お手持ちのパソコン・スマートフォンに専用アプリを入れることで、場所を問わず発着信ができるサービスです。「Webex Calling」「Microsoft Teams」「ひかりクラウドPBX」「MiiTel」「RING x LINK」に対応しています。
もっと知りたい!電話関連コラム
コールセンターのクラウド化が進む理由とは?オンプレミスとの違いやメリットも紹介
慢性的な人手不足が続くコールセンター業界では、柔軟な働き方の推進や業務効率化が求められています。このような状況下で注目を集めているのが「クラウド型コールセンターシステム」です。クラウド型コールセンターシステムは、従来のオンプレミス型に比べて導入のしやすさや拡張性に優れ、リモートワークにも対応できる点がメリットといえます。
本記事では、クラウド型コールセンターシステムの特徴やオンプレミス型との違い、導入が求められる背景、メリット・デメリットなどについて解説します。コールセンター業務のリモートワーク化や業務効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事において、「固定電話」とはNTT東日本の電話サービス「加入電話」「INSネット」「ひかり電話」などを指します。
-
\今すぐ話して解決/
-
\フォームでお問い合わせ/
公開日:2025年7月24日
この記事でわかること
- クラウド型コールセンターシステムの概要とオンプレミス型との違い
- クラウド型コールセンターシステム導入のメリット・デメリット
- NTT東日本の「ひかりクラウド電話」について
目次
クラウド型コールセンターシステムとは
コールセンターシステムとは、コールセンター運営に必要な複数の機能を統合的に提供するシステムです。主な機能として、自動音声応答や通話録音、顧客情報管理、オペレーター管理、レポート機能などが挙げられます。近年、リモートワークや多様な働き方への対応ニーズが高まり、クラウド型コールセンターシステムの需要も拡大しています。
クラウド型コールセンターシステムとは、システムをクラウド上で構成することでこれらの機能をインターネット経由で利用できるサービスです。インターネット接続環境を整えることで、オフィスはもちろん、自宅や外出先からもアクセスでき、柔軟な働き方を実現しやすくなります。
システムによっては、通話内容や業務進捗が可視化される点が特徴といえます。スーパーバイザーが応答率や一次解決率などの指標を把握し、トークスクリプトの改善やナレッジ共有にも活用できると考えられます。近年では、AI音声認識や分析機能を備えたサービスも登場しており、より高度な品質管理や業務改善に役立つでしょう。
オンプレミス型との違い
従来、コールセンターシステムはオンプレミス型で構築するのが一般的でした。オンプレミス型のコールセンターシステムを運用する場合、サーバーなどのハードウェアや、ソフトウェアを自社で保有・管理する必要があり、初期費用が大きくなる傾向があります。さらに、システムの構築や拡張にも時間とコストがかかるケースも見受けられます。
一方、クラウド型は自社でハードウェアを保有せず、インターネット経由でサービスを利用するため、初期費用を抑えて比較的スピーディな導入が可能です。
オンプレミス型とクラウド型コールセンターシステムの一般的な違いを、以下の表で確認してみましょう。
| オンプレミス型 | クラウド型 | |
|---|---|---|
| 初期費用 | × 高い |
◯ 低い |
| 導入期間 | × 長期 |
◯ 短期 |
| カスタマイズ性 | ◯ 高い |
△ やや低い |
| 柔軟な働き方への対応 | × 難しい |
◯ 対応可能 |
クラウド型コールセンターシステムは、カスタマイズ性ではオンプレミス型に劣るものの、初期費用の低さや短期導入、柔軟な働き方への対応という点で優れています。インターネット接続環境があれば場所を問わず利用できるため、リモートワークを推進したい企業にとっては有力な選択肢になるといえます。
また、新規立ち上げや拠点拡大時にコールセンターを迅速に構築したい場合や、キャンペーン時など期間限定でコールセンターを強化したい場合にも、クラウド型は有効でしょう。
クラウド型コールセンターシステムが求められる背景
クラウド型コールセンターシステムが求められる背景には、オペレーターの慢性的な人手不足が挙げられます。多くのコールセンターでは、正社員よりもアルバイトやパートタイムの比率が高い傾向で、離職率も高止まりしているのが現状です。コールセンターへの需要はあるものの、安定的な人材確保や育成に課題を抱えている企業が少なくありません。
このような状況下で、クラウド型コールセンターシステムは、人材不足への有効な対策の一つとされています。たとえば、地方在住のオペレーターが自宅から勤務できる環境を整えやすく、地理的な制約を超えた人材活用が可能になるでしょう。また、比較的短期間でシステムを立ち上げられるため、繁忙期やキャンペーンなど一時的な人員強化にも柔軟に対応できると考えられます。
