課題
高度経済成長期に一斉整備された社会インフラの急速な老朽化が進む一方、維持修繕に関わる予算は大幅に減少し、点検を実施する人手も不足しているため、点検・修繕コストの低廉化が求められています。
取り組み
これまで人手で行ってきた現地踏査、路面状況計測、路面画像評価業務を、AI やIoTの技術を活用し大幅に効率化することで、リーズナブルに点検ができる新たなサービスを、ニチレキ株式会社、NTTコムウェア株式会社、NTT東日本の三社で共同開発しました。
「smart路面点検サービス」を活用することにより、ニチレキ株式会社では点検コストが従来より60%※削減できました。また、ひび割れ・局部損傷箇所を計画的に小規模補修することが可能です。
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※ニチレキ株式会社比であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
今後は、路線数、路線延長ともに膨大な地方公共団体が管理する道路に対し、セキュアな環境下での点検・早期補修による道路予防保全の全国展開を推進していきます。
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早期道路補修による[[自治体のメリット]]
表層の補修を早期に行うことで、自治体は補修費用を低減可能
道路にひび割れや穴(ポットホール)があいてしまうと、「路盤」といわれる基礎の劣化が進行します。路盤を含めた補修は、表層のみの補修と比べ費用がかかると言われています(下記「参考」参照)。よって、穴があく前に補修することが重要です。
ライフサイクルコスト※の低減・長寿命化
短期的には修繕箇所が明確化され修繕費用が増加するという懸念もありますが、国交省が推進している予防保全(早期の修繕)を実行することで、上記のとおり、長期的には稼動やコストを低減することができます。但し、自治体が舗装の点検・補修にかけている稼動やコストは、地域特性(人口・交通量・積雪の有無など)により区々です。
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※ライフサイクルコスト(LCC):年間単位ではなく、数十年スパンでみた維持・修繕費
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道路のプロのニチレキ社との協業により、地域に合わせた補修計画・補修工法についての専門的コンサルが可能です。
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NTT東日本としても、道路予防保全に利用可能な補助金獲得に向けた国土交通省への働きかけを進めます。
参考 国土交通省「これからの舗装マネジメント」より抜粋
〔舗装管理の現状〕
都道府県・政令市の約8割、市町村の約2割は舗装の点検を実施
予算は減少し、適切な予防保全・修繕などが十分に行われていない
〔LCC縮減には路盤の健全性確保が重要〕
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表層などの損傷箇所から路盤に雨水などが浸入することにより路盤の支持力が低下し、舗装構造全体の損傷につながる
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路盤を修繕した場合、表層などだけの修繕と比較し、費用は3倍以上、工事期間は4倍
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また、路盤を直さずに表層などのみを直した場合は、路盤の支持力が低下しているため、短期間で表層などが傷む
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以上から、路盤を健全に保つことが重要で、表層などの適時修繕が必要
〔アスファルト舗装〕
POINT
ひび割れや穴(ポットホール)があいてしまうと路盤の損傷が進行してしまいます。LCCの縮減のため、表層を早期に修繕していくことが重要です。
POINT
本取り組みは、点検だけに留まらず、切削オーバーレイと比較し、修繕範囲をより限定し施工も簡易なニチレキ社独自の修繕工法である「常温表面処理工法」もセットで提案できるため、自治体は費用縮減が見込めます。