導入・運用に手間がかかるなど、さまざまな課題があります。このような課題解決をサポートするため、NTT東日本では一つの対応策として導入から運用まで一括してサポートする、サポート付簡単オフィスWi-Fiサービス「ギガらくWi-Fi」を提供しており、すでに多くのお客さまにこのサービスを活用いただいています。
出展ブースでは、「平常時・災害時 いつでも使える安心Wi-Fiソリューション」「充実したおもてなしに貢献する観光Wi-Fiソリューション」をテーマにWi-Fi利用イメージを想起させる展示を行いました。
防災向けソリューションは、平常時は体育館などの公共施設や自治体庁舎などで施設案内情報など、利用者の利便性や地域を活性化する情報などをWi-Fiを利用してサイネージ(電子看板)に掲載する事例をご紹介しました。この環境を避難所に指定されている多拠点に導入をすることで、災害時には自治体から避難所への情報提供にも利用することが可能となります。特に、12月から有料の自動配信コンテンツとしてサービスを開始しているエヌ・ティ・ティレゾナント株式会社が提供する「デジタルサイネージ向け災害情報配信サービス」は、近年自然災害が増えてきていることもあり多くの自治体関係者の方が説明を求める姿が多く見られました。
また、観光向けソリューションとして、観光客の動線上にWi-Fi環境を構築し、店舗・商業施設や文化観光施設でのICTによる多言語対応により、観光客の満足度を向上させて地域の周遊や消費を促進していくという利用イメージをご紹介しました。クラウド型ロボットプラットフォームサービス「ロボコネクト」の実機や株式会社ネットスターズが提供する「マルチQR決済サービスStarPay」のデモ機など展示することで多くの方に興味をもって手に取っていただきました。
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・「デジタルサイネージ向け災害情報配信サービス」のご利用にはエヌ・ティ・ティレゾナント株式会社との契約が必要です。
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・「StarPay」のご利用には株式会社ネットスターズとの契約が必要です。
LGWAN-ASPを始めようとお考えの企業様向けIaaSサービス
NTT東日本では、全国の自治体を相互に接続する行政専用のネットワークであるLGWAN(総合行政ネットワーク)に接続可能なクラウド基盤を提供するホスティングサービスを行っており、LGWANを利用してアプリケーションサービスの提供を考えているパートナー企業様向けに展示を行いました。
財務会計、人事・給与、各種証明書のコンビニ発行など自治体業務のICT化が進む中、LGWAN-ASP登録数もここ2~3年で伸びが顕著になっており、今後もサーバー更改のタイミングでオンプレミスからLGWAN接続への切り替わりが進むと思われます。
NTT東日本が提供するIaaSサービスは、CSゴールドマークを取得したクラウドゲートウェイ サーバーホスティング。このサービスを利用すれば、LGWANを経由して全国の自治体にアプリケーションサービスの提供が可能になります。また、NTT東日本ではこれまでの実績を元に、ネットワークやクラウドの設計コンサルティング、LGWANを運営するJ-LISへの申請代行も行なっており、サービス基盤をNTT東日本にお任せいただくことで、パートナー企業様はアプリケーションサービスの開発と販売、運用に注力することができます。
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※IaaS=「Infrastructure as a Service」の略で、システムが稼動するためのインフラ環境を提供するクラウドサービスです。
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自治体向けアプリケーション(LGWAN-ASP)NTT東日本のクラウドゲートウェイ サーバーホスティング×ビジネスパートナー企業によるさまざまなソリューション。NTT東日本のクラウド基盤(CSゴールドマークを取得済)を活用したパートナー様のアプリケーションサービスを、LGWAN経由でご利用いただく選択肢をご紹介いたします。
ご来場いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
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