さらに、生成AIや音声分析などの最新技術と組み合わせることで、オペレーター教育や業務効率化の取り組みにもつなげやすい点が魅力です。
クラウド型コールセンターシステムで利用できる主な機能
クラウド型コールセンターシステムによっては、従来のオンプレミス型と同様に、多くの業務支援機能を利用できます。主な機能の例は、以下のとおりです。
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| CTI |
|
| CRM |
|
| IVR |
|
| 通話録音 |
|
さまざまな機能がクラウド環境でも利用でき、コールセンターの運用効率化や品質管理を強化できるでしょう。CTIについては、以下の記事で詳しく解説しています。併せてぜひご覧ください。
クラウド型コールセンターシステムを導入するメリット
ここからは、企業がクラウド型コールセンターシステムを導入するメリットについて解説します。
リモートワークに対応できる
クラウド型コールセンターシステムを導入すれば、場所に縛られず業務が行えるため、リモートワークに対応できるようになります。子育てや介護、家庭の事情による転居などが原因で離職を余儀なくされたオペレーターも、在宅勤務が可能となり、人材確保につながるでしょう。
また、採用地域を全国に拡大でき、地方在住の優秀な人材を獲得しやすくなる点もメリットです。慢性的な人手不足に悩むコールセンター業界にとって、クラウド型システムは有効な選択肢といえます。
コスト低減につながる
クラウド型コールセンターシステムは、オンプレミス型と比べて導入コストの面で有利といえます。オンプレミス型では、サーバーや回線などに高額な初期費用がかかる傾向です。一方、クラウド型では物理的な設備を社内に設置する必要がなく、導入コストの低減につながると期待できます。
また、多くのクラウド型サービスは「従量課金制」を採用しており、これは利用状況に応じて料金が発生する仕組みです。繁忙期や閑散期の変動にも柔軟に対応できるため、コスト管理を実施しやすくなるでしょう。
BCP対策(事業継続計画)を実施できる
クラウド型コールセンターシステムの導入は、BCP対策(事業継続計画)にも有効と考えられます。地震や洪水、感染症の流行などによりオフィスが被災して閉鎖された場合、オンプレミス型ではサーバーや通信設備が停止するリスクがあります。
一方、クラウド型ではデータがクラウド上に保存されているため、インターネット接続環境を確保できれば自宅などから業務の継続が可能です。コールセンターの事業停止リスクを低減し、迅速な復旧を図りやすくなる点が大きな強みといえるでしょう。
短期間で導入できる
クラウド型コールセンターシステムは、導入までのスピードも魅力の一つです。従来のオンプレミス型では物理設備の調達や構築に時間を要しますが、クラウド型ではサーバー設置が不要なため、比較的短期間で稼働を開始できるでしょう。
急なキャンペーン対応や新規拠点の立ち上げにも迅速に対応でき、ビジネスチャンスを逃さず展開できると考えられます。
業務効率・顧客満足度の向上につながる
クラウド型コールセンターシステムには、電話やメール、SNSなど多様なチャネルを一元管理できる機能を備えたものもあります。顧客対応履歴が共有されることで、別の担当者が応対してもスムーズなやり取りが実現しやすくなり、業務効率の向上が期待できます。
また、顧客側でも待ち時間や説明の手間が軽減され、企業への信頼や満足度が高まる効果も見込めるでしょう。
クラウド型コールセンターシステムを導入するデメリット
クラウド型コールセンターシステムには多くのメリットがありますが、いくつか注意すべきデメリットも存在します。ここでは、2つのデメリットを紹介します。
情報セキュリティ対策に懸念が残る可能性がある
クラウド型コールセンターシステムでは、顧客情報がクラウド上のサーバーに保存され、インターネット経由でアクセスするため、情報漏えいへの懸念が残る場合があります。とくにコールセンターでは、住所や電話番号、契約内容などの個人情報を扱うケースが多く、情報セキュリティ対策は慎重に検討すべきポイントです。
ただし、近年は通信の暗号化や多要素認証、アクセス制限などの情報セキュリティ対策が強化されたクラウド型コールセンターシステムも増えています。サービス選定時には、提供事業者の対策内容をよく確認し、自社のポリシーに適合しているかを見極めることが大切です。
カスタマイズに制約がある
クラウド型は、一般的にオンプレミス型と比べてカスタマイズ性が低いとされています。オンプレミス型では、自社独自の業務フローに合わせた機能追加や改修が柔軟に行えますが、クラウド型ではサービス提供側の仕様に準拠することになります。そのため、必要な機能が利用できなかったり、業務プロセスの変更を求められたりする点がデメリットといえます。
また、外部システムとの連携や独自のレポート機能などを求める場合、実現が難しいこともあるでしょう。そこで、導入前に自社の業務要件を整理したうえで、対象のクラウドサービスが必要な機能や拡張性を備えているかについて、十分に確認することが大切です。
クラウド型コールセンターシステムの選び方
クラウド型コールセンターシステムには、多種多様なサービスがあります。自社に適したシステムを選ぶためにも、選定時に押さえておきたいポイントを解説します。
必要な機能が利用できるかを確認する
まずは、自社にとって必要な機能が搭載されているかを確認することが大切です。
コールセンター業務では、顧客管理や着信の自動振り分け、オペレーター管理、通話録音、レポート機能などが基本機能として求められます。これらの機能に加え、自社の業務フローや運用方針に応じて必要となる機能を事前にリストアップし、候補となるシステムで対応可能かどうかを確認しましょう。
情報セキュリティ対策を確認する
クラウド型コールセンターシステムを導入する際には、情報セキュリティ対策の確認が欠かせません。
たとえば、データ通信の暗号化対応や、特定のIPアドレス※1からのみアクセスを許可するIP制限、データバックアップ体制、プライバシーマークの取得状況などを確認することが大切です。自社の情報セキュリティポリシーと照らし合わせて、要件を満たしているかを事前にチェックしましょう。
-
※1IPアドレス:インターネットに接続する端末に割り当てられる識別番号。
導入実績を参考にする
クラウド型コールセンターシステムの選定時には、導入実績も重要な判断材料となります。
候補となるシステムが、自社と同規模・同業種・類似した業務形態の企業でどのように導入され、どのような成果を上げているのかを確認することで、導入後の運用イメージがつかみやすくなると考えられます。
また、導入前の課題についてもチェックしておくと、自社に適したベンダー選びに役立つでしょう。
NTT東日本の「ひかりクラウド電話」を活用してクラウド型コールセンターを構築しよう
クラウド型コールセンターを構築する際、NTT東日本の「ひかりクラウド電話」は有力な選択肢の一つです。クラウド上に設置されたPBX(構内交換機)を活用し、パソコンやスマートフォンに専用アプリケーションをインストールして設定することで、オフィスの電話番号で場所を問わず発着信が可能になります。
「ひかりクラウド電話」には現在6種類のサービスがあり、クラウド型コールセンターの構築には以下の2つのサービスがおすすめです。
- 「ひかりクラウド電話 for MiiTel」
- 「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」+「カイクラ」
これらのサービスは、「フレッツ光」などのインターネット接続回線を準備したうえで「MiiTel」や「Webex」などの専用アプリケーションを組み合わせて利用します。
ひかりクラウド電話 for MiiTel
「ひかりクラウド電話 for MiiTel」は、AIを活用して電話営業や顧客対応を可視化できるクラウド型電話サービスです。CTIやCRMなど、コールセンター運営に欠かせない機能を搭載しており、AIによる高度な分析機能も利用できます。
「ひかりクラウド電話 for MiiTel」の主な機能は、以下のとおりです。
「ひかりクラウド電話 for MiiTel」の機能例
- 全文文字起こし
-
通話内容を自動で文字起こしする機能。記録や引き継ぎ時の、情報漏れを防止できる。
- 音声解析
-
AIが通話内容を解析し、トーンや発話速度などを可視化する機能。応対品質の改善などに活用できる。
- 通話内容の録音
-
通話を自動で録音・保存する機能。営業トークや対応内容の振り返り、オペレーターのトレーニング、品質管理などに活用できる。
- 応対メモ機能
-
応対内容にタグ(ステータスやリードソースなど)を付けられる機能。検索や管理がしやすくなり、顧客情報の整理・共有に役立つ。
- 抜粋共有
-
通話内容の一部を抜粋し、関係者と共有できる機能。要点のみを素早く伝えたい場合や、ナレッジ共有に活用できる。
さらに、オプション契約によって、エージェント機能やIVR(自動音声応答)の設定、プレディクティブコール(自動架電)など、より本格的なコールセンター機能も利用可能です。
サービスの詳しい内容は、以下よりご確認ください。
コールセンターにおすすめ!「ひかりクラウド電話 for MiiTel」資料ダウンロードはこちら
「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」+「カイクラ」
クラウド型コールセンターの構築には、「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」とクラウド型CTIシステム「カイクラ」を組み合わせた活用もおすすめです。
「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」では、Web会議アプリケーションの「Webex」を通じて、オフィスの電話番号をそのまま活用し、パソコンやスマートフォンなどの端末からコールセンター業務を可能にします。グループ着信や内線転送、保留、自動音声応答などが利用でき、コールセンターに必要な基本機能をカバーします。
これに組み合わせる「カイクラ」は、顧客応対業務を一元管理できるクラウド型CTIシステムです。顧客情報の自動ポップアップや通話録音、対応履歴を残すメモ、音声認識AIによる文字起こしなど、オペレーターの業務効率化と品質向上に役立つ多彩な機能を搭載しています。
さらに、通信暗号化やIPアドレス制限、自動バックアップといった情報セキュリティ対策も施されており、安心して活用できるのが魅力です。
「カイクラ」のサービスについては、以下の記事でも紹介しています。
関連記事:「カイクラ」とは?料金や機能、便利な外部連携、使い方を徹底解説
【導入事例】コールセンター業務を内製化し、顧客の約80%が満足と回答:中川村役場様
人口減少や高齢化が進む地方自治体では、限られた人員で効率的な行政サービスを提供することが重要な課題となっています。ここでは、クラウド型コールセンターの導入事例として、長野県中川村役場様の取り組みをご紹介します。
同庁では、電話交換機の老朽化や複数施設間の連携不足、リモート対応の課題を背景に、2024年にNTT東日本の「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」を導入しました。サービスの選定にあたっては、費用対効果や音声品質、NTT東日本の営業・サポート体制への信頼感が決め手となったようです。
導入後、スマートフォンの活用により柔軟な働き方が実現し、場所を問わず業務が行えるようになりました。固定電話の番号の直通化により職員の業務負担も軽減され、住民が使いたいときに予約するタクシーサービス「チョイソコなかがわ」のコールセンター業務を内製化し、受電率が約50%から97%へ向上。住民満足度は約80%という高い評価につながっています。
他の機器と組み合わせることで、災害時の通信維持についても有効性が確認されており、今後は福祉部門での活用拡大も予定しているそうです。
参照:中川村役場様 クラウド電話導入で実現した、長野県中川村の業務効率化【担当者インタビュー】
NTT東日本は、企業や自治体の課題と向き合い、クラウド型コールセンターの導入で業務効率化とサービス品質向上の両立をサポートしています。「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」の詳細については、以下の資料とサイトをご覧ください。
まとめ
クラウド型コールセンターシステムは、オンプレミス型に比べ導入の柔軟性やコスト面で優れており、リモートワーク対応やBCP対策(事業継続計画)の観点からも注目されています。業務効率化や顧客満足度の向上にもつながるため、今後さらに導入が進んでいくと考えられます。導入時には、自社の業務に必要な機能や情報セキュリティ対策、サポート体制を確認しましょう。
クラウド型コールセンターシステムの構築には、NTT東日本の「ひかりクラウド電話 for MiiTel」や「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」がおすすめです。どちらが自社に適しているかなどの判断に迷う場合でも、お気軽にご相談ください。
コールセンターにおすすめ!「ひかりクラウド電話 for MiiTel」資料ダウンロードはこちら
業務効率が向上!「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」資料ダウンロードはこちら
「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」詳細はこちら
-
※「Webex by Cisco」、および「Webex」は、Cisco Systems,Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における商標登録または商標です。「Webex Calling」はCisco Systems, Inc.が提供するサービスの名称です。
-
※「MiiTel」は、株式会社RevCommまたはその関連会社その他の一定の国における商標または商標登録です。
-
*「Webex Calling」、「MiiTel」は、名称が変更される場合があります。最新情報は、各サービス事業者のホームページをご確認ください。
-
※「カイクラ」は株式会社シンカの商標または商標登録です。
電話についてのご相談なら、
まずはお気軽にお問い合わせ
ください!

今すぐ資料ダウンロード
<資料の主な内容>
・従業員規模別導入プラン
(構成内容、導入ポイント、おすすめサービス)


